表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/80

【閑話:アミュア身長伸びた?2】

※文末にシリーズ共通の地図を入れました。ご参考までに。





 ハンターオフィス内2階にあるマルタス執務室。

時間は深夜になる。

本来は所長室なのだが、マルタスが所長の表示だけ塗りつぶしている。

そこにはミルディス公国から戻ったユアとアミュア。戻った直後に引きずられてここへ連行されたのだ。




「で・・・・なんでアミュアこんなに育っちゃってんの?」

仁王立ちで二人を見下ろすマルタス。腕組みまでして厳しい顔つきだ。

あーこれ怒られる時のヤツだ。

すみやかに察知した二人が直立不動。

いまや二人に身長差はない。

「えと…せ、成長期?です?」

冷や汗を一筋流すアミュアが答えた。

答えてるのか、質問してるか判らない回答。

「なんで疑問形なんだ…そもそもいくら成長期でもこうはならん。」

納得しないマルタス。

アミュアの身長は半月前より頭一つ伸びている。

「アミュア最近よく食べてたから…栄養がよかった?」

「よく食べてるのはユアの方です」

腕組みから右手をこめかみに運び、目を閉じるマルタス。

「もういい、わかんねんだな?二人とも?。それとも説明したくないか?」

二人並んで下を向きしょんぼり。

「・・・わかった。もういい。」

ちょっと乱暴に言い切り、振り返りゴソゴソ書類やペンをいじるマルタス。

振り返ると一枚の紙。

依頼書だ。

「これもって1年ほど出かけてこい。できるだけ誰にも見られるなよアミュア」

受け取るアミュア。

目線の位置になれずに少し落ち着かない。

「なになにー、ふむふむ?」

アミュアの手元に近付き、依頼書を読むユア。

「えと・・かんぜんしゅうじゅ?…これなんてよむのアミュ?」

「…もぅ。今夜から書き取りに加えて朗読いれますよユア。これは完全習熟、【ちゃんと覚える】の意味です」

いまや視線は同じたかさ、なんとなくおねーさんぶりたくなるアミュアが続きを読む。

「簡単に言うと、ハンターの技能・常識を学び次のランクに相応しい能力を身に着けなさい。そのために一年間の研修旅行を…」

そこまで読んでやっとアミュアも意味に気付く。

「マルタスさん…」

窓の近くまで進み、ブラインド越しに外を見るマルタス。

「さすがにソレは俺でも隠し切れん。今夜いたやつは俺が口止めとしておくから。」

振り返らず外をみたままのマルタス。

「ん?どゆこと?」

まったく言外の意味を解せず、腕組みしコテンコテンと左右に頭を振るユア。

「とんずらこいて、ほとぼりがさめるまでかえるなってことです…ありがとうマルタスさん」

後半はマルタスの背中に向けたアミュア。

少し涙ぐんでいる。

振り向かず右手だけ横に出してプラプラするマルタス。

「いいから早くいけ。しっかり勉強もするんだぞ、戻ったらCランクハンターだ」

ハンター協会の民間ゆえの自由さ、ランクの更新はB以下は支部で判断可能だった。

そしてランクアップの条件には技能・知識の習熟も含まれており、研修は必須ではあった。

一般的には旅行は含まない。

 だまって頭を下げるアミュアをみて、あわてて一緒に頭を下げるユア。

「行ってまいります」「行ってまいるみたい?」

最後まで振り返らずぷらぷら手ですましたマルタスだった。

背を向けユア達にみせない顔には、確かな慈しみと喜びがあったのだ。

成長したな、と。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ