ののかちゃんが作る昼飯
今日の昼食当番は、ののかちゃんが担当することになった。
「みなさんの分、がんばって作りますっ!」
と意気込んだのはいいが──。
十分後。
ドゴォォンッ!!
キッチンから爆音がした。
「な、なんだ!?」
「……ガス爆発か?」
「料理で爆発ってどういうこと?」
「ののかちゃぁぁん!?」
みんなで慌ててキッチンへ走ると、
ののかちゃんは鍋の前でオロオロしながら手を振っていた。
「え、えへへ……ちょっと火が強かっただけで……」
鍋の中は謎の光を放ち、湯気は七色に輝いていた。
「なんかすごいな……」
「まず……毒見役だな」
と冷静に言う正晴。
「いやいやいや、普通に危ないだろコレ!」
栞は鍋を覗き込み、眉をひそめる。
「疑問なんだけど……見た目。なんで光ってるの?なんか魔力まとってるし……」
「誰が食べるか決めようぜ!」
「俺はやだよ」
「私も」
「俺も」
「俺も」
「じゃあ多数決で決めよう」
と正晴が言い出した。
そのあとで、正晴・栞・あきとがニヤッとしたのを俺は見逃さなかった。
そして──当然の流れで。
「はい、朝日で決まり。だって不死身だし」
「お前ら……ひどくない?」
仕方ない。
「はぁ……」
虹色の湯気を放つスープを一口すくって──。
「……いただきます」
ごくり。
「意外にうまい……」
一同「えっ!?」
俺が普通に食べているのを確認して、
みんなも恐る恐るスプーンを口に運ぶ。
「……あ、意外に美味しい……」
「意外に食えるじゃんこれ」
「意外」
「ちょっとみなさん! 意外ってなんですか! 意外って!」
「なんか神秘的な味だな……光ってるだけある」正晴
「あ、可もなく不可もなく……」あきと
ののかちゃんは胸をなでおろし、満面の笑み。
「よかったぁぁぁ……じゃあ私も!」
栞が最後にひと言。
「……でもやっぱり見た目はどうにかしよ?」
「ちょっと塩入れてみようかな……」
ののかちゃんが塩を入れた瞬間──
ポワァッ!
鍋がさらに眩しく光った。
「いや、まだ光るの!?」
今日の昼ごはんは、想像以上に“ファンタジーな味”だった。




