勇者(仮)魔王幹部と戦う
荒野。背中に強烈な一撃を受けた俺は、激痛に耐えながら距離をとり、体勢を立て直す。
ネズミ野郎は獣の爪を誇示するように構えた。
「今の衝撃で、君の肋骨は数本いっているはずだ。それでも立ち上がるか。やはり面白い」
「へっ……不老不死を舐めんなよ。こんな攻撃、すぐに治る。それに、今の痛みで目が覚めた。もう、俺も容赦しねぇ」
俺は刀を地面に突き刺し、両手を広げた。雷を全身に纏わせる。
「雷魔法、雷泳!」
俺の体から迸る雷光は、周囲の荒野の空気を震わせた。後藤さんとの魔力を使わない修行で培った体術と、あの過酷な修行の経験が、魔力の制御を助ける。
さっきは見えなかったが、俺が全身に雷を纏わせた今、その動きは俺の目にも捉えられる。
ネズミ野郎は一瞬驚いた顔をして、ニヤリと笑う。
(残像を作り出すほどのスピード……どうやって)
俺は地面に視線を落とした。ネズミ野郎が移動した後の地面には、一瞬だけ熱で焦げた跡が残っている。
(なるほど……そういうことか!)
奴の方を向くと獣の手だったのが、今度は鋭い蛇の鱗のような肌に変わり、爪も少し伸びている。それに尻尾が生えてきた。多分だが、体の一部を様々な獣の姿に変化させることができるようだ。
俺は刀を抜き、雷を纏わせた刀を構えた。
「行くぞ!」
俺は体術の瞬発力を乗せ、ネズミ野郎との距離を一気に詰めた。
雷を纏った斬撃は、ネズミ野郎の爪や尻尾を避けるように、頭部を狙う。だが、ネズミ野郎は体を反り、避ける。避けた瞬間、体を回転させ獣の足と尻尾が俺の体に当てようとしてきた。
それを高速で動いて避け、一旦距離をとる。息を整え構えを取る。
再び攻撃を仕掛ける。ネズミ野郎に向かう瞬間、ネズミ野郎の背中に炎が見えた!さっきは見えなかったが、雷を纏う事で動体視力が上がり炎で加速してるのが見えた。
そのまま俺達は突っ込み、爪と刀がぶつかり合い、火花が散る。
その時、ネズミ野郎はふと口を開いた。
「ハハッ、すごいね。その力、魔王幹部に匹敵すると言っても過言ではない。さすがだね」
俺の能力を褒め、さらに攻撃を仕掛けてきた。
戦闘は激しさを増し、決着はまだ見えない……




