55/69
勇者(仮)依頼の帰り
「じゃあ、刀は探さないから、村の人とかギルドへの報告は私がしておくわ」
そう言って栞と別れ、俺はひとり刀を探し続けた。
「やっと見つけた〜。この森、枯葉が多すぎて見つけるのに時間かかった……」
村に戻った頃には、すっかり夜が明けていた。周りを見回しても、正晴も、ののかちゃんも、あきともいない。
「……あいつら、もう帰ったのか」
刀を腰に差しながら、ぐったりと空を見上げる。
「……もう朝か〜」
「まったく、刀探すのにどれだけ時間かかってるのよ」
背後から聞こえた声に、思わず肩をすくめる。
「いやいや、俺けっこう全力で探したよ?」
「雷で早く走れるようになったんじゃないの?」
「森の中だぞ。火災になったらどうするんだよ」
「知らないわよ。引火したらあなたの責任でしょ?」
「え……」
「ていうか、あのネズミ野郎は何がしたかったの?」
「さぁな。ま、もう会うことはねぇだろ。……たぶんな」
そう呟いて、あくびをひとつ。
「家に着いたら寝よ……」




