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勇者(仮)の俺の話  作者: モヒチャン


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勇者(仮)修行する2

俺が山へ向かって走っていくのを見送って、正晴はのんびりと持参したサンドイッチを広げていた。

「ふぅ、まずは腹ごしらえだな」


一口かじったその瞬間、背後からぬっと伸びた手がサンドイッチを奪い去る。


「お前、なにのんきに食ってんだ。お前も走ってこい!」


振り返れば後藤さん。しかももう彼の手の中にサンドイッチは存在していない。すでに彼の口の中に収まっていた。


「うわぁ! 俺のサンドイッチーー!!」

「うるさい! カロリーは走って消費しろ」

「なんちゅうスパルタと理不尽! 俺、まだ全然食ってないのに!」


正晴の叫びも虚しく、渋々走り始めたその頃、俺はすでに山に着いていた。

なぜ俺がこんなに速いのか。それは――二分ほど前に戻る。


俺は大きく息を吸い込み、体内の魔力を練り上げていた。

「……雷泳らいえい!」


次の瞬間、青白い稲光が俺の体を包み、空気を裂く音と共に駆け抜ける。人の目では追えぬ速度で山に一瞬で着いた。後ろを見ると、土煙と焦げた草を残している。


「……やっば、これ使えるぞ!」


興奮気味に拳を握りしめ、少し休憩してから再び山道のダッシュを再開した。


戻っている途中――正晴を見つけて。


「おーい、正晴。お前もなんで走ってるんだ?」

「うわぁ!? びっくりさせんなよ。後藤さんに走らされてる」

「大変だな」

「お前もだろ!」

「じゃあな〜」


俺は再び雷泳を使って戻った。……やべぇ、疲れた。往復するだけでこんなに消耗するなんて。


所々休憩を挟みながら、山ダッシュ20本をなんとか終える。汗だくで倒れ込む俺を、後藤さんが見下ろしていた。


「よし、ここからが本番だ。雷魔法、全力で撃ってみろ」

「……はぁ、はぁ……よし!」


魔力を練る俺。しかし撃つ直前、後藤さんが鋭く叫んだ。


「まだまだいける! 撃つな!!」

「えっ、まだ!?」

「まだまだ!」


過剰に練らされた魔力は制御を失い、雷は四方八方に暴れ出す。


「うわぁぁぁ!!」


バチバチと稲光が爆ぜ、木々に燃え移り、草は焦げ、地面は黒く焼けてガラス状に変わっていく。


「やめろぉぉ!! 俺の楽しみにしてたスイカがぁぁぁ!!」


一本往復を終えて帰ってきた正晴が絶叫。大きな木の下にあった赤い球体が「じゅわぁぁぁ……」と煙を上げていた。


「あ……やっべぇな、これ。こりゃあ基礎から教えないとな」


後藤さんも珍しく冷や汗を流している。


なんとか魔力の暴走を押さえ込み、息を整えた俺が周囲を見渡すと、あたり一面が真っ黒。


「……マジで全部、焼け野原になっちゃった……」

「うわぁぁぁ! 俺のスイカが! じゅわ〜って言ってる! 俺のスイカがぁぁ!!」


膝から崩れ落ちる正晴。


その正晴が突然俺の肩を掴み、顔を寄せる。

「責任取れ! お前が全部食え!!」

「え、ちょ、ちょっと待っ……」


熱々に焼けたスイカを無理やり口に押し込まれる。


「ふん! いいか、全部食えよ。俺は弁当が無事か確認してくるからな」


正晴が向こうに確認に行くのを見送りつつ、恐る恐る焼けたスイカを口にしてみる。


「……あれ? これ、意外とうまい」


気づけば俺は焼きスイカに夢中になり、夢中で食べていた。


「……ほぉ、どれどれ、ひと口」


後藤さんも手を伸ばし、口に運ぶ。


「なかなかいけるな」


二人して焼きスイカをパクパク。


やがて正晴が弁当の無事を確認して戻って来たときには、あらかた無くなっていた。


「…………は? なんでこんなにスイカ無くなってるの?」

「お、正晴おかえり〜。これ、最後の一切れね」

「ちょっと朝日、その最後の一切れちょうだい」

「なぁ朝日、それ半分に切って俺たちで食わね?」

「いいっすね」


俺は余ったスイカを半分に切ろうとするが、正晴が邪魔してくるので後藤さんに押さえてもらう。


「まあまあ落ち着けって正晴。お前が俺たちにくれたんだろ?」

「そうだけど……食べさせてくれよ! 元々は俺のだろ!」

「てや!」


俺はスイカを半分に切って――。

「じゃあこれ投げるから、先に取った方が食えるよ〜」


正晴の上に向かって投げた。さすがに後藤さんが勝っちゃうから、わざとハンデをつけて。


正晴が勝つかな〜と思ったら……まさかの後藤さんの手の中にスイカが収まっていた。完璧に正晴の方に投げたはずなのに……。


「おい! 朝日! これは俺に対してのいじめか?」

「いやいや、俺お前の方に投げたじゃん!」

「ふっ、これは俺のだ」


そう言い、後藤さんは半分のスイカを平らげた。


満足げに腹をさすっている俺と後藤さんを見て――。


「俺にも食わせろぉぉぉ!!!」


正晴の絶叫が、夕暮れの山に響き渡った。


「俺にも食わせろぉぉぉ!!!」

「お! やまびこだな。正晴〜もう一回やって〜」

「お前ぶっ飛ばすぞ!!」

はい!こんにちは!モヒです!いや〜、エピソード50!長かったような短かったような、不思議な感じですね(笑)。今回と前回は修行編という形で書いてきました。僕自身も「こんな僕でも修行したら強くなれるのかな〜」なんて思いながら執筆していました。

それと、最近なかなか更新できず、だいぶ間が空いてしまいました。どれくらいかというと、最後に投稿したのが8月22日の9時だったので、約1カ月ぶりになりますね。「朝日の修行、とっくに終わってるじゃねーか!」と突っ込みたくなるくらい、時間が経ってしまいました。本当に時間の流れは思った以上に早いですね!

修行編はこのエピソード50でひと区切りにしようと思っています。ただ、時間があれば割り込み投稿を使って続きを投稿するかもしれないのでその時はぜひお楽しみに♪

次回は、朝日が修行している間に他のキャラクターたちの設定やプロフィールなどを解説していこうと考えています。時間のある限りいろいろと掘り下げたいと思っています!投稿予定のタイムリミットは、このエピソードを公開した再来週――2025年9月23日!朝日の修行が終わるまでに、設定の話を書ききりたいと思っています。

さて、話は変わりますが……最近、本当に暑いですね。今年はちゃんと秋が来るのかな?なんて思ってしまいます。今は残暑の時期らしいのですが(2025年9月15日時点)、あまりにも暑くて「これが残暑?」という感じです。この先、地球はどうなってしまうんでしょうか!

それから、最近またコロナやインフルエンザが流行り始めているとテレビで見ました。皆さんも体調には十分気をつけてくださいね。マスク着用・手洗い・うがいといった基本的な感染予防をしていれば、大体は防げると思います!

ということで、そろそろ時間なのでこの辺でお別れです。皆さんも体調に気をつけて生活してください。そしてこれからも「勇者(仮)俺の話」を応援よろしくお願いします!

では、さようなら!モヒでした〜。

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