表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/49

牢屋の出来事。あと少しでお待ちかねの異世界だ!!

「ステータス表示‼︎」


俺の目の前には、俺の名前の下にパラメーターや才能が表示されている。下にスクロールすると「超能力はこちら」と書いてある。何このホームページ的なやつ。

まあ気になるし……って、いや、別に気になってないけど! ただ同じ牢屋に入ってるやつに言われたから開いてるだけだし!


「ぶつぶつ言ってないで、教えろよ」


けっこう怖い顔なんだよね、この人。えーと名前は……あ、確か〜面白いんだよなこれが……あーえー……思い出した、ワイセツさんだ。

もっと言うと、キョウセイ・ワイセツさん。

この世界って、あの二人といい、あの鞭女といい、このおっさんといい、なんでみんな罪の名前なんだ? もしかして、この世界の人って全員罪名で生きてるのか? どうなってんだよ。不思議すぎる。

ていうか「キョウセイ・ワイセツ」って名前、超ウケるんだけど。他にもいろいろありそう。

ちなみにこの人が捕まった罪は……ニート罪。

この世界、ニートだと捕まるってどういうこと!? おかしいだろ! どんな法律だよ!

でも、話してると案外いい人っぽい。……大変だな。

で、「ステータス表示」ってのは本人しか見えなくて、この世界に転生してきた人しか使えないらしい。

どれどれ……俺のステータスは……「不死」。

追加特性で「再生能力」もあるっぽい。うお、なんかすごくね?

「不死か〜いいな〜、それ欲しいな〜……だけどお前も。あっ嫌なんでもない」

ワイセツさんがチラチラこっち見ながら言ってくる。この世界って、スキルとかって継承できたりするの? できるなら、いろんなやつからスキルゲットできるじゃん。

一番上までスクロールすると「職業はこちら」ってあるから押してみた。……けど、エラーが出てきた。は? なんで?

不思議に思ってたら、ワイセツさんが言った。

「お前さん、まだギルド行ってないんだろ?」

「うん」

「それなら職業は出ないわ。当たり前や。ギルドで職業を決めるんだ。……暇だし、説明してやるよ」

この世界にはルールがあるらしい。

「この世界では、スキルは2つまでしか覚えられない。だけど、運がいい奴や、すごい家系の奴はレア職業ってのになれるらしい。出現率は5万人に1人くらいだな。

例えば魔法で言えば、普通は雷と炎の2つを覚えたら、それしか使えない。でも、レア職業になると魔法全般が使えるようになる。ただし、才能があっても中途半端で終わるってのが難点だ。

そして、レアの上にあるのがユニーク職業。これはな、転生者しかなったことがない。100人に1人の割合でなれるらしい。ふたつの魔法を覚えて、ユニーク職業になったら全魔法が高水準で使えて、しかも超能力まで持ってる。まさにチートだよな。……ははは……はぁ……」

「……?」

「なのに! お前ら転生者は、魔王を一向に倒そうとしねぇ!! どうしてだ!? チートでユニークで、なんで魔王を倒さねぇんだよ!!

そのせいで……俺の母さんは……」

「…………ごめんな」

「お前が謝る必要はないんだよ。……ごめんな、こんな話して。でも、知っててほしかったんだ。そして、救ってほしかったんだ。この世界を。」

「……わかった。俺が魔王を倒して、この世界を救う!!」

「ははは! お前なんかができるわけないだろ!! お前みたいなヒョロヒョロが! だけど……まあ、ありがとうな。朝日。この世界を、頼むよ」

そして俺とワイセツさんは、熱い握手を交わした。

「――盛り上がってるとこ悪いな、二人とも。釈放だ」

「後藤さん!?」

「……そして悪かったな、ワイセツ。俺も謝らせてくれ」

「いや、あんたはちゃんとやってくれたよ。幹部を5人も倒したんだ」

え……この人、めちゃくちゃすごい人だったんだ。

「ああ、そっか。君は知らなかったか。俺は元冒険者だったんだ。幹部を倒して、あと少しで魔王を倒せた。でも、魔王との戦いで左足を失った」

「え? でも後藤さんの足は……」

左足を見ていると、後藤さんがズボンの裾をまくる。

「ほら、このとおりだ」

そこには、義足がついていた。

「俺もな、魔王の右腕を吹っ飛ばしたんだよ。でも、すぐ再生されて……逆に足をやられちまった」

そうだったのか……この人、本当にすごい人だったんだ。

「後藤さん!!俺を弟子にしてください!!俺は魔王を倒してみせます!!」

「ぷっ……あはははは! ヒョロヒョロのお前が魔王を倒すだと? 寝言は寝て言え! ウケるんだけど。……まあ、弟子にはしてやるよ。大変だぞ?」

「やれます!! ありがとうございます!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ