表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者(仮)の俺の話  作者: モヒチャン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/69

勇者(仮)クエストに行ってきます!2

青湖――。


「いや! デカすぎだろ! この湖!!」


俺の叫びが、静まり返った湖に響き渡る。水面は凪いでいて、一見穏やか。でもその静けさが逆に不気味だった。


「それにしても……静かすぎない?」


「だね」


「だな。朝日の声がすごい響いてたし」


と、栞と正晴がそれぞれ相槌を打つ。


そんな俺たちの会話を聞いて、同行している漁師のタキムラさんが口を開いた。


「あぁ、昔はもっと魚も跳ねてたし、鳥も鳴いてた。こんな静かじゃなかったさ。でもな……いつからか、どこからともなく海のモンスター『レイク・ジョーズ』と、沼地に出るような『バスクロコ』がこの湖に現れるようになったんだ」


「なるほど……それって、いつ頃からなんですか?」


「そうだな……三ヶ月前からだ」


「三ヶ月!? けっこう長いこと放置されてたのか……」


「まぁな。それだけ厄介だったってことさ。それと……」


タキムラさんは言葉を濁した。


「サメの中にな、ひときわデカいのがいて……その腹に“変な紋章”があるって噂も聞いた」


「……それ、めちゃくちゃ不穏じゃねぇか……」


そう呟いた直後――


俺の全身にビリビリと“何か”が走った。


「……おい! みんな、構えろ! 来るぞ!!」


ドンッッ!!!


湖面が爆ぜ、巨大な影がいくつも水しぶきを上げて飛び出した。


「うわっ……マジかよ!? デカすぎだろっ!!」


「なにあれ!? あれが何匹もいるって嘘だろ!?」


「……まぁ、そうだな」


「「「「嘘だろーーーー!!??」」」」


あまりの迫力に、俺たちは一斉にツッコんでしまった。


「ちなみに、ボスっぽいやつはあれの二倍くらいの大きさって聞いたぞ」


「「なんであんたそんなに冷静でいられるの!?」」


俺と正晴の声がハモる。


「そりゃあ俺、このクエストをギルドに出してから、受けに来た奴ら全員に付き添ってきたから……」


「から?」


「……慣れた」


「「「「ふざけんなーーーー!!」」」」


俺たちは揃って怒鳴った。が、怒っているヒマもなかった。


「お、おい朝日!! 湖の奥から……なんか上がって来たぞ!?」


「“なんか”って……」


言いかけた俺は、それを見て絶句した。


バカみてぇにでけぇ。


ワニ……なのか? いや、形はワニだけど、サイズがもう完全にバケモノ。


「なぁ栞……これ、ヤバくないか?」


返事がない。


栞の方を振り向くと――彼女は、腰を抜かして地面に座り込んでいた。


「おい、大丈夫か!?」


「う、うん……たぶん……」


「たぶんじゃない! 無理そうな顔してんだよ!!」


「やばいですよ朝日さん!!」


ののかちゃんが半泣きで叫ぶ。

その隣では正晴が、鼻水垂らして俺の服にくっついていた。


「おい正晴! 鼻水つけんなって!!」


「む、無理〜〜!! 朝日ぃ〜〜!! 助けてぇ〜!!」


「朝日さ〜ん!!」


ののかちゃんも叫ぶ。


「……もうっ!! 退避だ!! 一回退避!!!」


「よっしゃきたああああああああ!!」


俺の「退避!」を聞いた瞬間、正晴が嬉々として叫んだ。こいつ、俺が言うの待ってたな絶対。


「いいか! 全員、丘まで逃げろ! あいつら、あそこまでは追ってこられねぇはずだ!!」


「「「了解っ!!」」」


俺たちは一斉に逃げ出した。


もう怖すぎる。見た目の圧がヤバすぎる。


これじゃあ、今までクエストに来て途中でリタイアした奴らの気持ち、めっちゃわかる。


もう無理!!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ