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勇者(仮)の俺の話  作者: モヒチャン


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みんなとご飯食べた時の勇者(仮)の俺の話4

朝――


まだみんながまどろむ中、俺はひとりキッチンに立っていた。


「さて……昨日の残りの鮭、いい具合に味がなじんでるな」


昨夜の夕食で残しておいた鮭の切り身で作った鮭の塩焼き。

やっぱり朝には鮭の塩焼きがしっくりくる。


そして、今火にかけているのは――

マグロの頭・骨・尾・ひれなどのアラと昆布で取った、香り高い出汁の味噌汁。


「出汁、完璧……味噌入れて、よし……」


味噌を溶かし入れ、湯気の立つ鍋をひと混ぜ。

その隣では、卵焼き用のフライパンを温めながら、鶏の卵を溶いていた。


「まさか、この世界に鶏の卵があるとはな……」


出汁少々とみりん、少しの砂糖を加え、卵液を流し込む。

手際よくくるくると巻いていくその様子は、我ながら慣れた手つきだった。


「よし……ふわっと焼けた。ごはん……って言いたいとこだけど、米はこの世界には無いから、代わりに焼いたパンも一緒に召し上がれ」


こんがり焼けたトーストを皿に乗せ、テーブルへ並べ始めたそのとき――

ぱたぱたと足音が聞こえてくる。


「わっ……すごい。ほんとに全部、朝日が作ったの?」


リビングに入ってきた栞が、目を丸くして言った。


「まあな。今日は俺の当番だし、朝はちゃんと作りたかった」


「へぇー、なんか意外」


「意外ってなんだよ、意外って!」


寝ぐせだらけの正晴が乱入してきて、椅子にどかっと座る。


「……ふぁあ。なんか、いいにおい……」


「ちょっと待っとけ、もうすぐ出来るから」


そんなやり取りをしていると、さらに足音が。


「おはよー!! わっ、いい匂い!朝ごはん!?」


あきとが全力で椅子に駆け寄ろうとしたその瞬間――


「待てコラ。手、洗った?顔も!」


ののかちゃんの声がビシッと飛ぶ。


「えっ……まだ……」


「じゃあ、洗面所へUターン。戻って」


「えぇ〜〜〜」


全力で逃げるように洗面所へ向かうあきと。


「……はぁ、朝から元気ね」


「俺の料理がうまそうすぎたんだろうな」


俺はテーブルにどんどん朝ごはんを置いていく。


「はいはい、自画自賛はほどほどにして、食べよっか」


そして、全員が席に着き――

俺お手製のスペシャル朝ごはんが、テーブルに並ぶ。

•鮭の塩焼き(昨晩の残り)

•出汁香る味噌汁(マグロ+昆布)

•甘くふんわり焼き上げた卵焼き

•香ばしいトースト


「いただきまーす!!」


一口食べるたびに、湯気とともにほっとした空気が広がっていく。


「うわ、この味噌汁、出汁がめちゃくちゃ効いてる……!」


「鮭、熱いけど……うまい!」


「卵焼き、甘い……美味しい……」


「だろ? ののかちゃん。俺のセンスと技術だな」


「自分で言うな!」


栞のツッコミを聞いて笑いながらパンをかじり、味噌汁をすすって、鮭をほぐす。


「やっぱ、朝はこういうのだなぁ」


「……わかる。なんか、ちゃんと一日が始まるって感じ」


「朝日、また明日も頼むわ」


「それはお前の当番だろ」


「あれ?そうだっけ?」


「はぁ、頼むよ」


にぎやかで、穏やかで、そして温かい朝食。

それはまるで、この家の“幸せの証拠”みたいだった。

次回予告!


「よし!お前ら!明日クエスト行くぞ!」


「え〜ヤダー」


「ヤダーじゃないだろ!ほら、正晴、いやいや言ってないでギルド行くぞ!ウチは金ないんだぞ!!」


「まぁ金がないのは確かね」


「ほらな!ほら行くぞ!正晴!!」


「嫌だ〜……あっ、ちょっと待って!朝日!!」


「あぁ?なんだよ?」


「次回予告中だぞ!!」


「うん、そうだね」


「次回予告させてくれたら、行く!」


「言ったな?……いいぞ」


「なら、お言葉に甘えて。おっほん、では――

次回!『勇者(仮)クエスト行ってきます!!』

見てな!!」


「よし!行くぞ!!」


「待って、こ、心の準備が……!」

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