みんなとご飯食べた時の勇者(仮)の俺の話 2
魔導剣士となった俺は、この日“食事当番”で同居する仲間たちのために、腕によりをかけた手料理をふるまうことに――なるはずだった。
だが、準備に取りかかる前に事件は起きた。
正晴が、大暴れ。
「おまえ、罰として料理手伝え!!」
怒ったおれは、正晴を強制的に料理を手伝わせることにした。
俺がみそ汁・おにぎり・寿司の仕込みを担当する一方で、
正晴はツナマヨの具づくり、合わせ酢の調合、そして寿司の握り担当に――!
ふざけながらも、なぜか途中から「寿司職人モード」に突入する正晴。
神?のような手さばき(※本人談)で寿司を握るその姿に、不安と笑いが入り混じる。
そんな中、ついに料理が完成!
・ツナマヨおにぎり
・味噌汁
・マグロ&サーモン寿司
という、当番とは思えない豪華メニューがテーブルに並んだ!
「おい! そのサーモン、俺が狙ってたやつだ!」
「早いもん勝ちって習わなかったか?」
――食卓は、戦場だった。
俺がメインディッシュとして運んできた寿司。
みんなが一貫ずつ口にした、その瞬間――
「この寿司は俺のもんだー!!」
正晴が叫び、自分の小皿に次々と寿司を並べ始めた。
「おい! 取りすぎだぞ!!」
俺は箸を構え、本気のディフェンスモードに突入する。
「マグロとサーモンは俺が握った。つまり俺の魂だ。誰にも食わせん!」
「それじゃ寿司作った意味ねぇだろ!!」
「……あら? 正晴? それってどういう意味なのかしら」
「ひっ、な、なんでもありません!」
栞の一言で、正晴はビシッと正座した。さすが天然女王様。
その横では、陽翔――あきとが、おにぎりの次に寿司を狙って手づかみで突撃。
「これもう寿司じゃない! うま寿司だ!!」
「何その造語!?」
ののかは全力で弟の手を拭こうとし、
あきとは全力で逃げる。
「やめなさいってば! 手がベトベト!」
「ぺろっ」
「口で拭うなー!!」
「……みんな静かに食べることが出来ないのかしら」
「お前も、もうちょっとツッコんでくれ……」
騒がしい。でも、どこかあたたかい。
俺たちだけの、騒がしい食卓。
箸と笑い声が飛び交い、寿司も味噌汁もツナマヨおにぎりも、あっという間に消えていく。
笑いが絶えないのは、きっと――
この家が「家族」になりつつある証なんだと思う。
血が繋がってなきゃ家族じゃない、って言う人もいる。
でもな、俺は思うんだ。
**「家族って言ったら、家族なんだよ」**って。
だってさ、考えてみろよ。
君のお父さんとお母さん、血繋がってるか? 他人同士だろ?
もし結婚してるなら、奥さんや旦那さんも血は繋がってない。
でも、それでも“家族”だって、普通に言うじゃん。
血が繋がってないなら家族じゃない?
だったらDNA検査でもしてみるか? そんなこと、誰も本気で言わないだろ?
だから俺は胸張って言いたい。
**「一緒に笑える時間があるなら、それが家族だ」**ってな。
……ちょっと語りすぎたか。暗くなったらごめんな、読者のみんな。
話を戻そう。
明日、何が起きたとしても――
今日のこのご飯が楽しかったなら、それでいい。




