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勇者(仮)の俺の話  作者: モヒチャン


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26/69

勇者(仮)、暗殺者に狙われる!!

ギルドの前を通り過ぎ、街の路地へと足を踏み入れた朝日。

さっきから感じる微かな殺気に、胸がざわついていた。


裏通りの奥、薄暗い影の中に、確かに人の気配がある。

息を潜め、身を低くしている――普通の人じゃない。


「ねえ、そこに隠れてるの、君だよね?」


軽い調子で声をかけた瞬間、飛び出してきたのは小柄な青髪の少女。

手にしたナイフが反射する、わずかに光る毒の輝き。


「うわっ!? マジか!!」


ギリギリで横に飛び退く朝日。

少女のナイフが石畳に突き刺さり、乾いた音を立てた。


「いきなり刺す!? 普通さ、まず名乗るとかないの!?」


しかし少女は答えず、すぐさまナイフを振り回してくる。

――だが、その動きは熟練の暗殺者にしてはどこか雑だった。

無駄に力が入りすぎ、踏み込みも粗く、隙が多い。


(……経験が浅いな。勢い任せだ……!)


一撃一撃が本気なのは伝わってくる。

だが、それ以上に、どこか焦りと不器用さが見え隠れする。


「……なあ、何のためにやってんだ? 金か? 弟がいるのか?」


「――っうるさい!!」


一瞬、少女の動きが鈍る。


その隙をついて、朝日は一歩踏み込んだ。

ナイフを刀の鍔で受け止め、力任せに吹き飛ばす。


「ごめんな。でも俺も、ここで死ぬわけにはいかないんだ!」


少女は息を呑み、目を見開く。


そして――


「くっ……あぁ、ナイフが!!」


悔しそうな顔をしてナイフを拾い、背を向けて走り去っていった。


「……逃げた……?」


朝日は息を整え、ゆっくりと立ち上がる。


「はぁ……びっくりした……。最近の暗殺者って、こんな若い子なのか……?」


そう呟き、額の汗を拭った。


――確かに、殺気は本物だった。

だが、どこか無理をしているような気配も感じた。


(……放っとけるわけ、ないよな)


次に会ったとき、彼女と「戦う」以外の道を探さなきゃならない。

それが、勇者(仮)としての、俺なりの流儀だ。

次回予告!!


「なんだったろうな、あの子」

「その子、強かったの?」

「いや、すぐに制圧できるね。動きも雑で隙だらけだったから」

「へぇー」

「……彼女はなぜ俺を狙ったんだろ」

「さぁ? 分からないわね」

「――でも、気になるんだ。あの必死さ、あの目……」

「……ねえ、まさか追いかける気?」

「そんなことないって!ただ……次に会ったら話してみたいんだ」

「はぁ……またそういう流れになるのね……」


「次回!『勇者(仮)、暗殺少女を追いまくる!!』

読んでくれよな!」

「ストーカーにならないようにね」

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