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prolog
「これから貴女の身柄、少し預からせてもらうよ。」
彼は仕事の時に使う手袋をはめて、私の視界を遮った。
普段私____白兎優美と話していた人物とは別人のような低音で、左耳が震える。
寝る直前だったからか、頭が働かない。
最後の気力を振り絞ってからだを動かそうとした____が、呆気なく彼に押さえつけられてしまった。
私の上に彼が乗る。
ベッドが音を立てる。
本物の彼氏とだったら、このシチュエーションは最高にロマンチックだっただろう。
だが、私は潜入捜査のためだけに彼に近づき、彼にプロポーズした女だ。
恋愛感情などは決して持ち合わせていない。
つまり、私はスパイ。
このことはターゲット____彼にバレてしまったら一貫の終わりだが......
「優美さん......いや、スパイの凛然結恋さん?」
バレてしまいました。
これからどうしましょう。
というか、預かるとは?




