教室の中心でエロを叫んだ中学生
中学生の頃,英語の先生がフランス語について軽く説明してくれたことがある.
曰く,フランス語ではHを発音しないそうだ.聡明な僕は「じゃあスケベフランス男児に風呂を覗かれた女の子は,キャ〜〜〜エッチ〜〜〜とか言わないんだなぁ」と真面目に考えていた.
授業終わり,先生が生徒に質問する.
「フランス語で”こんにちは”はなんていうでしょう?」
僕は考えた.”こんにちは”は”HELLO”である.そっからHを引くわけだから,当然”ELLO”になる.つまりエロ〜⤴️だ.さすがフランス人,えっちを発音しないくせに真っ昼間からえっちな挨拶を交わすのか.僕は深く納得した.
答えがわかったのだから,発言しないと先生からいい評価をもらえない.他の生徒も大勢いる教室でエロ〜というのは恥ずかしかったが,自分の答えに自信があった僕は,挙手もせずに勢いよく「エロ〜⤴️」と言った.
残念ながら声が小さかったせいか,先生からのリアクションはない.
数秒後,後ろの方から「エロ〜…⤵️」というつぶやきがちらほら聞こえてくる.このままだと先生が他の生徒に良い評価をつけてしまう!
「エロ〜〜〜!!⤴️⤴️⤴️」僕は先ほどよりもかなり大きな声で叫んだ.すると確かに先生はこちらを向いた.だがリアクションはない.うまく聞き取れなかったのだろうか.
「エロ〜!!!⤵️⤵️エロ〜〜〜!!!⤴️⤴️⤴️」僕は連続して叫んだ.ついでにイントネーションも変えてみた.先生の顔を見るとなぜか微笑を浮かべている.あれ???もしかしてぼんじゅーる待ちだった???
先生はニヤニヤしながら白いチョークを手に取り,黒板に”ALLO”と書き込み,言った.
「”HELLO”はフランス語では”ALLO”になります」
僕は絶望した.僕はこの先狂ったようにエロを叫びまくる変態キャラとして周りに見られるのだろう.おいフランス人!どうしてくれるんだ!!あなた方がEをAに変えちゃったせいで僕はこの後大変な目に遭うんだぞ!!!僕は心の中でフランス人を罵倒し続けた.
案の定放課後は大変だった.クラスの悪ガキ連中からエロ〜エロ〜言われまくり,女の子たちは話しかけてくれず(これはいつでもそうか),ああ,僕はこの先卒業までずっとむっつりスケベキャラとして生きていくのかと思った.
だが予想に反し,次の日からはこのネタでいじられることは無くなった.理由は今でもわからない.これは推測だが,悪ガキ連中もあの授業の時にエロ〜と叫んでおり,僕をいじることがブーメランになってしまうと考えたのかもしれない.
この思い出のせいで,今でもフランス語に対する好感度は低い.フランス人の皆さん,なんかごめん.でも元々は皆さんが悪いんですよ???
いまだにalloには納得いってません.お読みくださり,ありがとうございました!!!