2025年末創作ネタメモ垂れ流し放出・高縄屋敷博物苑「委細之記部(いさいの しるしべ)」その一
コピペな感じになりますが、よこしまべです。2025年もあっという間に終わろうとしていますね。今年も色々とありましたが何とか更年期のヲカマのオッサンも辛うじて生きております。
お仕事上、今更何をという気もしないでもないのですが、高齢者相手という性質上、どれ程仲良く交流してもやはり突然である場合もそうでない場合も永遠の別れが来てしまいます。この歳になるまでに多くの人達を見送っていると、やはり自他問わず明日どうなるかは本当に判らないのだと思い知る時があります。
まあ、思い知っては忘れ、また思い知らされるの繰り返しではあるのですけども。
そんな訳で、ふと、自分の頭の中の沢山の物語のネタメモを仕舞い込んだままでいるのも何だか落ち着かない気持ちにもなってしまった訳です。
他人からすると取るに足らない素人の物語の妄想の断片でしかありませんが、それでもネットの片隅に放流しておきたい。誰の為でもない、自分自身の自己満足の為に。
とまあ、そんな感じで垂れ流します。
高縄屋敷の方も執筆に空白が出来ていますが、後日再開しましたら、ここのメモ書きは適当なところで削除します。
第三話その17以降のメモ書き。
精介も正直なところ足が痛い。部活の練習で走り込んだり筋トレとかも真面目にやっていたつもりではあったが。日常生活で体を使うのとはまた違うと言う事なのだろうか。そしてすぐ高縄屋敷。結三郎と精介もここで。和尚達、今日はとても楽しゅうございました。勉強にもなりましたし。図書館でまた違う相撲の写真集も借りたいなあと庄衛門。親方苦笑。寺からアサクサまで長距離走の往復も意外と良い鍛錬になりそうじゃのうと。走るんすかと春太郎は引き気味。まだ起きている子供達も寝惚け眼で結三郎達に挨拶し、帰っていく。気を付けて。さあ我々も戻ろうかと。明日は山尻殿の世界の探検だし今日は早く寝よう。そ、そうだった。精介、ちょっと部屋を掃除して結三郎さんと(茂日出と)を迎える準備をしておかねば。ダチョウも、ああ、私も付いて行きたいのですが今回は初回の練習的な探検なので殿と結三郎様だけだという話だった。実に残念。奥苑の鳥飼部達も残念と言うか悔しがりのたうち回っていた。そこまで・・・。というか我々にとって未知の異世界の探検を、普通は最悪の場合を想定して死亡や帰還不可能でもかまわないと覚悟をした者達を募って行なう筈なのに、そこで一番の責任者と養子とはいえその子供が最初に打って出るというのが何ともはや。結三郎については正確には3回目の異世界だし。この前の精介の送還や、相撲大会の応援と、ほんのちょっとの直行直帰だったが。改めて常識的なダチョウの言葉を聞きながら結三郎は苦笑。そう言われると申し訳ないと言うか何と言うか。そんな話をしながら博物苑詰所の食堂に。ぎりぎり夕食の時刻に間に合った。ダチョウも折角なので久し振りに人間の食事を摂って奥苑に帰る事にすると。食事を終え三人は奥苑に。
ダチョウとも別れ精介は元の世界に帰ろうと門の部屋に。茂日出が待っていた。明日は朝9時半頃に精介の部屋に行くのでそのつもりでと。は、はい!!楽しみではあるがやはり茂日出には怯えてしまう。茂日出、朝そちらに行って昼は一旦この部屋に戻って昼食。そしてまたすぐに精介の世界に。五時位に撤収と考えていると。探検とは言うが今回は精介の近所の散歩程度。探査機が送って来ていた映像を自分の目で確かめる程度。段階を踏んで広げていく。は、はい。じゃあまた明日と精介は結三郎に挨拶して帰る。自分の部屋に戻って、あ、結三郎さん達の写真全然撮ってなかった。まあ日之許には無い道具だから自粛していたのもあってすっかり頭から抜け落ちていた。あ、明日はこっちの世界の散歩だから撮りまくっても何の問題も無い・・・筈。ちゃんと充電して寝よう。・・・なかなか寝付けずにいたが流石に高縄とアサクサを往復した疲れが出ていつの間にか眠ってしまっていた。
翌朝。スマホの目覚ましで七時。眠いうるさい。あ、夏休みなのに解除してなかった。もぞもぞ起きる。まあしかし助かった。今から起きて用意すれば余裕で結三郎さん達が来るのに間に合う。軽く朝食を食べるとゴミをまとめたり掃除機掛けたり。やり始めると意外とあれこれ掃除したくなり拭き掃除や窓拭きとか。少し汗かいてしまった。麦茶を飲み時計を見るともう九時半。早っ。門からのそのそと茂日出が出て来てそれから結三郎。お、おはようございますっす。うむ、おはようと。結局門の大きさは135センチで固定されたままなので通れない事も無いが窮屈で這う時に動くとあちこち引っ掛かる。帝の奴め。結三郎、苦笑。おはよう山尻殿。精介も笑顔で挨拶。そして二人の衣類に気が付く。珍しく洋装。茂日出はホワイトシャツにベージュのズボンというかスラックス。シンプルな。結三郎も似た感じでホワイトシャツにグレーのスラックス。革靴。何処かの会社員がちょっとネクタイを外したという風情。日之許に洋服あったんすねと感心。探査機で見た人々の衣類を元に藩邸出入りの商人に作らせておいた。シャツやズボン自体は頒明解化で少しずつ取り扱いは増えているのでそれ程困難な事ではなかったと茂日出は説明。
という訳で精介の世界の実地の探検じゃと。は、はい。しかし探検とはいえ、この前結三郎が言っていた様に精介の部屋の中を調べていくだけで今日の予定時間が終わってしまいそう。茂日出がカメラ片手に早速部屋のあちこちを。すまぬが撮影させてもらうぞと茂日出。個人的な知られたくない事柄は適宜言ってくれ。避けるのでと。は、ハイ。台所の様子、照明器具、冷蔵庫、食器・・・。割箸や茶碗、湯呑等、似た様な物もあるが撮影。ラップとかアルミホイルとか、数センチだけサンプルとして持ち帰りたい。あ、どうぞどうぞ。本当はゴミがある意味一番のサンプルなのだが流石に。ダダダメっす。それこそプライバシーの塊っす。(何よりコイたティッシュがまだゴミの日に出してなかった)まあ後日、この地域のゴミ捨て場などに探査機を遣わせて採集じゃな。古代の人類のゴミ捨て場の化石なども学問の上での貴重な資料だとは授業でやった気はするけれども。ナントカ貝塚とか。トイレや浴室、洗面所へも。掃除しておいてよかったと精介はほっとする。茂日出、何じゃつまらん。生活の場所での水回りの微生物のサンプルも撮影したかったのに。一応事前の探査機や式神の調査で問題のある微生物やウイルスは無かろうと、少なくとも精介の住む町やその近辺の地方では問題は無い筈だと分析結果は出てはいるが。でなければこんな精介の世界での普段着で来たりはしないし精介も自由に日之許に出入りさせたりはしていない。成程。茂日出、まあ一応と風呂場の排水溝の蓋をめくりカメラで。奥苑の電子計算機に取り込んで拡大したら表面の細菌などが写っているという寸法。オレの世界のカメラより高性能じゃないですか。蛇口に湯船にシャワー。茂日出にとっては狭くて窮屈だが。今度次の機会にでも使い心地を試してみたいと結三郎何となく。きょ、今日にでも一緒に入って使い方をっと精介。そういう見え透いた言動は如何なものかと思うぞと茂日出。精介は笑って誤魔化す。それから精介の居室に。流石の茂日出も一応遠慮がちに。これでも弁えておるから気後れせず撮影にまずい物はきちんと言って欲しいと。は、ハイ。
ベッドに本棚代わりの小さなメタルラック(教科書や相撲の本とか)、サイドボード。御家族の写真か?と結三郎。一応説明。そう言えばカクショウ寺の裏で言い合いした時に両親は死んでしまって云々と精介が言っていた事を断片的に結三郎は思い出す。その後の言い合いの方の記憶が強くてあんまり覚えていなかったが。飛行機事故で死んでしまって。10歳位の頃だから覚えていてもいい筈なのにあんまりあれこれあったせいなのかよく覚えてなくて。すまない事を聞いてしまったと結三郎も茂日出も謝る。あ、写真と言えばまたスマホで結三郎さん・・・とお父上を撮影できたらなんて。茂日出もまあよかろう。日之許で帝や鳥飼部の長老達と調査研究の旅をした時も息抜きに記念写真を撮る事もあったしな。精介が台所のテーブルの上の充電器に指しっ放しのスマホを見ると、あ、もう昼近いと。11:30くらい。茂日出、ここらで一旦昼食に屋敷に帰るか。取り敢えず貸せ、と精介のスマホを。茂日出の手との対比で物凄く小さく脆く見えてしまう。窓辺に並んで立つのを撮影。あ、じゃあお二人をと精介が言うが、こっちで撮ると茂日出は言い精介と結三郎をそのまま、自分のカメラを操作し空中に浮かべ固定。リモコンスイッチを持ち三人並ぶ。茂日出は写り込むように中腰。・・・将来の家族写真の練習かもなと茂日出が漏らすのを聞こえたのか聞こえなかったのか。え?と精介と結三郎はシャッターを切り終わった瞬間に振り向く。え?義父上? 答えず茂日出は立ち上がりカメラを操作して写り具合を確認。うむきちんと写っておると。後日印刷して精介と結三郎にやろうと。二人共、有難うございます。昼を食べたら少しここらの近所を探検、いや散策するか。茂日出は窓を開けてベランダに。結三郎と精介も。おおーっと結三郎は感心。後ろに立ち精介も外を見る。保護者付きではあるけれども自分の部屋に結三郎さんが居る事にとても嬉しくなる。こことは違う日之許の世界と、確かに繋がっているのだと。そこに結三郎が空を見上げて何か飛んでいると。茂日出も飛行機に気が付く。あれはこの世界の飛行機械じゃろう。証宮の図書館の資料で幾つかの世界の乗り物を見た事がある。随分と高い所を飛んでいるので小さく見えるが。精介、ああ、電車で一時間掛かるか掛からないか位の所に小さいけど空港があるんす。電車!飛行機!と結三郎も茂日出も目を輝かせる。今日は流石に難しいが第二回目の探検のテーマは電車と空港の調査じゃな。
精介にとってはいつもの見慣れた二階からの町の風景。近所の家々やマンション、夏の青空。結三郎と茂日出、町の様子は違うが空の様子は日之許と同じじゃな。二人の茂日出の言葉に結三郎も大きく頷く。では昼飯にしよう。その内弁当でも作らせてこちらの世界で見晴らしの良い場所ででも食べたいが、今日のところは一旦戻って。お前の分も用意しているからと茂日出は居残ろうとした精介を促す。今のところ精介の節約した小遣いしか我々にはこの世界の通貨を得る手段が無いからのう…。探査機で調べたが路上販売も町の全てにおいてお上の許可が居るし。前藩主だったので統治する側の思惑も判るが、とか何とか喋りながら順に門をくぐり研究室に。
すぐ食べられるように門の前に長机に食事が鳥飼部達によって用意されていた。鶏の照焼丼と味噌汁、浅漬け多め。今日の研究室の当番は磯脇。磯脇さんは昼飯はと精介が何となく尋ねると、交代で早めに取っていますと。何となく落ち着かない感じがしながらも取り敢えず食事。茂日出はまあ殿様だから側に誰か控えていての食事は当たり前なのだろう。精介、何となく昨日の精介にとってはとんぼがえりのアサクサのお出掛けを思い出し、鳥飼部の皆さんともさっきの話じゃないけどお昼の弁当食べるだけでも俺んちの近所の小さな公園とかででも・・・と。俺的には昨日のアサクサ、結三郎さんや祥之助さんや長屋の皆と弁当は食べられなかったし。茂日出、お主は単に結三郎と外で弁当食いたいだけじゃろうと。精介笑って誤魔化すが、磯脇は是非にと。異世界を少しだけでも散策して異世界の景色を見ながら弁当を食べるとは、何と素晴らしい思い付き、と。茂日出は溜息をつきながら承諾。福利厚生の一環か・・・と。そして食事を終えて再度精介の部屋に。午後は近所の探検というか散策。結三郎、精介にこの世界の人間にきちんと変装できているだろうかと改めて。大丈夫っすよ。この前の相撲大会の応援の時だって溶け込んでたし。まあ今回はノーネクタイの会社に勤めている青年とその上司といった感じだし。うむ安心したぞと茂日出。精介、そうは言ったものの、2メートル近い筋骨隆々の初老の男性は・・・元プロレスラーとか格闘技の人が引退して所属団体とかの会社で働く様になった様な感じというか何と言うか。まあ人目を惹くかもしれないけど奇異な目で見られる事は無いだろう。
玄関で靴を履き、精介はサンダルで外出。ほう、外からは扉はこんな風になっておるのか。火災報知器に配電盤に水道メーター。ふむふむ。予習の通りじゃと。マンションに使われている金属やコンクリート等々。物珍し気に眺めたり写真を撮ったりしながら歩く。まあ予想の通り、色々とじっくり見ているせいで歩みが遅い。そして一階、自転車置き場。茂日出、自転車がこんなに沢山!! これはバイクという奴じゃな。運転免許制の。内燃機関で車輪を動かすのじゃな。精介は持っておらんのか残念じゃ。持ち主が来るとまずいので写真はさっさと撮って下さいねと。立体映像の資料自体は証宮の資料で閲覧できるので写真はそこまでこだわらぬが是非運転してみたいのう・・・と。自転車置き場の向こうに見える駐車場の自動車にも二人して目を輝かせる。マンションの住人皆が勤め人という訳ではないので、二三台は残っていた。明るい黄色と白の可愛らしい軽自動車。あれが一時間で40キロも走行するのか。そして茂日出はマンションを振り返る。精介の住む長屋。しみじみと茂日出は眺める。青空や雲や日差しの雰囲気は故郷の佐津摩のぎらつく刺すような、それでいてきつい湿気と熱気を孕んだものとは比べるべくもないが、塔京とはまあまあ同じ印象。だがしかし風に乗って運ばれてくる町の匂いや生活の臭み、がやがやとした様々な音、日之許の町とは全く違う。言葉や文字や人種はとても似通った近い世界とはいえ、・・・本当に異世界に来たのだなと茂日出も結三郎も感慨深く。今日のところはこの近所を散策するか。さ、案内してくれと茂日出は精介に。は、はい。取り敢えずここを真っ直ぐ行くとこの間の精介が日之許に転移してしまった所に。ああ、昼間見るとまた感じが違うなと結三郎は興味深そうに見回しながら歩く。茂日出、まあついでじゃしきちんと穴が塞がれているのかの確認もしておくか。途中、精介の学校の生徒らしき男女の何人か、多分部活に行くのだろう、通りすがりに茂日出の巨体に驚きの目を。プ、プロレスラー?引退の人?じろじろ見たら失礼だよとか話しながら去っていく。衣類は違和感無いようだが体格までは変えられないからなあと結三郎は茂日出の困った様子を見ながら苦笑。精介、でもまあ不審者とか悪い人とかには見られてないし、引退したプロレスラーとかに間違われるくらいならまあ好意的なんじゃないんすかと。そうさのうと茂日出は溜息。
プロレスとやらも断片的だが式神が送ってきた映像で見た覚えがある。相撲に近いような遠いような格闘技を観客に見せるものであったな。他にも引退したプロレスラーが路上で何かしら格闘技の技などを見せて人々を楽しませている映像も見たぞ。結三郎、帝と言い義父上と言い、一体いつ探査機や式神の送ってきた情報を分析しているのだろうと疑問。鳥飼部達の様子から博物苑の仕事は少々の遅れはたまにある様だが深刻な滞りは聞いた事が無いので一応きちんと仕事はしているのだろうけども・・・。路上のパフォーマンスとやらで御ひねりを貰っていたのも見た。その辺は日之許の路上の大道芸と大きな違いは無い様じゃが。そんな事を話しながら歩き、こちらの町でも路上の芸とか露店が問題無ければ小銭はそれで稼げそうなのじゃがなあと。前藩主さまが大道芸っすか・・・。精介は何となく高い身分の者の取り澄ましたふんぞりかえったようなイメージと違うなと。結三郎、義父上はそう言う事には拘らないと言うか、むしろ率先してやる気質だから・・・と。精介凄い納得。茂日出こちらの世界も基本的な物理法則は日之許と似ておるから石壁突きも唐竹割も出来る筈じゃ。刀よりはやはり拳を振るう方が性に合っておるが。唐竹割は判るっすけど石壁突き?結三郎は精介に説明。大人の背丈ほどの高さで数センチの厚さで作った石の壁を何枚か重ねて正拳突きでぶち破る。現役藩主の若かった頃は丁度きりよく10枚破った事はあるが流石に今は衰えて半減かのう。まあここらの壁くらいならば軽い抜き手でちょいっとと手近な住宅のブロック塀をつんつんと。いやいやいやいや他人様の家にはやめて下さいよ。精介大慌てで止める。判っておるわいと茂日出少し拗ね気味。まあしかし、念の為、こちらの世界でもきちんと体が動くかは確かめておかねば。何か危険な事が迫っても適切に逃げられるようにのう。精介、いやコンクリの壁何枚か重ねたのをぶち破る必要があるような事態には絶対ならないっすから。茂日出は聞き流しながら軽く跳び上がったり、助走なしのバク転等。ふむ。特には問題無さそうじゃと。精介、ほんとに物理法則同じなんすか。殿様の周囲だけ法則無効になってないすか。結三郎、まあ義父上だからなと呆れながら。と、そこに上西。何だ今の、すげええええ。近くの曲がり角の所から自転車で出て来たところ。精介が驚いて声を上げ、上西も精介に気が付く。精介、何で? 何でって言われても今から学校の部室に行く所。今日は一時半から合宿とかバイトとかの説明会だろ。精介、そういえばそうだった。
結三郎さん達との探検ばかりが頭にあって合宿の事とかすっかり忘れていた。まあでも後でFINEで説明事項は流してくれるんだろ。今日はこの人達との用事があるから・・・と。代わりに聞いておいてくれと。上西、おいおい引退したとはいえ付き合いわりぃぞと呆れる。それから茂日出と結三郎を見てふざけて、ハハーンあれだろ。こないだの話の異世界転移で相撲の稽古を付けてくれた人達だなとふざけ半分で。精介、あんなふざけて言った事まだ覚えてたのかよ。上西と精介の会話に茂日出と結三郎は驚き少し緊張。この世界では異世界転移の事は広く知られているのか? 精介、少し上西から離れて慌てて結三郎達に説明する。ヘビメタバンドの魔界の悪魔とかアイドル歌手のアイドル星人みたいなロールプレイ・・・ええと、あー、お芝居の鬼とか何か武将とかを演じてる役者とかが、舞台が終わって町を歩いてる時にも武将になりきった振舞いをするシャレというか。上西はホントに茂日出と結三郎が異世界の人間だと思ってる訳じゃなくて。上手く説明出来なかったが二人はまあまあ何とか理解する。ふむ。なかなか面白い趣向じゃなと。精介達が話をしている所に上西が。ぼちぼち学校に行かないと説明会遅刻だぞ。ほんとに行かないのかと。学校という言葉に結三郎が反応。部外者は見学してもいいのでしょうかと上西に問い掛ける。精介、学校見学はまた次回ででも・・・。しかし上西、どうなんだろ。相撲部の部室周辺位ならいいんじゃないか?精介の知り合いなんだろ? 見張りみたく同行してたらいいんじゃない? 精介、無責任に勝手な事を言うなってと上西を止める。最近はそういう部外者の出入りって厳しいんじゃなかったか? 取り敢えずいいかどうか監督に今聞いてみると上西はスマホで。今向かってるところなんすけど山尻捕まえて。何かスゲエ人達と一緒なんですよ。町の案内してるっていうんすけど、学校とか俺等の部活も見学したいって。精介、いやいやいや何か話が変わってないか?結三郎さん達そこまでの事は言ってねえし。上西、何処のどんな人か。まあウチの部室くらいなら何とか・・・。と監督から聞かれ、えーとと茂日出達を見ると、異世界日之許国は佐津摩藩の前藩主・島津茂日出じゃ。こちらは息子の佐津摩藩お抱え力士の結三郎じゃ。よ、よろしくと結三郎緊張しながら頭を下げる。上西、いいねえ。
設定バッチリじゃないっすか。しかもアレだろ。お抱え力士って何か時代劇ですげえ強い相撲取りなキャラクターじゃないの? 上西一人で納得して監督に、だ、そうです。と。監督、ハァ??お前も山尻とおんなじラノベ読んだりしたのか?そんな訳の判らん肩書じゃなくて・・・という監督に、上西、まあホントはどっかのプロレスとか格闘技団体の引退した人だとは思うんすけど。多分。あれっすよ。多分業界で知る人ぞ知るって人物っすよ。お近付きになってたら後々何かコネとかいい感じになるんじゃないすか。監督、上西の言い草に呆れる。いいからさっさと山尻捕まえて一緒に来い。上西、いやいや藩主サマとお抱え力士君も連れて行くッスよ。もうオーラからしてただもんじゃないって言うか。ほんと、見てもらった方が早いって言うか。上西、茂日出達に、あ、えーと、テレビ電話モードで撮影してもいいっすかねと。精介は止めようとするが茂日出は鷹揚にかまわぬよと。この世界では学生も手軽に高性能の通信機器を手にしておるのですねと結三郎は感心。上西、よし、山尻も殿様のすぐ横に並べと。精介は困惑するが茂日出が引き寄せる。上西、スマホ切り替えて茂日出達を。監督、は? いや、カメラの角度の問題だろ。信じてくれない。仕方無いと上西はもう少し近付き三人並んだのを撮影。届いた監督ははぁぁぁ? ほんとに三人ちゃんと横並びか?? おわかりいただけただろうかと上西はナレーション風に。監督、確かに素人さんじゃないよな・・・。監督も少し茂日出達に興味持つ。お抱え力士とかいう設定だっけか。そんな設定する位だから相撲もそれなりに取れるんだろうし。・・・まあ見学だけで何も問題起こさなければ大丈夫な筈だからOKと。入校申請書は用意しとくから書いてもらう様に言っといてくれと。上西、流石監督。太っ腹物理的にも精神的にも。スマホ切って、という訳で見学OK見たいッスから行きましょうと。精介、えええ・・・。茂日出は乗り気で楽しそうだったが、結三郎は山尻殿が困る立場に立たされるのであれば遠慮した方がいいのではと。我々はこちらでは結局身元不明の不審者の様なものですし。その話が聞こえ上西はそらないっすよ。大丈夫大丈夫。というか、今日は部室行かないほうが困る立場に立たされるんじゃないか。ちゃんと説明は対面で聞いといた方がいいと思うぜ。上西に言われ精介は渋い顔。
結三郎、なんと。それはまずい。早く行こうと。上西、すっかり茂日出達を格闘技か何かの引退選手と思い込み、それを間近で交流できそうな事にはしゃいでいる。上西から少し離れて歩きながら精介は溜息。結三郎、部活の用事があったのを休んで我々を案内してくれていたのか。すまないと。精介、あ、いや、上西はああ言ってるけど別に後で説明のプリント・・・あー、説明を印刷したやつも回って来るし、あいつ大袈裟に言いやがって。でも、ほんとは自分が部活で相撲取ってるとことか、学校の中とかも結三郎さんに見てもらいたかったし、自分の生活に関する物や場所を色々と一緒に見て回るのってやってみたいとは思ってたんで、まあ・・・ちょうどいいのかな・・・? その言葉に結三郎もほっとする。あ、でも・・・精介、小声で二人に。その・・・すんません。俺の男色の事とかは上西達には黙っていて欲しいッス・・・。こっちの世界だとちょっと知られるとまずいって言うか・・・。ああ、そう言えばそうだったな。結三郎、カクショウ寺の裏での言い合いを思い出す。帰りたくないと怒鳴った、でも辛そうな精介の表情も。茂日出もあい判った。生活習慣や物の考え方等、色々と違う事が当たり前じゃからな。お主に迷惑が掛からない様余計な事は言わない様に気を付けよう。精介、すんません。上西と共に大通りに出て学校へ。なかなか大きな道路じゃな、あれは自動車か。色々見回しながら茂日出も結三郎も嬉しそうに。ほんとならもっとのんびり結三郎さん(と茂日出)とで色々と町の見物をしながら歩くつもりだったのにと上西を恨めしそうに精介は見る。でも嬉しそうな結三郎さんの様子は可愛くて微笑ましい・・・。茂日出は通り過ぎたトラックにも軽く驚く。あの様に大きな自動車があんなにも速く走るとは。上西、藩主サマはトラック見るのは初めてッスかと。からかい気味ではあったけど悪意は無くむしろ微笑ましそうな雰囲気で。通行人もちらちら大柄な茂日出を見たり。茂日出、うむ自動車全般今日が初めてじゃ。日之許には無いからのう。自転車も精介の持ち物を少し見せてもらった程度じゃし。上西、なかなか演技が徹底してるっすねと感心。そうする内に学校。ああ、あっちはこの間の体育館と結三郎が道路の向こう側を。精介、そうっすね。もう3週間くらい経つのか。早いなと。上西、あ、お抱え力士君はあの体育館行った事あるんだと。ええ、まあ。この前の大会とやらに出た山尻殿の応援に・・・と。
上西、へええ来てたんすか。山尻がやけに張り切ってたけど異世界で稽古つけてもらった成果を見せたかったからなんすか、とかなんとか話ながら皆は校庭の隅の稽古場の方に。上西は自転車置いてくると言う事で一旦離脱。精介はため息つきながら稽古場に先に二人を案内。ここが学校かと二人共興味津々。精介、あー今は夏休みって言って長期休暇に入ってるんで授業は無くて、部活とか補習とか何か用事がある生徒だけ学校に来てて、それ以外は来てなくてと説明しながら。ふむふむ。茂日出、しかしこれだけの高さの石造りの建物に普段大勢の生徒達がやって来るというのはなかなか学校制度がきちんと整備されておるのじゃなと。日之許も何十年かの後にはこの様に子供達がきちんと学問を修められる様になって欲しいですねと結三郎。稽古場に向かいながらもやはり野球部とか陸上部とか、外で活動している学生達からは茂日出の姿が目立ち、ちらちら見られる。何々、何かの取材?という声がちらちら聞こえる。精介は取り敢えずそうした声は無視して稽古場に。上西も追い着いてくる。ドアを開け、挨拶。こんちはーっす。結三郎も失礼しますっと一応大き目の声で。茂日出も失礼いたすと。稽古場の土俵の横にブルーシート敷いて、ホワイトボード。先に来ていた部員達が何人か座っていた。今日来れない者も居て小さなテーブルの上にはノートパソコンとカメラ。テレビ電話会議に。監督と顧問と、見慣れないスラックスにポロシャツの人。監督達もブルーシートの上で胡坐。皆が精介というか茂日出を凝視。皆一瞬沈黙して固まっていたが、上西が、いったっしょ監督。ただもんじゃねえって。精介、戸惑いながらも一応監督に、えーとすんません。ちょっとした知り合いなんすけど、今日は町の案内してたんすけど、何か成り行きでというか主に上西のせいで俺等の部活いや部室の見学をさせてほしいという感じで・・・。あ、ああ・・・と監督も顧問も。はじめまして・・・。見学は歓迎しますが今日は先に部員達に合宿とかバイトとかの説明をしなければならんので・・・。取り敢えず見学申請書に記入をと。あい判り申した我々にはお気遣いなくと茂日出は書類を受け取る。部員達は、爺なのにすげえガタイ、とか、何かの取材か?とかこそこそお喋り。山尻知り合いなのか?と声を掛ける者も。
監督、取り敢えず手を叩き注意。見学の人の案内は後だ。取り敢えず説明始めるぞと。精介と上西は一番後ろに座り、結三郎と茂日出もその隣に。取り敢えず記入。細い筆記具じゃの。書きにくい・・・と茂日出は困惑。ボールペンも初めてッスかと上西。筆ならば何とかと。結三郎が二人分代筆と言う事に。名前はまあ島津茂日出と結三郎で。住所と電話番号・・・精介が、あ、取り敢えずウチのマンションの隣の部屋番号で。空き室だったので取り敢えず。電話も俺の携帯の番号でと。かたじけないと結三郎。備考欄?結三郎が記入している様子が見えた顧問の先生の方が、ああ、山尻の知人とでも書いといてくださいと。取り敢えず夏休みの予定の説明。部活は明日から一年二年はいつも通り開始。引退扱いの三年は自由参加。夏休みの合宿は来週の8/1から5まで。電車で一時間ほどの海辺の町の()町の()神社で。1、2年は原則全員参加。5名。3年は自由参加だけど多分、バイト希望の場合は合宿参加の扱いにはならないので気を付ける様にと。そしてバイトの説明。ポロシャツの人はここのOB。()町にある清掃会社に就職していて、今回去年出来たばかりの貸別荘の仕事が入り、今年は学生バイトの雇用も始める事にした。テストケースと言うか住み込み学生バイトを雇用した場合のノウハウを社長が蓄積したいらしくて。社長は()大学相撲部のOB。本当は自分の大学関連の相撲部を使いたかったらしいが、6年前に部員不足で部は消滅。仕方が無いのでOBの出身のアラカワ大付属に話が。合宿が終わった後もこれこれの日程を住み込みバイトでと。合宿のとバイトのと二つ、保護者の承諾書類とか雇用契約書とか今配るんで希望者はちゃんとサイン貰って来いよ。締切りは明後日。精介も受け取る。結三郎、み、身分証明が問題無かったら私も働きたかった・・・とガックリ。上西、お抱え君もバイト希望っすか。こちらの通貨を持ってないのでと。上西、ハイハイと挙手。異世界人のバイト雇用は無いっすか。精介、おい上西なんつうことを。茂日出も結三郎も驚く。OBも監督も苦笑。今回は日本国籍持ってる奴だけだ。・・・まあ、うちの社長ならその内ホントに困ってる留学生とか無戸籍ナントカの人とかも短期間ならノリで雇い入れそうだけどな・・・。精介、結三郎さんと一緒に住み込みのリゾートバイト、すごくいい!! という訳で説明会終了。質問とかあったら監督の方のFINEにでも。ハーイ。
そしてそのまま誰も帰らず。OBも。監督がえーと、取り敢えず相撲部の見学希望と言う事で・・・?ようこそいらっしゃいましたと。茂日出と結三郎も困惑しつつよろしくお願いしますと。上西がはしゃいで、山尻君のスランプ脱出を助けてくれたらしい異世界の方達です。精介、おい、と上西を窘める。何だよ、異世界転移に巻き込まれて向こうで相撲の稽古付けてもらったとか何とか言ってたじゃないか。ノリ悪いぞ。精介、いやあれは何と言うか。上西、ていうか、山尻だけ稽古付けてもらったのは狡いぞ。割と真面目に上西は、一時期山尻は凄いスランプで酷い相撲だった。それがほんの短期間で改善されてる。まあ狡いは言い過ぎたけど、精神的にか稽古的にかは知らんけど何かしら助けてもらったんじゃないのか。精介、それはまあ否定はしないけど・・・と困惑。監督、ああ、山尻のスランプを助けてもらったんですか。お世話になったのですねと礼を。結三郎、困惑しながらいえ山尻殿は自分で立ち直ったのです。私は大して稽古を付けてあげた訳では・・・。上西、おおー山尻殿いただきました。和風ファンタジー系異世界人ムーブっすか。玄人向けっスね。上西・・・と精介は溜息。上西がファンタジー系漫画とか好きなの初めて知ったぞ。姉ちゃんがちょっとはまっててな。それで。精介、取り敢えず見学な、と上西を放置。監督と顧問にどう紹介したものかと。結三郎は意外に上西の反応を窺うように上西の方を見る。上西は、あーそのまま俺に紹介したみたいな感じでお願いしますと。結三郎は困惑したままだったが茂日出は大して困った様子も無くあっさりと。うむ、上西殿の言う通り異世界日之許国の佐津摩藩前藩主・島津茂日出と申す。こちらは息子の島津結三郎。佐津摩藩お抱え力士じゃ。精介、あー、サツマっていっても違う世界なんで漢字の書き方は違うんス。と半ばやけくそで補足。監督と顧問、OBもは、はあ・・・と何と反応したものかと。二年の部員が、あれじゃね?何かの音楽バンドの魔界の閣下ってコンサート以外の場面も全部あの振舞いじゃないか。あれと似た様な感じじゃないか?と言い出し皆納得。上西がそうそうきっとそう。どっかの格闘技団体の引退した人が演劇か何かの武将役で活動してるんじゃないか? 結三郎と精介は困ったままだったが茂日出は機嫌良く、うむうむ、そう勘違いしてもらった方がこちらでの活動がしやすくなりそうじゃなと。一年部員が、島津様は何か格闘技をしてたんですかと。茂日出、うむ・・・相撲に柔術、合気の術・・・大体一通りはしておったかのう・・・。剣術や槍も。
何か技見せて欲しいですと別の一年が無邪気に。そうさのう・・・。見世物としてはやはり唐竹割とか石壁突きなどが判り易くてウケが良かろうが・・・。監督が、あ、じゃあまあ適当にブロック塀割でもと余り本気にして無い様子で。稽古用の重し用のコンクリブロックを。精介慌てて止める。監督の方を。いや部の備品っしょ。砕けたら困るでしょ。監督、苦笑しながらそうか。なら丁度いい。部室の外に寄付でもらった小さめの庭石置いてある。稽古の重しにと寄付されたが大きすぎて稽古には使えない。庭石としては小さいのだが。あれ砕いてもらって稽古用に丁度いい大きさにしてもらえたら。茂日出承諾。監督も顧問もOBもえ?と。皆でぞろぞろ部室の外に。庭石。鍛錬用にはどのくらいの大きさが良いかのう。何気無く片手で庭石を持つ。え?その時点で監督と顧問絶句。精介と上西、そうっすね。こう軽く抱えられる程度の。うむ。茂日出は軽く腰を落とし、正拳突き。は?え? 部員達歓声。おおーすげえええ。庭石はあっさり砕けて数個の塊に。こんなものかのう。監督達、呆然と庭石を手にする。何かのトリックじゃないよな。仕掛けが無いのは寄付してもらった監督と顧問が一番判ってる。上西達、これで持ちやすくなったッス藩主サマ有難うございますと。茂日出も満足そうに、うむ、鍛錬に励めよと。上西、お抱え君は何か技とかは?と期待の目で。結三郎、いや私はとてもあの様な事は出来ません。普通に相撲を取るだけで。精介も結三郎を庇う様に、あの殿様は特別だ。結三郎さんは普通に相撲が強いだけだよと。普通に強いって何だそらと部員達。というか部室の見学はどうなったよと精介。というかこの流れだと監督とかが部室見学じゃなくて部活見学どうぞとか言い出して今から全員参加の稽古が始まりかねないぞと。聞いていた監督達も、それはそれで面白そうだけどなあ。今の庭石砕き見て確かに上西の言う通り、藩主サマは只者じゃなかった。きっと本当は知る人ぞ知る元格闘家か何かなんでしょうと。そんな人達に稽古を付けてもらったり助言してもらったんなら確かに山尻も短期間でスランプ脱出したのも納得。叶う事ならば日を改めて一日だけでも部員達に稽古を付けて欲しいけど。顧問も残念そうに。茂日出も申し訳ないと。流石にこちらも日々の仕事があるのでのう。しかし身元不明の異世界人でもよければ息子の結三郎を時々は稽古に参加させてもらってもいいだろうかと。精介、内心で大喜び。こっちの部活で結三郎さんと一緒に相撲が取れるなんて。
監督も、まあ地域のボランティアの人との関わりみたいな感じの取り扱いになると思うんで歓迎しますと。他の大学や高校の相撲部とかだと小中学生の部活だけでなく地域のサークルとしての相撲団体を受け入れての活動をしているところもあるし。結三郎、かたじけのうございます。是非次の機会には皆様とご一緒に稽古をお願いいたしますと。という訳でやっと部室見学。部活見学にならなくて良かったなと監督。部員達も苦笑。かんべんしてくださいよ。明日から頑張りますからと。まあ部室見学と言ってもそんな広い訳ではないし変わったものがある訳でも。当たり前すぎて土俵には大して説明もなく過ぎようとしたが、結三郎は少し立ち止まりしみじみと。土俵はこの世界でも同じなんですね。精介もそうっすね。相撲のルールも同じだったし。精介も日之許に転移して春乃渦部屋の親方と初めて相撲を取った時の事を思い出す。アラカワ神社の放棄された土俵や、照応寺のつぎはぎの土俵。体育館の土俵。世界が違っていても全部同じだった。部員達の目が無ければもっとくっついてゆっくりと語り合いたかったが。壁際のトレーニング器具も興味深そうに。重石も規格化されていれば鍛錬の度合いが判り易いですね。ダンベルとか。鉄砲柱もこちらも同じ。鏡を見ながらフォーム確認とか。ふむふむ。多少道具は違うものの相撲は基本的には身一つマワシ一つで取れるからのう。根っこのところはこちらの世界も同じか。後は更衣室とか台所、シャワー室に洗濯。おお。二人して喜び驚く。上西、何か稽古場より反応大きくないか。屋敷にも欲しいですね義父上。多分証宮の図書館で探せば設計図とかはある筈じゃが、材料や組み立て技術が伴ってないからのうと残念そうに。神降ろしでもたらされた知識はあっても、プラスチック部品ならば石油を精製する所から、いや石油を精製する為の装置を作る所から、いやいや石油を見つけたり掘り出したりする所からと連鎖していき先が長い。という訳で然程時間は掛からず見学は終了。突然邪魔して申し訳ありませんでしたと茂日出は挨拶。実に有意義で楽しかったと。監督や部員達もまた来てくださいと。庭石も砕いてもらったので一人一個な感じで訓練用の重しが行き渡った。有難うございました。鍛錬に励めよと。という訳で精介と帰る。
スマホで時計見るともう四時。説明会の後の見学で結構時間が掛かった。ゆるゆる帰るか。茂日出も結三郎も今日は実に楽しく有意義だったと。異世界の探検調査より何より精介の普段住んでいる世界の――町の様子や空気を感じられて良かった。精介、じんわり結三郎を見る。それに考え物な部分はあるが一応はこの世界の人間・・・精介の部活の人達との縁も出来た様だし。精介も結三郎も苦笑。まさか正直に身分を名乗って受け流されるとは。上西のいい加減で大雑把な性格もたまには役に立ったのか?他では兎も角、相撲部では日之許の殿様親子で通じそう。信号を渡り体育館を見ながら。茂日出、こちらの世界の運動の施設か。相撲大会もここであったのだったな。寄り道したそうな茂日出の様子だったが、結三郎が止める。五時には帰るのでしょう。この調子だと絶対時間を超過してしまう。精介、申し訳ないスけど体育館、殆どの部分が事前予約で使用許可貰わないと入れないっすよ。ほら、とフェンス越しにテニスコートや陸上トラックで練習している者達を示す。あちこちの社会人サークルとか、児童のサークルとか、よその学校の部活の合宿とか特訓とか。せいぜいプール部分だけじゃなかったか。夏休みで一般開放しているのは。それについても入場料かかるし。茂日出ガッカリ。金か・・・世知辛いのう。さっきの相撲部の者達、大人達も含めてこちらの本当の事情に理解を示してくれそうな者は居らんかのう。本当に異世界と行き来しているのを理解し、しかし秘密を守ってもらえそうな・・・。大人の協力者がいたほうがこちらの世界ではもう少し自由に活動できそうなのだが。精介、そうですねえ・・・。理解はしてくれそうなのは上西とか後一人二人。しかし秘密を守れるかどうかというとあいつ凄い言い触らしそう。調子乗りだし。・・・それに。すんません・・・。もし秘密を守れる奴がいたとしても・・・。俺の男色の事もバレやすくなるのは困る・・・。結三郎、そうだったな。すまない義父上が調子に乗ってしまった。この世界の物の考え方にも注意しておかねばな。私も自分が男色だと言う事をうっかり口にしない様に気を付けなければならないな。精介、すんません・・・。いや、山尻殿が謝る事ではないだろう。茂日出、仕方無く、名残は尽きぬが高縄に帰るか。また近い内に機会を作って遊びいやいや探検に来よう。精介と結三郎、呆れる。今凄い自然に本音が。夕食は高縄で今日も食べていくのじゃろう。そのバイトとやらの説明書、後でワシ等にも見せてくれ。そんな事を話しながら帰路に。何とか無事に第一回目の精介の世界の探検調査は終わった。




