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第三話みっつめ、しるすこと 「銭金の工面に悩む内、行事催事多き夏を企てるに就いて記す事」其の十六 結三郎達の麻久佐からの帰途に就いて記す事

第三話みっつめ、しるすこと

「銭金の工面に悩む内、行事催事多き夏を企てるに就いて記す事」

 「其の十六 結三郎達の麻久佐からの帰途に就いて記す事」


 皆が一階の図書室に戻って来ると、窓口に座っていた瀬能が立ち上がり出迎えてくれた。

「お帰りなさいませ。活動写真は如何でしたか?」

 瀬能の問い掛けに竹雄達は嬉しそうに笑いながら答えた。

「面白かった!」

「ええと、それで、あたし達にも貸し出し証作って下さい。」

 竹雄が答えた後に千代や喜美、初美が声を揃える様にして瀬能へと頼んだ。

「早速活動写真の効果がありましたね。」

 千代達の言葉に瀬能もまた嬉しそうに頷いた。

「はい。既に皆様の貸し出し証は用意してございますよ。」

 瀬能の後ろから先程おかみさん達や子供達に図書室の事を教えていた若い女性職員――名札には岡村と書かれていた――が、皆の分の貸し出し証を朱塗りの盆に載せて持ってきた。

「あ、長屋のお母さん役の人だ!」

 太一郎が岡村の顔を見て思わず声を上げていた。

 二本目の活動写真で病気で寝込んだ母親の役を岡村は演じていたのだった。

「あらあら判ってしまいましたか。」

 岡村は皆からの視線に照れた様な笑みを浮かべた。

 彼女はほんの一場面映っただけだったが、太一郎には判った様だった。

 岡村と瀬能から貸し出し証が皆へと配られ、活動写真に映し出されていたものと同じ証宮離宮殿の塔の絵の入ったカードに子供達だけでなくおかみさん達や明春達も感動していた。

「おおーっ。活動写真のと同じだ。」

「ちゃんと俺の名前が入ってる。」

 子供達が喜ぶ横で春太郎や利春達も嬉しそうに貸し出し証を眺めていた。

 そして貰ったばかりの貸し出し証を手に、皆は活動写真を見る前に窓口に預けていた本の貸出手続きをしていった。

 そんな皆の様子を温かく見守っている結三郎やダチョウ、精介のところに、佐津摩藩お抱え力士の写真集を借りて機嫌の良さそうな祥之助が戻ってきた。

「結三郎と精介は貸し出し証作ってもらって何か借りたりしねえのか?」

 祥之助の手にある写真集に少し困った様な目を向けつつ、結三郎は軽く頭を横に振った。

「ああ、今日は特には借りたい物も無いしな……。それに貸し出し証が無くても、博物苑の身分証明書でも借りる事が出来るんだ。」

「へえー。」

 結三郎の答えに祥之助が感心している横で、精介も感心した様に声を上げた。

「え、じゃあ俺も博物苑の身分証でここの本、借りられるんすか!?」

「ええそうですよ。ああ、私が持ちっ放しでしたね。」

 精介の声に近くに立っていたダチョウがやって来て、羽の中からここに来る時に正門の門番に見せていたカードを取り出した。

「ちょ、ちょっとだけ時間下さいっす!」

 ダチョウから身分証明書を受け取ると、窓口の近くに構えられていた小さな机と椅子の前へと走った。そこには検索用の端末機械――精介の世界のパソコンのモニターとキーボードの様な機械が置かれていた。

 「図書検索にお使い下さい」と楷書体の筆文字で机の前の壁に貼り紙があり、一応は誰もが自由に使用出来る様にはなっていた。

 だが、まだ図書館への来場者数も少ない上に日之許では一般に普及すらしていない道具だったので、精介が今日触るまで殆ど触れられた事が無く置物の様な状態だった。

「あ、コレあいうえお順か……。」

 机の前に腰を下ろし、キーボードに手を伸ばしかけた精介はキーの配列が違う事に気が付いた。

 自分の世界と日之許が言語や文字が同じだったので、無意識に同じ様な仕様だと思い込んでいたが、日之許のキーボードはあいうえお順になっていた。

 一応は学校の授業でパソコンをいじったり、学校の図書館の利用の仕方を習ってはいたので、大まかな使用方法は似た様なものだろうと取り敢えず手元のキーボードを叩いた。

「えーと。佐津摩藩、力士、写真――と。」

 皆が順番に貸し出し窓口で手続きを済ませていき、終わった太一郎や竹雄達がモニターにかじりついている精介の様子を不思議そうに眺めていた。

「なあ。若様、何やってんだ?」

 精介を指差して竹雄が尋ねるが、誰もがよく判らず首をかしげるばかりだった。

「あれは、ここの図書館の本の中で自分が欲しいものが無いかどうか調べているのですよ。」

「へええ。あんなよく判らん道具を使いこなすなんて、大したもんだなあ。」

 ダチョウの説明に祥之助が感心し、興味深そうに精介の席に近寄っていった。子供達や明春達も借りた本を手にしながら後に続いた。

「――佐津摩藩、相撲、島津、結三郎、お抱え力士、後何だっけ。」

 祥之助が借りた様な佐津摩藩の力士についての図書が他に無いか検索したものの、思い付く限りの多くのキーワードを入力したせいもあり、無情にも該当無しと表示された。

 肩を落としつつも精介がキーワードを減らして再入力すると、たった今祥之助が借りた写真集が表示されたが――当然の事ながら貸し出し中の表示となっていた。

「お? この本じゃねえか。ちゃんと表示されるんだなー。」

 精介の後ろに立っていた祥之助が感心しながらモニターを見た。

「おー。何かよく判らんけど流石若様。」

 よく判らない機械を使いこなしている精介の様子に、竹雄達は尊敬の目を向けていた。

 余所の藩の力士達の写真集や、杜佐の相撲や土地神の呪詛についての論文、日之許各地の村相撲の考察――と、相撲に関する図書は多数表示はされたが。

 懲りずに何度か検索を繰り返したものの、精介の望む佐津摩藩力士――いや、何よりも結三郎を取り扱った図書は無い様だった。

「ううう……。」

 モニターの前で大きく項垂れて溜息をつく精介の肩を、祥之助が気の毒そうな表情で軽く叩いた。

「俺の後でコレ借りたらいいだろ?」

「は、はい……。」

 悔し涙で少し目を潤ませながら精介は傍らに立つ祥之助を見上げた。

 精介が検索している間にも照安和尚や親方、おかみさん達も貸出手続きを終えた様だった。

 照安和尚は仏典の解説書を、親方は相撲の中級者向けの鍛錬の本を、おかみさん達は話していた様に料理や裁縫の本をそれぞれ借りていた。

 返却は子供達の通う学校にやって来る移動図書館の職員に預ければよいと瀬能から改めて説明があり、移動図書館の本もこの貸し出し証があれば学校に通う子供達以外の者でも借りる事が出来ると伝えられおかみさん達も喜んだ。

「その内もっと難しそうな縫物の本も読んでみたいわねー。」

「あたしはお芝居の元になった物語の本も読んでみたくなったわ。」

「ああ、去年芝居小屋で一緒に見たヤツでしょ? あれ面白かったわよねー。」

 いつもの調子でおかみさん達は暫く賑やかに喋り合っていた。

 近くには他に来館者も居なかったので、瀬能と岡村はおかみさん達のお喋りを苦笑しつつも特には咎める事はしなかった。

「そうそう。遠くからおいで下さった方の為に、当館ではこの様な書物専用の背嚢も貸し出しております。」

 瀬能がカウンターの下から背嚢――精介の世界のリュックサックとかナップサックと呼ばれる様な背負い袋を二つ取り出した。

 窓口の机の上に置かれた緑色とオレンジ色の背嚢は、ナイロンやポリエステルの様な化学繊維を連想するやや艶のある防水生地で作られており、薄い長方形の箱型に仕立てられていた。

「ここをこう開くとですね……。」

 瀬能が箱の上部のファスナーを開くと、内部は二~三冊ずつ本が入れられる様に細かく仕切られており、運搬中に本が傷んだりしない様になっていた。

「背中に当たる部分の布地は網状になっておりまして蒸れにくくなっています。背嚢全体は防水仕様の布で出来ていますから口をきちんと閉じていれば雨が降っても中の書物は濡れません。」

 何かの通販番組の様な調子で瀬能は朗々と背嚢の説明をしていった。

 通販番組等を見た事も無い皆は感心し、興味深げに机の上の背嚢に目を向けていた。

「あ、俺達は緑色な。」

「椿の葉っぱの色ねー。」

 竹雄が緑色の背嚢へと手を伸ばし、喜美と初美が「つばきのひめ」の絵本を仕舞ってもらおうと差し出した。

 順番に竹雄が長屋の皆の本を預かって背嚢へと仕舞っていった。

「儂等は橙色の方じゃな。」

 親方がオレンジ色の方の背嚢を開き、自分や照安和尚、明春達の本を押し込んだ。

「本って意外と重いんだな。」

 自分達の借りた本が全て仕舞われた背嚢を庄衛門が片手で持つと、意外とずっしりとした重みがあった。

 勿論、普段から鍛錬している相撲取り達にとっては大した重さではなかったが、子供達やおかみさん達がこれを背負って科ヶ輪まで帰るには少し辛いのではないかと思われた。

「長屋までは俺が背負うよ~。」

 力士長屋の住人でもある明春が緑色の背嚢を背負った。

「あー、明春の本、そっちに入れとくか。」

 橙色の背嚢を背負い掛けた庄衛門が、明春の本がこっちに入っていた事に気付き、明春の借りた本を取り出した。

 明春の借りたものは物語の本で、精介の世界で言うところの小学校高学年向けの様なものだった。

 マワシを締めた青年の絵が表紙になっており、どうやら相撲取りの青年の活躍する物語の様だった。

「へえー。こんなんあったのか。後で読んでみたいな俺も。」

 利春が少し興味を惹かれた様で、そんな事を言いながら明春の背負った背嚢の中に本を突っ込んだ。

「ではそろそろ帰りましょうかのう。」

 照安和尚が皆へと声を掛けた。

 明春と庄衛門が背嚢を背負い終えると皆は瀬能と岡村へと礼を言い、図書館を出ていった。

「今日は面白かったなー。」

「ねー。」

 竹雄や千代達が図書館の玄関でそんな事を話している近くで、良子に手を引かれている松吉が立ったままうとうとし始めていた。

 途中良子に背負われたりしていたものの、やはり幼児の体力は麻久佐までの歩きで尽きてしまっていた様だった。

「あ、良かったら荷車にどうぞ。」

 リヤカーを牽いて玄関に出て来た結三郎は、松吉の様子に気付いて良子へと声を掛けた。

「ああ、すみませんね島津様……。」

 良子は申し訳無さそうに頭を下げ、行きは遠慮したものの帰りは結三郎の言葉に甘える事にした。

「他の子供達も良かったら二、三人ずつ交代で乗って下さい。」

 荷台の空になった昼食の重箱の風呂敷包みの横に寝かされた松吉の様子を、少し羨ましそうに見ていた他の子供達の様子に気付き、結三郎は声を掛けた。

「やったー!」

 竹雄や千代達が嬉しそうに声を上げ、先に千代や喜美、初美達女の子の方が乗る事になった。

 千代は荷台に上がると、松吉の体をそっとずらして膝枕をしてやって座り込んだ。

「よし、重くなったのならば丁度良い。お前達、鍛錬の一環じゃ。交代で高縄まで牽いていけ。」

 女の子達がきちんと座り終えたところで結三郎がリヤカーの引き手を持つと、親方が側に居た利春の背中を叩き弟子達を見回した。

「えええ……。」

 親方の思わぬ指示に利春達は不満気に声を漏らしてしまった。

「今からその様な事でどうする! 杜佐藩邸での出稽古はもっと厳しいぞ。」

 春乃渦部屋の稽古がぬるいという訳ではなかったが、先日の浅右衛門の稽古は厳しくするという言葉を思い出し、今から少しでも弟子達に身心の準備をさせたいという親方の思いがあった。

「お、おっす。――じゃあ、俺から。」

 親方の気持ちを察し、珍しく引き締まった表情で気持ちを切り替えた春太郎が一番手に名乗り出た。

 結三郎が場所を譲り、春太郎は腰を少し落として荷車を牽き始めた。

「では帰ろうかのう。」

 親方の言葉に皆が頷き、図書館の玄関を後にした。

「ほんと今日は楽しかったねえ。」

「そうねえ。何だか帰るのが名残惜しい感じだわ。」

「帰り着いたらぎりぎり夕暮れかしらねえ。」

 門へと続く元来た道を歩きながら、おかみさん達は相変わらず賑やかに喋り合っていた。

「今朝出掛ける時にちゃんと夕飯の下準備しといて良かったよ。」

「帰ってご飯食べたら今日はみんなすぐに寝ちまいそうだねえ。」

 そんな事を話すおかみさん達に、横を歩く竹雄達が夕飯は何かを尋ねていた。

 そうした様子を精介は結三郎の歩く横で自転車を押しながら、微笑ましく眺めていた。

「あ、こっち側も色々と建物とか設備とかあるんすね。」

 警備員らしき紺色の羽織に細筒の下穿き――ズボンの様なものを纏った男性の立つ小屋の前を皆と通り過ぎながら、精介は「警備員詰所」と書かれた看板を見た。

 証宮離宮殿へと来る時にはダチョウと共に正門経由で精介はやって来たので、図書館から一般市民用の門へと続く公園部分は見ていなかったのだった。

 自分の世界の公園や緑地と似た様な雰囲気だと思いつつ、精介が辺りを見ながら自転車を押している内に一行は通用門へと差し掛かった。

「では今更の様な気もしますが、籠に乗せて下さいね。」

 門の出口でダチョウはそう言うと、来た時の様に体を縮小化して自転車の前籠へと飛び乗った。

「おおお~!」

 その様子に子供達初め皆が改めて目を見開き驚きの声を上げた。

「でも何でわざわざ小さくなってるんだ?」

 ダチョウの存在に慣れた祥之助が自転車の前籠へと目を向け、そんな疑問を口にした。

「まあ一応、必要以上に人目を惹かない様にという気遣いと言うか、警戒と言うかだな……。」

 結三郎がそう説明するが、祥之助は学校の制服姿のままの精介と自転車を敢えてじろじろと見て、少し呆れた様に溜息をつき苦笑した。

「すっげえ今更だな。自転車の若様よお。」

「はは……。そうっすね……。」

 祥之助の言葉に精介は引き攣った笑みで答え、皆も軽い苦笑を浮かべてしまっていた。

 それから皆はもう一度証宮離宮殿の巨塔を振り返り、和尚と親方と政吉爺さんは軽く合掌し、門から出ていった。

「何か、もう帰らなきゃならないの、名残惜しいっすね。」

「そうだなあ。どうせなら宿でも取って泊りがけで麻久佐観光ってのもいいよなあ。」

 証宮離宮殿前の大通りを進みながら呟いた精介の言葉に、傍らを歩く祥之助も大きく頷いた。

 精介としては、昼前に慌てて高縄屋敷を出発し、図書室で過ごす時間は多少あったとはいえ、着いたら活動写真を見てまたすぐに帰ってしまうというのは何処か慌ただしく落ち着かないものだった。

 この世界では便利な交通手段がまだ無いのでちょっとした遠出も全て徒歩で、当然ながら徒歩による移動時間も織り込んで予定を考えなければならなかった。

 町外れへと続く分かれ道へと差し掛かったところで安子と律、政吉爺さんが少し申し訳無さそうに皆に声を掛けた。

「あ、ほんのちょっとだけ煎双寺の近くに寄り道したいんだけど。うちの旦那や律さんとこの旦那がどうしてもそこの色付き饅頭食べてみたいって言ってて、お土産に頼まれてたの。」

「うちの長太郎もそう言っていてなあ……。」

 季節の野菜や果物等で皮や餡に色付けした饅頭を売る店が煎双寺前にあり、評判になっているらしく、野菜の行商をしている安子の夫・一郎が是非食べてみたいと土産に頼んでいたのだった。

 政吉爺さんの息子――喜美や初美の父である左官職の長太郎も甘い物好きで、一郎の話を聞いて自分の分もと政吉爺さんに饅頭代を預けていた。

「いいんじゃねえか? 折角だし俺も買って帰ろうかなあ。」

 祥之助が賛成し、皆からも特に反対は無く、そのまま道を進んで煎双寺へと向っていった。

 証宮離宮殿の建設の前の時代から煎双寺周辺は麻久佐の町の中心地であり、大勢の観光客や参拝客で賑わっていた。

 精介の世界の都会の賑わいには及ばないものの、大通りの道幅一杯に人々が行き交っており、自転車やリヤカーを牽く結三郎達一行の歩みは遅くなりがちになってしまっていた。

「これはなかなか……。」

 通りの途中で和尚が立ち止まり掛けたが、申し訳無いが後ろがつかえていると白装束の参拝客の一団から声を掛けられ、止まるに止まれずのろのろと皆は歩き続けた。

「仕方無いわね。あたしと安子さんとでひとっ走りみんなの分を買ってくるから。――ええと、あたしら以外には律さんと長太郎さんトコと武市様の分でいいのかしら?」

 良子が恰幅の良い体を揺らし、腹を叩いて名乗りを上げた。

 明春達には劣るもののしっかりとした体格の良子が、小柄な安子と組んで人ごみを抜けて買い物をしてくる事に決めた様だった。

「あー、俺はいいや。どうしても欲しい訳じゃねえから。」

 良子達の負担を気遣い、祥之助は自分の分は取り下げた。

「じゃあちょっと行ってくるわね。」

「どっか道の隅っこででも待っててちょうだいね。」

 良子と安子はそう言ってずんずんと勢いよく人ごみの中を煎双寺の正門へと進んでいった。

 良子達が進む様子を見守りつつ、結三郎達は他の通行人達の邪魔にならない様にと道の端へと移動した。

 彼女達の進む先には精介の世界のセンソウ寺――浅草寺と似た様な朱塗りの大きな門に大きな提灯が吊り下げられていた。

「こっちの世界にもセンソウ寺があるんすね……。」

 あの門はこちらの世界では雷門とは呼んでいないらしく、巨大な提灯には煎双寺と大きく書かれていた。

 しかしおおよその佇まいや雰囲気は精介の世界のものとよく似ていた。

「またいつか次の機会があったら煎双寺とかの寺社参りもみんなでしたいわねえ。」

 二人の子供達がはぐれない様にと両手を繋いだまま、律が寺門の大提灯へと目を向けた。

 貧乏長屋で日々の暮らしに追われる中では中々そうした機会は巡って来ないとは判ってはいたが。

「まあ、今日は証宮の塔も拝めたし、精霊様もいらっしゃったし、御利益はかなりのもんだと思うわよ。」

 律と共に大提灯を眺めながら梅子は呑気に笑った。

「そうそう。神様仏様がホントにあの塔にやって来るんだろ? 有難味が段違いだよなあ。」

 律と梅子の会話を聞きながら、利春がまだ充分に威容を以って視界に映る証宮離宮殿の巨塔を笑って眺めた。

「全く……。神仏のおわすかどうかだけで短絡に有難味を測ってはならぬぞ。」

 照安和尚が呆れた様に溜息をついて利春を窘めた。

 そうして暫く待った後に、竹皮で包まれた饅頭の詰め合わせを幾つか手にして良子と安子が戻ってきた。

 恰幅の良い良子が人混みを押し退け、その後ろを小柄な安子が荷物を持って付いて行くという役割分担をしていた。

「お待たせ! ほんと凄い人! 饅頭潰れるかと思ったわ。」

 何とか皆の待つ場所へと戻り、良子の後ろから顔を覗かせた安子が大きな安堵の息を吐いた。

 饅頭の包みを風呂敷で包み、荷車に乗っていた千代達が預かると皆は今度こそ麻久佐の町を出るべく歩き始めた。



 正確な時計がある訳ではなかったのでおおよその体感として午後二時か三時位――まだまだ麻久佐を目指してやって来る観光客は多く居り、一方で結三郎達と同様に町を出ようとする者達も多く、町外れに近付いてはいても人混みは続いていた。

「疲れたー。俺、荷車より若様の自転車に乗りてえなー。」

「こら、我儘言うんじゃないの!」

 疲れたという割に竹雄が自転車を押す精介の周囲を何度もうろうろするのを、梅子が竹雄の襟首を掴んで止めた。

「あ、もうちょっと人が少なくなったらいいけど……。」

「駄目だよ若様、甘い顔しちゃ。」

 精介がそう答えるのを梅子は軽く手を振って留めた。

 そんな遣り取りをしながら暫く歩いている内に一行は町外れの、ダチョウが言うところのチンピラ紛いの者達の多い露店の並ぶ場所へと差し掛かった。

「饅頭以外にも何か買って帰ろうか?」

 良子が少し歩みを遅めて西瓜や胡瓜の並べられた露店へと目を向けた。

「折角だし、何かお土産物でも――あ、あの木彫りの置物、よく出来てるわね。」

 良子の横で梅子が証宮離宮殿の塔や犬や猫等の木彫りの小さな置物を売っている店を指差した。

 そうする内に八郎太達の店が近付き、一人精介はそわそわと辺りを見回し何とも落ち着かない気分になってしまっていた。

 来る時と違い、力自慢腕自慢の相撲取り達が大勢居るのだから少々襲われても大丈夫だとは思うけれども――いや、そもそも人間の暴力等意にも介さない精霊のダチョウが居る時点で相手に勝ち目はなかったのだが、やくざ者達が店を出していると聞いて精介は過剰に緊張してしまっていた。

 良くも悪くも荒事とは無縁の学生である精介には、八郎太達の持つ雰囲気やダチョウの羽を巡っての殴り合いは刺激が強過ぎたのだった。

「どうした?」

 そんな精介の落ち着かない雰囲気に気付き、祥之助が精介の肩を叩いた。祥之助の隣で結三郎も軽く首をかしげていた。

「あ、いえ……。」

 曖昧に笑って誤魔化す精介を、自転車の前籠からダチョウは苦笑しながら見上げていた。

 ただ、結三郎達が歩みを進める内に露店に座っている者達の多くが、顔や手足に痣を作っていたり怪我をしている事に結三郎と祥之助は軽い違和感を抱いてしまっていた。

「……?」

 中には鼻血の跡だろうか、鼻の下に拭い切れずに薄く乾いた赤黒い血がこびり付いており、着物の襟から胸元にかけて血が染み付いている者も何人か居た。

「何か怪我してる? 可哀想……。大丈夫かな。」

 春太郎に牽かれる荷車から千代の心配気な声が漏れ聞こえてきた。

「あら。何かあったのかしらねえ?」

 千代の声に良子達も怪我をしている露天商達の様子に改めて気が付き、訝し気に眉を寄せた。

 何かあったんですよ。と、精介は心の中で答えた。

 自分が悪い訳ではなかったものの完全に無関係と言う訳では無く、露天商達の乱闘の遠因ではあったので、落ち着かない気分のまま自転車を黙って押し続けた。

 そうして精介の落ち着かない原因の八郎太達の店の三つ程手前の、生姜水を売っている店の前へと差し掛かり――精介は思わず肩を震わせ、事情を知らない結三郎もまた驚きに目を見開いた。

 祥之助や和尚達、他の皆も初めは気が付かずそのまま通り過ぎようとしていたが、木の台の上に置かれていた商品と商品の名札、そして値札が目に入り思わず立ち止まった。

「――どうだい? おいそれと買ってもらえるとは俺も思ってはいねえが、話のタネに見ていくかい?」

 顔中内出血で赤やら青やらに染まり、右瞼も腫れてしまっている男が少し喋りづらそうに――恐らく口の中も切ったりしているのだろう――しながらも、何処か得意気に結三郎達に声を掛けてきた。

 生姜水の入った樽の横には、七十センチ程の大きな団扇の様な黒い羽――ダチョウの羽が三本置かれていた。

 ――がいこくの鳥のせいれいの羽。

 たどたどしい筆跡で書かれ、付けられた値段は露店を冷やかす観光客が気軽に買える様なものではなかった。

 あの乱闘を制してダチョウの羽を三つとも全て手に入れたのは、どうやらこの生姜水を売る男の様だった。

「………。」

 生姜水売りの男の腫れた顔を見、それからすぐに皆の視線は自転車の前籠に鎮座するダチョウへと集中した。

 大きな黒い鳥の羽は、今日会ったばかりの和尚達やおかみさん達にもダチョウのものだと理解出来た。

「日之許の国の精霊にも一生の内に会えるかどうかってのに、外国の精霊の羽だぜ。目にするだけでも有難く、御利益はとんでもねえぜ――。」

「あ、ああ……。そ、そうだな……。」

 男の得意気な口上を半ば聞き流し、結三郎は来る途中の道筋で一体何が起こったのだろうかと困惑しながらダチョウを見つめていた。

 当のダチョウは自身の羽の行方をまるで気にした様子も無く、ただの鳥の振りをしたまま籠の中で座り続けていた。

 事情を知らない和尚達やおかみさん達も、ダチョウが決して無関係ではないだろうと薄々察して戸惑った様子で立ち尽くしていた。

「あ、いやその、なかなかに良い物を見せてもらった。では行こうか……。」

 後で事情を説明してもらう事にして、結三郎はその場を誤魔化す様に引き攣った笑みを浮かべ、慌てて皆を促した。

 皆も何かしら込み入った事情があるのだろうと薄っすら察し、結三郎に促されるまま再び歩き始めた。

 歩き始めてすぐに、呑気そうな調子で上げられた男の声が結三郎達へと聞こえてきた。

「あー! どっかの若様と精霊様だー!」

 聞き覚えのある男の声に驚き、精介が声のした方へと顔を向けると、にこにこと笑う丸顔の大男――喜三次が精介に向けて手を振っていた。

 生姜水の店から三つ隣は八郎太達の店だったので、喜三次は精介達の姿にすぐ気が付いた様だった。

「ん? 知り合い……なのか?」

 精介とダチョウの事を知っている様子の大男に、結三郎は訝し気に精介を見た。

「えーと、そう言う訳じゃないっすけど……。」

 精介の方は困惑しながら結三郎へと答え、曖昧に喜三次に引き攣った笑みを返した。

 喜三次の横に座っていた八郎太も、喜三次の声で精介達に気が付き何処か警戒している様な視線を送っていた。

「さっきは銀貨ありがとうございましたあ!」

「!!――バカかおめぇはッッ!!」

 他人から何か貰ったら礼を言う――そう習ったので喜三次は素直にそうしたまでだったが、今この場でそうするべきではなかった。

 八郎太は思わず声を荒げて立ち上がり、喜三次の頭を平手で叩いてしまった。

「――ダチョウ殿……。」

 今さっきの売り物のダチョウの羽と言い、今の大男の言葉と言い――道中で何かやらかしてしまったのだなと確信し、結三郎は困惑に大きく眉を顰めながら籠に座るダチョウを見下ろした。

「何だ何だ? こいつらと何かあったのか?」

 大きな荒事や面倒事ではなさそうな雰囲気ではあったが、仮にも自分の側室(祥之助の一方的で勝手な認定)である精介を守ろうと、祥之助は精介の肩を抱きながら喜三次を軽く睨んだ。

 後ろに居た明春達も、何かあれば子供達やおかみさん達を守ろうと成り行きを見守っていた。

「いやいやいや! 何でもねぇでやすよ! こちらの若様には何も!」

 八郎太はぺこぺこと何度も頭を下げ、何処か子猿を思わせる様な愛嬌のある笑みを取り繕い祥之助へと言い訳をした。

「そうなのか……?」

「え、ええ。まあ……。特には。」

 曖昧に笑って誤魔化す精介の答えに、祥之助は首をかしげながらも精介がそう言うのならばと、取り敢えずはこれ以上追求するのをやめた。

「まあそれならいいが……。では帰ろうか。」

 帰った後でダチョウに事情を聞かねばならんな――そう内心で呟きながら、結三郎は皆を促した。

「あ、待って待って島津様。来た時の錦絵、まだ残ってるわ。やっぱり買って帰ろうかしら。」

「そうねえ。やっぱり何か記念に残る物、一つ位は欲しいわよねえ。」

 良子や梅子が歩き出そうとした皆を留める様に声を上げた。安子や律も同意の様で、頷きつつ早速並べられていた絵を覗き込んでいた。

 決して剣呑な雰囲気にはなってはいなかったものの、精介とここの店の者達とに何かしらの出来事はあったのだろうと薄っすらと察せられる空気ではあったが――そうした空気をものともしないおかみさん達の胆力――いや図太さだった。

「あ、有難うごぜえやす!」

 おかみさん達の賑やかな声で空気が変わった事に八郎太も安堵し、錦絵を台の上に見易い様に並べ直した。

 愛想良く笑ってはいるが――よく見ると、気のせいかもしれないが何処か、何となく荒んだ様な目付きを八郎太がしている様にも結三郎は思えていた。

「何かあったら頼むぜ精霊様よお。」

 精介の肩に手を置いたまま、祥之助は相変わらずの賑やかなおかみさん達の様子を眺めつつダチョウへと小声で囁いた。だがその表情は少しだけ硬かった。

 祥之助もまた、八郎太の何処か荒んだ様な雰囲気を感じ取っていた様だった。

 祥之助も勿論、何か荒事になってしまえば体を張るつもりではあったが、仮にも養子に出たとはいえ杜佐藩主の四男という身の上では、何か揉め事があると醜聞として他の家族に迷惑が掛かる為に気を使わざるを得なかった。

 ダチョウは前籠に大人しく座り込んだまま、特には何も答えずに祥之助を一度見上げ、また首を戻した。

 そうする内にもおかみさん達は、証宮離宮殿の塔や煎双寺の大提灯を描いたもの等を一人一枚ずつ買い求めた。

「有難うございやした。」

「有難うございましたあ。」

 八郎太と喜三次がにこやかに笑いながらおかみさん達へと頭を下げた。

 八郎太から受け取った煎双寺の大提灯の絵を満足気に見た後、安子は背嚢を背負っている明春の所に近寄った。

「明春さん、ちょいと屈んどくれ。絵本の間に挟んどきたいから。――ほら律さん達も一緒に。」

 その場に屈み込んだ明春の背中に回って背嚢のファスナーを開きながら、安子は律達へと手招きした。

「あー。皺にならずに運べていいねえ。」

 安子に証宮離宮殿の塔の絵を渡しながら、良子は感心した声を上げた。

 錦絵の大きさも子供達が借りた絵本も精介の世界でいうところのB4に近い大きさになっており、本と本の間に挟めば皺にならずに運ぶ事が出来そうだった。

 背嚢の中は図書館職員の瀬能が説明していた様に細かく仕切られていたので数冊ずつ本がまとまっており、歩いている最中に本がずれる心配も無かった。

「流石、帝様の図書館の袋だねえ。」

 良子が恰幅の良い体を揺らしながら笑った。

「そうですね~。作りも結構頑丈だし。背中もそんなに汗でべたべたしてないんですよ~。」

 安子にファスナーを閉めてもらって立ち上がり、明春は背嚢を軽く揺らして背負い直した。

「お客さん達、すげえ一杯本を買ったんだなあー。高かったんじゃねえのー?」

 安子が絵を仕舞う時に何冊かの本が背嚢の口から見えていたので、喜三次は感心しながら安子達へと声を掛けた。

「――おい。」

 余計な事を言うなと八郎太が横から小声で窘めたが、喜三次の無邪気な笑みや雰囲気に警戒感が和らいだのか、千代や竹雄達が春太郎達の後ろから顔を覗かせた。

「ううん。全部あのアカシノミヤの塔の図書館で借りたの。誰でもタダで借りられるのよ。」

「ちゃんと返さなきゃならないのが面倒だけどなー。」

「本がすっげえいっぱいあった! 活動写真でお野菜剣士と精霊が図書館の使い方教えてくれたんだ。」

「何か知識の神様も居たの。」

 図書館で多数の本の並ぶ様子を見た時の興奮を思い出し、子供達は口々に楽しそうに喜三次へと捲くし立てた。

 子供達の勢いに流石の喜三次も思わず軽く身を引いてしまったが、相変わらずにこにこと微笑みながら明春の背負う背嚢へと残念そうな目を向けた。

「でも俺、字が読めねぇからなあ……。」

「絵本も一杯あったわ。一杯色が付いててキレイなの。」

 喜三次の言葉にリヤカーの荷台に座っている喜美が声を上げ、初美や千代も頷いていた。

「そうかー。」

 そんな喜三次達の遣り取りはいつもの客商売としての他愛の無い遣り取りの筈だったが――。

 傍らに立って眺めていた八郎太の心は、今日に限って何故か苛々と腹立たしい気持ちが湧き起っていた。

 ――何でそんなに楽しそうにして居られるんだ。こっちは毎日必死なのに。

 普段は意識しない様にして目を逸らしていた苛立ちや苦しい気持ちが、今日はやけに強く感じられてしまうのは――。

「…………。」

 精介の自転車の前籠で座っているダチョウへと八郎太は忌々しそうな視線を送った。

 あの時の精霊とは全く似ても似つかない別の種類の鳥の精霊ではあったけれども。しかし超常の存在に出会ったと言う事そのものが、あの時の気持ちを久々に強く呼び起こされてしまっていた。

 ――憧れと苛立ちと、惨めさと。

 八郎太のその落ち着かない思いは精霊であるダチョウにはよく見えてしまっていたが、自転車の前籠に座ったまま何も言わず穏やかな表情で見つめていた。

 人間の記憶まで覗く能力はダチョウには無かったものの、こうして漏れて見える八郎太の様々な感情の背景には何やら昔に出会った何かの精霊との遣り取りが影響している様だと――そこまでは漠然と読み取る事が出来た。

 精霊と出会った事のあるこの町のチンピラの青年に多少興味が無いではなかったが――まあ、縁があればまた関わる事もあるだろう、と、ダチョウは思索を打ち切り、そろそろ帰ろうと結三郎へと目配せをした。

 ダチョウの視線に気付いた結三郎は、皆を見回しながら声を掛けた。

「さ、商売の邪魔をしては悪いし、買物が済んだらそろそろ帰ろうか。」

「はーい。」

 結三郎の言葉に子供達は元気よく返事をし、おかみさん達や皆も歩き始めた。

「――亭主への土産も買えたし、今日は楽しかったわねえ。このまま科ヶ輪まで帰るの勿体無いわねえ。」

「またお金貯めて遊びに来たいわねえ。」

「その前にあれよ、ほら、島津様の言ってたハクブツナントカの夏祭り!」

 相変わらず賑やかに喋り合うおかみさん達の近くを歩きながら、利春や庄衛門達も今さっきの露店の二人組を軽く振り返っていた。

 八郎太と喜三次は次にやって来た客が野菜を買うのに対応していた。

「あの大きい方、何か明春に雰囲気似てなかったか?」

「あー、喋り方とか?」

 利春や庄衛門の話に精介も明春へと目を向け、それから店を振り返った。

「ああー……。何となく判るっていうか。キャラ被ってるってヤツ……?」

「キャラ……? 何だよそれ~?」

 利春達の話に明春は垂れ目がちの目を細め苦笑した。

「あー、えーと、人物の設定とか様子とか? 似た感じの事を言うっていうか……?」

 精介の言葉に春太郎もリヤカーを引きながら頷いた。

「何か判る気がする。二人揃ってのんびり喋ってたら兄弟みたいな感じかもな。」

「結構大柄だったし、相撲取らせてもいいんじゃないか? そしたらますます兄弟に見えそうだ。」

 春太郎の横で庄衛門が笑いながら明春を見た。

 


 そうして遠ざかっていく結三郎達一行の話し声はまだ微かに八郎太達の店へと聞こえてきた。

「あの人達、科ヶ輪から来てたんだねー。」

 茄子を買っていった客へと頭を下げた後、喜三次は観光客達の行き交う中に埋もれていく結三郎達の後ろ姿へと目を向けた。

「そうだな……。」

 喜三次の呟きを聞きながら八郎太も遠ざかっていく結三郎達を見つめていた。

 恐らく彼等は科ヶ輪の何処かの相撲部屋の連中なのだろう。和尚らしき老人も居たので寺と関わりのある相撲部屋で――何より自転車を持っていてシャツやズボンを身に着けた若様とも関わりがある相撲部屋ならば、調べたらすぐに判るだろう。

 ――今に見ていろ。

 自転車の前籠に座っていたダチョウの姿を思い浮かべてそんな思いを新たにしかけていた八郎太は、そんな感情を打ち消す様に軽く頭を振った。

 違う。自転車を持っている様な若様だし、ここで休憩していた時に茶を飲んでいた透明の水筒ペットボトルも珍しかった。程々の距離で見張っていれば、きっと金儲けの機会があるに違いない。 

 そう無理矢理言い聞かせる様にして、八郎太は制服のワイシャツの精介の後姿を睨み続けていた。



 さて。2024年もあっという間に終わり、正月休みも瞬く間でございましたが皆様如何お過ごしでしょうか。更年期のヲカマのおっさんは相変わらず色々としんどい中辛うじて生きております。

 ツイッターの方でも2025年は小説書きを初め、お絵描きやその他色々と楽しく頑張りたいとは抱負を書きましたが、ちょっと小説の方のペースは落ちてしまいました。出来れば今年は久々にデジケ×トとかに小説同人誌を作品登録して売りたいなーと思ったりもしているのですが。


 で。全然関係無い様なある様な話ですが、この一年位、車での移動中のBGMは懐かしのサ×ライズ系ロボットアニメが多くて特にワ×ルの主題歌を歌っていたachiナントカを流す割合が多くて。それを聞きながら高縄屋敷のネタを考える事も多かったので、いつの間にか脳内で色々と結び付いてしまい、高縄屋敷の妄想OPやEDとか、アイキャッチとかだらだら考えてしまったりと。

 まあ実際の形にするには能力不足なので、AIが発達したらいつかは、みたいなところでありますが、アイキャッチ風のイラストとかくらいならば時間と気力があればいつか描いてみたいなーとは思ったりもしています。(表苑のリクガメ、犬の日出丸と歩く安吉、オナガドリに追いかけられる祥之助、とか。)

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