霧雨の天使たち 28
美和は、あくびをかみ殺しつつも授業を受けていた。きっと遷も今頃同じような状況であろう。ふと窓際に座っているあさみを見ると、すでに顔を伏せって眠りに入っている。
眠気を紛らわせるため、美和は昨日あった出来事をもう一度おさらいしていた。りりすの妹が探していたワニのぬいぐるみの中には麻薬とメモが入っていた。メモには、二十日・M倉庫と走り書きがしてあった、二十日が今月なのだとしたら、明後日である。明後日に何かの動きがあるに違いないと美和は踏んでいる。M倉庫がどこにあるのかが解らないが、りりすに聞けば何かヒントが出るかもしれない。
休み時間になり、まだ眠そうなあさみを引っ張って、美和は三年E組にりりすを訪ねていった。だが、りりすのクラスメイトから聞いた事に衝撃を受け、二人は肩を落として自分のクラスに帰ってきた。
「まさか、りりす先輩が入院しただなんて……」
美和は腕組みをした。
「心身が弱ってるところにシゲルが現われたから、緊張の糸が切れて参っちゃったのかな?」
あさみがつぶやいた。どうやら怪我や大きな病気ではなく、検査入院程度のようだったが、三日程度は様子見で入院しなければいけないらしい。とりあえず二人は、放課後にりりすの入院しているM病院にお見舞いに行く事にした。




