霧雨の天使たち 27
その夜、四人はトランプをして遊んでいたが、美和、あさみと順に眠気に襲われ、早々と寝に入ってしまった。遷もダウンしかかっていたが目が覚めてテンションが上がっていた美咲にお菓子を賭けたトランプ付き合わされ、半徹夜状態で朝を迎えた。
「おはよう、みんな、朝よ」
美和が皆を起こしてまわる。まず、遷がボサボサの頭でヌッと起き上がった。極度の寝不足で目が充血している。あくびを何度も堪えているようだ。口数少なく、洗面所に顔を洗いに行った。次に、あさみが眠い目をこすりながら起き上がる。相変わらず寝起きの目つきは悪かった。しかし、一向に美咲は起き上がらない。すやすやと心地よい寝息を立ててずっと寝ている。
「美咲ー、そろそろ起きないとヤバいわよ」
美和は美咲を揺さぶったが、うぅん、と寝返りを打つだけで起き上がらない。美和が困っていると、少し目の覚めてきたあさみが近づいてきた。間髪いれず、美咲のお尻を思いきり叩く。
「痛ったーい!」
美咲は飛び上がって起きた。
「誰、今おしり叩いたでしょ! あさみちゃん?」
半分しか目を開いていない美咲が、あさみを睨んだ。そこに、洗顔を終えた遷が戻ってきた。
「ん、どうしたの?」
まさか、おしりが痛いとも言えず、美咲は笑って誤魔化した。後ろではあさみが舌を出している。美和はやれやれと溜め息をついた。
なんだかんだ言いながらも、四日は予鈴前に学校にやってきた、だが、美咲があくびを堪えて逆方向に歩き出した。
「ちょっと美咲、どこ行くの?」
「私、眠いから今日は学校休む~」
「えぇ?」
止める間もなく、美咲はヨロヨロと並木道を下っていった。
「あの子……なにしにここまで来たのかしら?」
美和は頭痛を覚えつつ、他の二人を促して校舎に入っていった。




