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十紋の物語

作者: 世羅来


いつもの帰り道僕(鹿道 十紋 (しかどう じゅうもん))は・・・



   殺された。



 いつも通りの道、いつも通りの町の風景・・・だった・・・なのに、今日は、今日だけは違った。何かに取り憑かれたような、普通の人には真似できない動きをしてる。


  ザクッ・・・   グサッ・・・


 聞きたくない音が響き渡る。


???「ヒャハハハハハハハハハハハ!!」


 笑いながら学生ぐらいの子がナイフを振り回している。周りはとても騒がしい。血まみれで倒れてる人や少し切られながらも逃げる人、助けを求める人、さまざまな人がいる中僕は、一人だけ逃げ遅れた。怖い殺人鬼が僕の方へ笑いながら近づいてくる。


 怖い怖い怖い怖い怖い・・・


 怖すぎて足が動かない。

なんで、動かないんだ!僕のあしはっ・・・動け、動いてくれ・・・と思った瞬間足が動いた。これで逃げれると思ったのもつかのま。殺人鬼にうでをつかまれた。


殺人鬼「つっかまえた♪」


 僕の腕は、笑いながら切られた。


十紋「いたいぃぃぃぃぃぃぃ」


殺人鬼「ヒャハハハハハハハハ!!」


十紋「僕の腕があ、死にたくないまだ生きていたいのに死にたくない死にたくない。復讐してやる。ぜってぇ復讐する」


殺人鬼「ヒャハハハハハハハハ!!!お前なんかにできるかよ」


十紋「できる。できるよ!」


 僕は、泣きながら殺人鬼に訴えた。復讐できない。できないのはわかってる。そんなのわかってるけど、殺人鬼が憎くてたまらない。


十紋「お前を絶対にこの手で殺す」


殺人鬼「うるせぇよ」


  ザッ・・・


そこで僕の意識は途切れた。絶対に僕は、復讐をしてやる。この手であいつを・・・殺す。


???「起きろ、起きろ十紋」


 女の子の声がする。何度も起きてと聞こえる。僕は慌てて起き上がった。

そこは見覚えのないところだった。周りには何もなく、薄暗いとこに目覚めたみたいだ。見回すと女の子がいた。


十紋「どちら様ですか?」


???「私は神だ」


十紋「は?」


神(仮)「だーかーら、私は神だ」


十紋「え・・・?神?!?!?!」


神(仮)「その通り。私は神なのじゃ」


十紋「フッw」


神(仮)「そこ!何笑っておるのじゃ。正真正銘の『神』なのじゃ」


 本当に神なのか・・・神と呼ぶにはちょっとうさんくさいような気がする。まぁ、仮に・・・仮に神ということにしよう。やっぱり笑わずにはいられない。


神「いつまで笑っておるにじゃ」


十紋「フッwすみませんww」


神「まぁよい。そろそろ本題に入るぞ」


十紋『幼女みたいな見た目で偉そうに・・・』


神「んだと?!」


十紋「は?!聞こえてんのかよ・・・」


神「わしを何だと思っておる。神じゃぞ??えらいんじゃぞ???」


十紋「はいはいはい」


自称神と名乗る幼女が怒っているが、それは置いといておこう。


十紋「ところでさ、本題とはなんだ?」


神「よくぞ聞いてくれたぞ!十紋!!」


 神は「それはだなぁ・・・」と言い出したと思ったらフリーズしてしまった。多分何を言おうとしたのか忘れたんだろう。


神「そうそう。思い出した。おぬしの転生についてじゃ」


十紋「転生できるの?!?!」


神「そんなもの、ちょちょいのちょいじゃよ♪」


十紋「神らしいこともできんだな」


神「どういうことだ!十紋!」


十紋「そのままの意味ですよ?神さま」


神「ふん。それはそうと、転生のことじゃが。おぬしは何になりたい?」


十紋「僕は・・・」


 僕は口を噤んだ。僕は何をしたいんだ・・・。あの時、あの殺人鬼に殺されたんだ。僕のほかにも殺された人は多かった。


僕はふと思った。



     ・・・復讐。


 したいけど・・・。どちらにせよ人を殺めることになる。本当はそんなことは避けたい。でも、あいつに復讐を成し遂げたい。こんな感じでさっきから頭の中で葛藤しっぱなし。


神「そろそろ決めんか!」


神に頭をハリセンで叩かれた。どっかのアニメでありそうな叩かれ方だった。叩かれた後頭部が結構痛い・・・。とりあえず早く決めないとまた、叩かれそうだから適当に決めよう・・・。


十紋「分かった分かった。勇者になりたい」


神「本当にそれでいいんだな?」


十紋「は、はい」


神「よかろう。それでは儀式をはじめる」


 なんか始まった。周りには何もなかったはずなのに、人がぞろぞろ入ってきた。地面に何やら魔法陣が浮き出てきたぞ?おっこれは?そろそろ転生できるのか?どんな姿になってるかな♪


神「何にやけておる」


十紋「に、にやけてなんてないですよ??」


 神に「どうだか」と笑われた。


神「そろそろ時間じゃ」


神「さぁ十紋!勇者になって悪と戦ってくるのじゃ!!」




 僕は何か白い光に包まれた。



 目が覚めるとベットの上にいた。すごいボロくてあまり裕福ではないことがわかる。周りを見渡すとカレンダーがあった。カレンダーには毎日バッテンをつけているみたいだった。


十紋「えぇっと、今日は・・・6月15日。教会に行き勇者になる。か・・・」


十紋「勇者になるの?!?!?!」


 僕はステータスを確認した。

今は、


  職業:村人 年齢:17歳 Lv・0


十紋「まぁこんなものか」


十紋は教会に向かうことにした。だがしかし・・・


十紋「教会ってどこだよ!!」


 とりあえず村の人に教会の場所を聞いて回った。


十紋「教会ってどうやったらいけますかね?」


村人A「あっちにビューンって行ってそっちにビューンって行けばいいよ」


十紋「は・・・はぁ。着きますかね」


 僕は村人Aの言葉通りに向かった。だが、早速道に迷った。まあ着くだろうと歩いて行くことにした。すると、意外とあっさり着いた。


十紋「ここか」


 中に入ると、禿げていて髭の生えた神父さんがいた。


神父「お前は何になりたくて来たんだ」


十紋「ぼ、僕は勇者になりたくて来ました」


 神父が続けて言う。


神父「何故勇者になりたいと申す」


十紋「お、俺は悪を倒して平和な世の中を作りたい」


 《十紋は、〔俺〕という呼び方を覚えた。》


神父「ほぅ、よかろう。勇者になるがよい」


 《十紋は、勇者になった。》


十紋「おぉ、勇者の服と剣かっけぇ!」


神父「旅に出るがよい!勇者十紋!」


十紋「はい!神父さま」


 僕はとりあえず一人で冒険にでた。お金と経験値を稼ぐためフォレストの森に出かけた。スラ〇ムや最初の方に出てきそうな雑魚キャラを倒していた、その時、空が真っ黒に染まり雷が鳴り響く。これはまずいと逃げようとしたがもう遅かった。

 空から何か降りてくる。これは・・・  十紋はピンときた。


十紋「これは魔王あたり出てきてもおかしくないぞっ」


 僕は何やらウキウキしている。楽しそうだ。そろそろ金属でできたものが地面につきそうだ。


十紋「魔王様ごとーちゃー・・・く・・・?」


 出てきたのは魔王というよりも雑魚キャラらしき生き物がでてきた。


十紋「・・・かわいい」


魔王(?)「はぁ?かわいいだと」


十紋「かわいい」


魔王(?)「なんだと?!私は魔王だぞ!!そんなこといわれてたまるか!」


十紋「ところで、魔王って名前なの?」


魔王「んなわけあるかってんだ!私魔王ゲルレア様だぞ!」


十紋「自分に様付けるとかwwマジですか」


魔王「ムッキーー!!!」


 十紋は《煽り》を手に入れた


十紋「魔王っていうのは、うんたらかんたら」

 僕は煽り続けた。

 魔王は煽られすぎてとうとう自分語りをはじまってしまった。


 自分語りをはじめてはや10分。聞くのが飽きた僕は剣を取り出し、魔王ゲルレアを斬った。

魔王を斬ったことにより、空は晴れ、さっきまでの天気がうそのような青色になった。僕は不思議に思いステータスを確認しようとしたら、


アナウンス(?)「パッパカパッパッパーーー!!!おめでとうございます!魔王討伐お疲れ様でした。これであなたは自由です。犯罪以外の好きなことをしましょう!!」


十紋「え・・・終わったの・・・復讐は?復讐はどうなるの・・・?」


アナウンス(?)「それは犯罪行為なのでやめましょう!それに、その復讐相手はこの世界にいませんし、元の世界に戻れないのでやめましょう!」


十紋「は???」


アナウンス(?)「やめましょう♪」


十紋「・・・」


 僕はガッカリしながらこれからの人生を謳歌することにした。


  これにて、勇者の道と復讐の道は早々終わってしまった。

 


              ~END~



連載していたものを一つにまとめてみました。多分読みやすくなったと思います。多分…はい…。

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