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[RE.page]No.3 想定外はすぐ傍に

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前回のあらすじ

ゴブリンを風魔法で切り裂いた


ゴブリン達との戦闘を終えた僕は他の魔物がゴブリンの血に釣られて寄ってこない内にその場を後にした。


「いっつ!…流石にこの傷を放置ってわけにはいかないな。でもどうする?応急処置なんてできないぞ」


ゴブリン達に負わされた傷は掠り傷ばかりだったのだが最初の頬への一撃が結構深い。こんな森の中…それも異世界だ、菌が傷から侵入して取り返しがつかなくなってしまうなんて事が起きたら相当ヤバイ。この異世界、どんな病気があるか……包帯やガーゼの様な都合の良い道具がこの森にある訳がない、一体どうすれば………ん?ちょっと待てよ?


「治癒魔法試していなかったな」


先程までは魔物に対抗するための手段として攻撃に使える魔法を考えていたので気づかなかった。魔法系スキルがあれだけ自由なら怪我を治す魔法もあるはず。そんな事にも気づかないとは…我ながらマヌケな話だ。


「使えるかどうかはわからないが、やってみる価値はある『ヒール』」


…どうやら僕は治癒魔法も使える様だ。少しずつ傷が塞がっていく。


「傷を治せるのは大きいぞ!一部のゴブリンが使っていた武器も近距離の攻撃手段として使えそうだな」


この異世界サバイバル生活にも希望の光が見えてきた。魔物もゴブリンだけじゃない筈だ…と僕もニ時間前(腹時計)までは思っていた。


「感覚的にはもう六時間だぞ…!何故ゴブリンしかいないんだこの森は!まさか『ゴブリン森林』なんて呼ばれているんじゃないだろうなこの森…」


そう…草の茂みにゴブリン、小さな洞窟の中にもゴブリン、木の上にもゴブリン、ゴブリン!ゴブリン!!ゴブリンッ!!!ゴブリンまみれの森なのだ。もちろん出口なんてわからない、このままでは餓死ルート一直線だ。あるモノに手を出せば別だが…


「もう覚悟してゴブリンの肉を焼いて食べるか…?このまま出口が見つからなければ三食ゴブリン生活なんていう地獄絵図になりかねないぞ……もしそうなったとしたら僕は人間としての尊厳を保てるのだろうか…」


ゴブリンを倒し続けるうちに様々な風魔法が使えるようになった。しかしそんなこと今はどうでもいい、まともな食料を見つけなければならないのだ。ゴブリンの肉だけは駄目だ!主に僕の人間としての尊厳の為に!!ゴブリンの肉は本当に追い詰められた時の最後の手段なのだ。


「あんな緑色の気味の悪い化け物、例え美味でも珍味でも食べたくない!絶対に見つけて━━━!?」


ズシンッ!ズシンッ!


「な、なんだ…この重い足音は…明らかにゴブリンのものじゃない……!」


ゴブリンは大きい奴でも僕の腰くらいの身長だ。こんな大きな足音聞こえるはずがない。要するに…


「ゴブリンじゃない!!ついに食料が…豚肉が目の前に!!!」


豚肉、いわゆるオークの登場だ。


「先手必勝『カマイタチ』」


「フガァァァァァァァァァァァァ!!!」


僕の放った風の斬撃はオークに深い切り傷を…与える事はなかった。オークは雄叫びと共に腹を膨らませてカマイタチを防御したのだ。


「傷ひとつ…ついていないだと…!?」


想定外だった。ゴブリンよりは強いと思っていた。多少は有効打になると思っていた。しかし現実は無傷で僕の魔法を嘲笑う様な気色悪い笑みを浮かべるオーク。そしてオークは四つん這いになり次の瞬間…猛スピードで突進してきた。


「なっ!?速…ガッ!?!?ガハッ!!………ゲホッ!…ゲホッ!」


頑丈な肉体、巨大な猪を連想させる強烈な突進、全身が太い見た目からは想像できない素早さ、まさに天と地の差…僕とオークの実力差は明白だった。


「ったく…反則だろ……ぐぁ゛ぁ゛!」


左手で首を締め付けられる。ははっ…もう一歩も動けないな…詰みだ……


「そんなわけ…あるかぁぁぁぁぁぁぁ…!!こんなっ!!豚畜生に殺されてぇ……たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


そうだ、僕は生きると決めた!覚悟を決めて半日も経たずに死ぬ…?ありえないなそんなこと!あまりにも情けなさ過ぎる。それに僕には糞女神から貰った特別な力がある、それを使わずに諦めるわけにはいかない!


「こういう時の……切り札だろうが…!出ろ!出ろっ!!出ろっ!!!……出ろぉぉぉぉぉぉぉぉぁぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


心から願った、僕だけの特別な力がオーク(ヤツ)を倒せる圧倒的な力であることを!心から祈った、この土壇場を切り抜けられる力が発動することを!!心から欲した、この未知の異世界で生きる事のできる絶大な力を!!!


そしてその願いは届いたのか…目の前に突然一冊の黒い本が現れた。その輝きは黒い、只々黒い。その純粋な輝きに危機的状況も忘れ見とれてしまう。あぁ、負ける気がしない。心の底から溢れてくる根拠のない矛盾した確信が僕に希望の光を見せる。例えそれが幻でも…僕は━━━━━


「さぁ…反撃の時間だ…豚野郎っ!!!」


つづく

『黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━』を面白いと思ってくれた方、よければ感想、レビュー、ブックマーク、pt評価等をよろしくお願いしますm(__)m

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