[RE.page]No.18 混沌トハ愚カシキ輪廻《下》
前回のあらすじ
クラスメイト三雲華澄参戦っ!エル、自称魔神に敗北(笑)
エル「自称魔神……何だこの敗北感はっ………!」
一部修正しました
「『地怒浮縮死乃舞・怨鎖』!!!…潰れて死ねっ!!!」
「神に触れるな…《━解けし定めの汚物━》」
舞と言うには荒々し過ぎるが地面を離れた岩や土が魔神を圧死せんが為止まる事なく魔神に音速を超え迫る。しかし魔神に当たるかと思われた岩や土はチャクラごと灰となり地に落ちた。
「灰になった……?いや、チャクラの消え方から考えて…………『分解』されたのかっ!」
「下等生物にしては理解が早いがやはりその無駄の域を出ない脳では本質の理解など不可能か……まさに低能の極み……そしてこれが答えだ━━━《━融合せし神の傀儡━》」
魔神が指を鳴らすとメフォンが倒した魔物達の屍が両者の間に集まり変質……魔神に続く全く新しい未知の生命体がこの世界に誕生しようとしている。
「『分解』に『融合』……そして種としての根本的な力━━━━━『混沌魔術』……人の怒りや憎しみを弄ぶ最低最悪の魔術っ……!!!輪廻転生すら支配しようと言うのかっ!!!」
生命創造に輪廻転生……原初の転生者の負の遺産が……人の業が禁忌の領域に━━━━━神々の域に踏み込もうとしているのか……
メフォンは心の底から湧き出てくる恐怖を無理矢理押し込んで次の攻撃へ移ろうとしたその時。
「私を忘れないでっ!魔神っ!!『能力行使権一等封印━━━━━《ルキス・マギウス》』これであんたは分解能力を使えない!!!」
「っ!…これで終わりだ!!『風刃惨端乃舞・静怨』」
「その程度で神の力を封じる事ができるとでも?はっ!愚かな……私を舐めるなぁぁぁぁぁ!!!!!」
「きゃあっ!?」
「ぐっ!?」
華澄による不意の一手『ルキス・マギウス』
対象の魔法・魔術・魔眼等あらゆる能力を一種かつ一時的に使用不可能にする転象の力…派生能力の一つ。
6段階の封印耐久力があり抵抗封印できる能力の許容範囲、封印時間によって要求MPが増大する。そして一度使うと半日のインターバルが必要だがその程度ではデメリットが軽すぎると思わざるおえない強力無比な力だ。
しかし魔神の力はそれすら凌駕する。
「なっ!一等封印をこの一瞬でどうやって!?A級レベルの魔物ですらまともに抗えなかった封印なのに!?」
「まさか私の力が物質やエネルギーを解かし融合させるだけの力だとでも思っているのか?……どうやら神の力を甘く見ているようだなっ!能無しの肉塊共に教えてやる!私がこの力で干渉できるモノは物質、エネルギー、能力、現象……あらゆる概念を解かし融合させる事ができるのだっ!!……いくら愚かな種であろうとここまで言えば流石に理解できるだろう?」
魔神の言葉を聞いたメフォンの心はいよいよ恐怖に支配され始めた。
「デ、デタラメにも程があるっ!!!……物質やチャクラ、エナだけじゃない…!スキル能力の無効化や改変はおろか実行しようと思えば私達のスキル自体を分解……最悪スキルを分解で切り離して融合でスキルを奪われる………その上能力ステイタスにまでそれをやられたら………ハ、ハハッ…どうやら端から私達の生殺与奪権は奴の手の中のようだ…」
「そ、そんなっ……!?」
そう…魔神の能力とは物質、エネルギー、能力、現象……ありとあらゆる概念を解かし融合させる事のできる能力━━━━『融合分解』…そして魔神…元を正せばカオスエネミー特有の魔術『混沌魔術』はあらゆる者の憤怒や憎悪、醜い邪心等負の感情を司る魔術、呪毒も混沌魔術の1つだ。その2つの力を使い魔神は魔物達の屍を新たな生命体を造り出したのだ。
「こいつの名は『ホムンクルスタイタン』としよう……さぁ!創造主の最初の命令だ!━━━━ムシケラ共とこの森を蹂躙しろっ!!!」
「∫∇∑≪⇔<×∴♀≪∇⌒∀!!!!!!!!」
「操り人形で私を殺れると思うなっ!!『風間霧礫乃舞・点風』」
「……!っわ、私も!『腐蝕広網』」
ホムンクルスタイタンが雄叫びを上げメフォンの振闘術と華澄の腐蝕魔法がホムンクルスタイタンを破壊するかと思われたが…
「な!?コイツ!あの男と同じ能力を使えるのか!?」
「マヌケが!その様な劣化能力と神の力を同一化するな!まぁ効果制限がかかっているだけで分解融合スピードは変わらないがな」
「ならっ……!『能力操作権奪取━━━━《ジャック・ヴェイン》』!今です!メフォンさん!!」
「そうか…!『雷雲天虎乃舞・瞬牙』!!」
「なっ!?」
「⊆■<∫<∑‰■⊆≪!?!?!!!???!!!━━━━━」
「に、異界の娘…貴様っ!!!私の力を強制的に引き出したなっ!!!」
『ジャック・ヴェイン』……対象の能力を強制的に操作する事ができる転象のもう一つの派生能力。それによって魔神の分解融合を強制的に引き出しホムンクルスタイタンのあらゆる能力を分解させたのだ。
「許さん、貴様だけは絶対に許さんっ!!!徹底的な屈辱の中で殺し、永遠に私の傀儡にしてくれるっ!!!!!━━━だがその前に小賢しい邪魔者には退場してもらうぞっ!!!『神器疑似展開』━━━━魔神剣デル=セイト」
「ガハッ……!?全てをかけた不意討ちですら…通用、しないの…か………」
「メフォンさんっ!!!」
華澄に激昂している内にとメフォンが魔神の背後から不意討ちしようとしたが彼女の行動は想定済みだったのか『神核』…神が現世に留まる為に必要不可欠な体内結晶に納められている究極の契約武器の力の一端を解放した事によって出現した灰色の剣に呆気なく貫かれたメフォンも遂に倒れ伏してしまう。
その光景を目の当たりにした華澄は無力な自分への自責の念に押し潰されようとしていた。
(くそっ!!!くそっ!!!一樹くんを救うどころか魔神を倒す事も…恩人が目の前で殺されるのを見ている事しかできないなんて……っ!!!女神様から貰った強力な力があっても結局何もできなかった……日本に居た頃の惨めな自分と全く変わってなかったんだ━━━━)
三雲華澄は努力家だった。少しでも将来の為に賢くなろうと頑張った勉強も、有事の際にしっかり動ける様に身体作りする為に運動も、人に好かれる理想の女の子になる為に人付き合いも、できる事はとことん努力する…いつしか努力自体が三雲香澄の生き甲斐になっていた。ふとしたきっかけでいとも簡単に崩れるとも知らずに……そして彼女の人生初の挫折は最悪の出来事だった。
中学二年の当時、親友と思っていた女子がある噂を学校に広めたのだ。
『三雲華澄は友達の好きな人を奪い、その友達を嘲笑った』と━━━
実際は偶々廊下の曲がり角で親友の意中の男子にぶつかり結果仰向けになった華澄に男子が覆い被さる様な状態になってしまい男子が動揺して華澄に謝罪してきたという出来事を親友に見られただけの事だったのだが親友は男子の反応から彼が華澄の事を好きなのだと勘違いし嫉妬して腹いせに華澄の嘘の噂を広めたというものだ。
華澄は親友の好きな人を聞かされ知っていて最近まともに接触した男子が彼だけ、そして決定的証拠として親友からの睨むような視線…簡単に真実にたどり着いてしまった。しかしその真実を受け止められる程彼女の心は強くない。華澄は自室のベッドの上で泣き続けた。親友と思っていた者にたったあれだけの事でまるで汚物でも見るかの様な嫉妬の視線を叩きつけられたのだから。そして彼女を追い討ちする様に同じクラスの女子達からの虐めが始まった。強制パシりから始まり掃除で汚れた水を頭からかけられる等未成年特有の酷な所業だった。そして虐めの精神的ストレスからクラストップだった成績も落ち、健康的だった身体も徐々に痩せ始めてきた。そんなある日転校生が佳澄のクラスに現れた。その転校生は文武両道でイケメン、更に明るい性格という恵まれた存在であった。そして転校生のある言葉が香澄を絶望させた。
『勉強?メンドクセェって!やらなくても大体できるし!それよりも皆で放課後カラオケでも行かね?』
華澄は己の努力人生を全否定されたと錯覚してしまった。いや、『天才』という存在がこの世にいる時点で証明されていたのかもしれない。
『秀才』では『天才』には敵わない━━━━━
そんな諦めの共通認識の様な言葉が華澄の頭を過った。
そして高校からは知人の居ない地域の学校に通い始め、約二年後…異世界に行く事になったのだ。
そして特別な力を与えられても尚、己の無力さを突きつけられてしまう。
「やっぱり私は……どれだけ努力しても…私だけの『転象』があっても結局無意味な存在だったのかな………だとしてもやっぱり━━━━━」
悔しいよっ………!!!
「ふ、ふふふっ……遂に諦めたか………じっくりといたぶって殺した後に私の傀儡兵にしてやろう━━━━━最高に醜い姿でなぁ!!!」
後悔を口にして華澄が全てを諦めかけ魔神剣が華澄の首に触れたその時━━━━━
「ガッ!?」
魔神の胸を背後から高密度の風の刃が突き破る。
「え………?」
その刃を作り出したのは━━━━━
「だったら抗えばいい」
「なっ…………き、貴様っ…!?いつの間にっ!?…ガハッ!!!」
その刃を作り出したのは復活したエルだった。
「現状に納得できないなら抗うしかない。それでも苦しいなら諦めろ…それも一つの道だ。
僕も他人を心から信じることを諦めていた……でも厳しくて変なところが雑で、それでも優しい家族思いの師匠のお陰で…アホでお調子者で煽り上手でムカつくけど、いざという時には頼りになる駄女神のお陰で…」
そして僕に幸せを感じさせてくれたレイラのお陰で━━━━
「僕を、どうしようもなくガキだった東城鶫がエル・ウィザストになれたんだ……だからお前がまだ少しでも可能性を信じているなら━━━━━」
「抗え!!そして自分と戦えっ!!!三雲華澄ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
エルの叫びが華澄の心に響く。
異世界に来て孤独に対して不安を感じていた中……彼と出会い救われた。
そして今度は彼とは別の男の子だった人の言葉に救われた。
そして今、過去から前に進むんだ!愛する彼を救う為に!!!
「ありがとう……鶫くんのお陰で少しは前に進めそうだよ…!!生命━━━━━『転象』」
「な!?し、しま━━━━がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?お、おのれぇ!!!おのれおのれおのれぇぇぇぇぇぇ!!!!!この俺がぁぁぁぁぁ!!!魔神がぁぁぁぁぁ!!!こ、こんな下等生物共にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!ァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?!?!?!!!」
『転象』により魔神としての強力な再生能力の機能が反転しその身を腐らせていく……そして遂にその身は朽ちた。
「お、終わったの?」
「あぁ、僕達の勝利だ。それと師匠…いつまで狸寝入りこいてるんだ……」
「えっ!?」
「どうだ?私の演技は?あの魔神とやらも見事に騙されて油断してくれたぞ?あ、傷は本物だから治してくれ」
「それは奴が激昂していたからだろ。この新しいスキルがあっても本来の冷静な状態なら恐らく看破されていた。まぁ僕の場合はマジで死にかけたから治療済みでも放置してたんだろうけどな」
メフォン達と魔神の戦闘中に意識を取り戻したエル、実は今までメディストと脳内会話を繰り返していたお陰?か新たなスキルを会得していた。それが『以心伝信』…念話の様な力ではなく対象の思考に自身の思考や意思を違和感なく理解させる事ができる。メフォンが戦闘中全く動揺せずにエルの作戦を理解できたのはこのスキルのお陰というわけだ。
「それとお前なんとなく途中から気づいているとは思っていたがなんで名前呼びなんだ?日本に居た頃は苗字で呼んでいただろ?」
「さっきの言葉の感謝の印ってところ…かな?」
「なんで疑問符…」
「と、とにかく感謝は素直に受け取って!…まぁそれはひとまずおいといて━━━」
「何で元々結構イケメンだった人が…TS経験して超絶美少女天使になっちゃってるのぉぉぉぉぉ!?!?」
「「突っ込むところそこなのか!?」」
こうしてエル達は魔神との戦いに勝利した。
「ゴ、ゴミ虫風情が…こ、この私を2度も……!エル・ウィザスト…メフォン・ウィザスト…三雲華澄……貴様等だけは絶対に許さんっ……!!!絶対に……絶対にだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
つづく
メディ先生「メディ先生の『くろまど』解説コーナー!『くろまどばなし』のお時間でーす!(*’ω’ノノ゛☆パチパチ」
エル「(*’ω’ノノ゛☆パチパチ━━━シリアスの後にこのノリ…結構疲れるんだけど……」
メディ先生「このコーナーはこの私…絶世の美女神メディストことメディ先生がくろまどのいろんな用語や本編で駄文作者が説明しきれなかった事を解説するコーナーです!第2回は『天空魔法』を解説していきましょう!」
エル「それ僕が説明した方がいいんじゃ……あれ魔力持ちの翼━━━」
メディ先生「シャラップ!!!それ先生の仕事だから、教師が生徒に教える役目取られるとか先生このコーナーでの存在意義なくなっちゃうぞ……」
エル「はよ始めい」
メディ先生「エルちゃんの私の扱いが前より酷い気が……軽く口調変わってるし……コホンッ!天空魔法というのは魔力を扱える翼人族…要するにエルちゃんだけが使える特別な魔法です!」
エル「僕、人間族成分の方が強いはずなんだけど…」
メディ先生「天空魔法は重力を操る魔法で風系統の魔法よりも圧倒的に楽な魔力操作で浮遊する事ができます!ですが燃費は風系統の浮遊魔法より悪いので風系統が得意な人は天空魔法よりそちらを使った方がいいでしょう!」
エル「え、天空魔法って僕専用じゃなかったの?確かに世界のどこかに僕以外に魔力持ちの翼人族いるかもしれないけど…だったら僕専用じゃなくない…?しかも壊嵐魔法得意だし……」
メディ先生「それでは今回はここまで!また次回お会いしましょう!メディ~♪」
エル「メディ~♪って第2回からもう説明が雑になってきてるぞ!おいっ!」
このコーナーの未来は既に怪しい……
『黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━』を面白いと思ってくれた方、よければ感想、レビュー、ブックマーク、pt評価等をよろしくお願いしますm(__)m




