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黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━  作者: Raun
一章 旅立ちとアカツキのまじない
19/32

[RE.page]No.14 時が止まった少年に救いの言葉を

前回のあらすじ

魔物一万体…メンドクセェ……


後半のシリアスがメインです

台詞一部に今後の伏線もあります。あからさまにわかりやすいですが……


一部修正しました

サブタイトル変更しました


師匠と別れた僕は『黒流星』で倒しきれなかった魔物達を片っ端から叩き潰している。


「ったく!広域攻撃スペル使ってこの数……!僕達を過労死させる気かっ!!」


あれか?確か無双ゲームの爽快感。淳史が一時期僕含めたクラスの連中に無駄に興奮しながら熱弁してたヤツ。個人的に無双系は敵が数攻めな分雑魚敵が弱すぎて面白味を感じなかったが……すまなかったな淳史、ゲームはともかく面倒くささ目を瞑れば割と楽しいぞ。やっぱりこっちに来てからこういう戦闘や勝負事になると軽く戦闘狂のスイッチが入るな…ま、新しい楽しみが増えたって事にしておくか━━━━━と、大物登場かっ!






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






基本情報


種族名‥‥‥デボイジャス


レベル‥‥‥94


性別‥‥‥no data


命年(年齢)‥‥‥186年




ステイタス


HP‥‥‥8639/7639


MP‥‥‥16017/15637


筋力‥‥‥4340


耐久力‥‥‥11328


知力‥‥‥2102


気力‥‥‥7593


速力‥‥‥531




称号スキル


『魔術要塞』『万命を屠りし者』『鈍足』『豪山亀の子』『獣人に恐れられし者』『人間に恐れられし者』




スキル


『魔力Lv.93』『殲滅魔術砲Lv.78』『フォートレスバリアLv.89』『激震Lv.81』『不動の巨盾(こたて)』『エナドレインLv.91』『魔力タンクLv.71』『衝撃無効Lv.92』『斬撃耐性Lv.74』『突撃耐性Lv.69』『魔力耐性Lv.67』『魔法耐性Lv.58』『火魔術Lv.63』『雷魔術Lv.57』『土魔術Lv.87』






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






…!?おいおい……何だこのスキルは!?とんでもない魔術能力だぞ!!魔力量が上限を超えているのは『魔力タンク』の効果か。『エナジードレイン』の効果で周囲のエナどころか僕の魔力まで吸い上げて……!?耐性スキルの頑丈さと称号スキル『魔術要塞』…『不動の巨盾』まで使われたら防御能力の三重発動で掠り傷すらつけられないぞっ!?その状態で魔法を乱射されたら勝ち目が……そして集めた魔力を殲滅魔術砲のエネルギーに変えて蹂躙か。魔力量が二万に到達したら今の僕じゃあ確実に死ぬな……というか衝撃無効とか反則だろ!?いくら空間そのものを利用する空振でもスキルレベルが負けているせいで無効化圏内……ステイタスも総合的に見れば上回ってはいるがそれでもあの強固な防御能力だ……いや、あのスペル試してみるか。


「黒魔導より解き放たれし魂よ、我が身にその誇り高き黒き龍としての意思を委ね、我が力の糧となれ。『魂心黒龍浸』」






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






スペル名‥‥魂心黒龍浸こんしんこくりゅうしん


習得難易度‥‥‥no data


威力度‥‥‥━


安定度‥‥‥70


言霊進化元‥‥‥━




僅かな伝承にて伝えられた謎多き悪魔の書物の一つ、黒の魔導書の力の一部。黒の魔導書に眠る黒龍の魂を魔導書所有者の魂に干渉させ一時的に半黒龍化する事ができる。半黒龍化している期間は髪と眼が銀色になり肌は黒くなる。そして頬、首、両手首、太腿、両足首に黒龍の鱗が現れ額の左側に捻れた黒い角が現れ種族年齢が人間族基準で十歳若返る。全ステイタスが三倍となり、称号スキル、スキルが黒龍の魂と触れ合った影響で一時的に変質する。魔導書所有者の意思で解除しようと思わない限り解除不可。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






「これが半黒龍化ってやつかぁ…!!初めて使ったけど……超カッケェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」

《ぶはぁっ!?な、なんか性格まで幼児退行してない……!?超絶可愛いんだけどぉぉぉぉぉ♪♪♪》

「ひゃっ!?」

《…………誘ってんの…?》

「━━━━━━━━━━━━━━━━━━」

《サプライズで唖然になってる顔もキュンッてくるわぁ……というかまともに話すのはNo.1以来ね。別世界の神?の遊び(後書き)ではほぼ毎k━━━━》

「現実逃避してすみませんでした危ない発言は━━━━ってちょっと待って!何で僕の頭の中に糞女神超絶危険種の声がするのっ!?」

《ちょっ!?幼児退行してもそういう言葉使うんだ!?そんな事理想の半龍完璧美幼女に言われたら、私ぃ……》

「女って言われるのはもうこの二年で殆ど割りきってるけど幼女はダメッ!流石に言い過ぎたのは謝るk━━━━」

《悶え死んじゃうよぉぉぉぉぉ!!!女神やっててよかったぁぁぁぁぁ!!!エルちゃんなら何時でもwelco━━━━》

「人の頭の中で気持ち悪いよっ!!こっちは今大量の魔物潰してる途中なんだよ!!邪魔しないで!!!」

《あ、そうそう。早くそのデカいの片付けないとメフォンちゃんが相当危ないわよ?》

「なっ!?それ早く言ってよっ!!!ってもう2万貯まってるじゃん!?チクショー!!余計な時間糞女神に使っちゃった……半黒龍スキル色々お試しはお預けだなぁ……」


要塞亀は巨体を殲滅魔術砲の衝撃に備える為巨大な足を地面に深く食い込ませる。口がゆっくり開かれていき、そこに2万の魔力が収束しはじめる。それに対して僕は魔法を合わせた我流チャクラ振闘術で迎え撃つ。そして初めての半黒龍化スキルを使う━━━━


「キィィィィィィィィィィィィガァァァァァァァァァァァァァ!!!」

「『黒魔導化』コネクト『半黒龍の紅き咆哮エンチャントドラゴノイドフレア』『空振万射(くうしんよろずうち)多重牙(たじゅうきば)』!」


破壊の限りを尽くそうとする魔力の塊の中を半黒龍化した事によって大幅強化された突きの連撃で打ち消しながら突き進む。けどいくら強靭な龍の鱗があっても流石にキツくなってきた。っ━━━!!!大火傷になりそう………


「けどいつまでもお前に構ってる暇はないんだよ!オラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


ィッタァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!熱いっ!痛いっ!!焼けるぅぅぅっ!!!でも確実に突き進んでる!もう少しっ…………!!


「僕の……勝ちだぁ!!!」

「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?!?」


要塞亀の顔は潰れ口の奥には無数に風穴が空いている。沢山の臓器を抉られた事で奴は既に絶命している。そして結構な大型を倒した事によって新しいスペルが解放された。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






スペル名‥‥招来・強欲の黒浮槍しょうらい・ごうよくのこくうそう


習得難易度‥‥‥no data


威力度‥‥‥━


安定度‥‥‥90


言霊進化元‥‥‥━




僅かな伝承にて伝えられた謎多き悪魔の書物の一つ、黒の魔導書の力の一部。七つの罪の象徴の一つ『強欲』の罪を犯した『煉獄』に送られし罪人達の魂に宿るあらゆる罪への関心……罪悪感や悪意を『煉獄神』と『煩悩神』が集め獄錬塊という煉獄の金属をベースに鍛え上げ造り出した浮遊する陰神の槍を現世に呼び出せる。強欲の黒浮槍には傷つけた存在の生命を特殊なエネルギーに変換し溜める事ができる。エネルギーは自身や他者の寿命を伸ばす事が可能で溜め続ければ死者蘇生も可能。ただし死者蘇生を行う場合黒の魔導書所有者の存在そのものを代償にしなければいけない。存在が消滅すればその者の生きた痕跡が全て消え他者の記憶からも完全に忘れ去られ縁の繋がりも完全に消滅する。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






……とんでもない代物が呼び出せるようになっちゃった。というか煉獄なんて場所があるんだなぁ……説明からして地獄みたいなモノかな?………死者蘇生━━━


「…………」

《まさか今回の大量の魔物を殺して死者蘇生のエネルギーに使おうなんて思ってないでしょうね》


今までふざけた態度だった糞女神が本当に凍らされそうな程冷たく低い声でそう言った。


「存在が消えて会えないだろうなぁ。けど……僕はあの人に……………今からでも生きてほしい」

《存在は消えても言い様のないしこりは残るのよ。そのしこりが貴女の大切な人を何時までも苦しめ続ける。そして……何より貴女が死者蘇生を行って最も大切な人に忘れられる事を恐れている》

「うん。確かに怖いよ……誰だってそんなの怖い。大切な人に忘れられるなんて……彼女も僕と同じ気持ちでいてくれたなら違和感や喪失感に苦しめられるだろうなぁ。いや、そうであってほしい……そんなものは全て僕の醜い願望、自己満足だって事はわかってる。でも僕はレイラに沢山大切なモノを貰ったっ!人の良い部分を見る術もまだまだ身についちゃいないけど教えてくれたっ!『大切』な存在が隣にいる事の『幸せ』を教えてくれたっ!!『大切』な人に誉められる『喜び』を教えてくれたっ!!!大切を失う『底がまるで見えない恐ろしさ』を知った……知ってしまった…………っ!!!!だがら゛っ゛!!!!!だからこそこの欲望が僕を突き動かすんだよっ!!!!!!自分を犠牲にしてもってなっ!!!」

《…………》


気づけば馬鹿みたいに叫んでいた。『口調だけが元に戻っている』事すら気づかずにガキにみたい喚いていた。


「そう。結局僕も元両親(アレ)の血が流れている根っからのクズなんだよ。どれだけ落ち着いた風を装っても、どれだけ自分の醜い部分から目を背けても、どれだけ憎まれ口を叩いても、どれだけ他人をクズだと罵っても……結局は全て大切な人を失った自分を慰める為。大切な人の先に待つ苦しみと自分の醜い欲望……その二つを天秤にかけてさえ最終的には自分を選ぶ!大切な人なんて散々言っておきながらっ!!僕は世界で一番、いや全ての世界で一番のクズだっ!!その証拠に魔物とはいえ18年近く日本で過ごしていながら生き物を殺してもサバルバルを言い訳にして心の奥の愉悦をごまかしていた。こんなもの快楽殺人鬼となんら変わらない………普通は生き物を殺すのに躊躇するだろうな。普通は罪悪感に苛まれて最悪吐く奴もいるかもしれない。『かもしれない』だぞっ!!自然とそんな風に言ってるが人殺しの様な…あぁもう自然と出てくる言い訳は沢山だ!!人殺しをしてもその程度にしか……他人事にしか感じなかったんだっ!!そんな僕に全うに生きる価値なんて━━━━━━」

《甘ったれるなっ!!餓鬼がっ!!!》

「っ!?」


頭に響く女神の冷えに冷えきった怒声。


《何?女の仲間入りしたからって悲劇のヒロインの真似事?そんなに慰められたいか?素人の劇でもまだ笑える方だぞ?クズ?アンタなんか私の今まで見てきた醜い人間達に比べたら可愛いぞ?愛玩ペットみたいなモノだ》


口調も荒々しく変わり果て女神とはとても思えない力強い声だ。


《餓鬼一人のしょうもないエゴよりも自己顕示欲や自身の富の為に戦争を起こしてきた者達、エナや魔法を虐殺や醜い私欲を満たす為の道具にしてきた者達、アンタを越えるクズなんて星の数以上にいるんだよ!責められたら罪悪感が和らぐとでも思ったか?そんな腐った状態じゃあ永遠に罵声を求め続けるだけだ》

「…………」

《でもそんな必要はないわよ》


突然包み込むような優しい声になった。


《だって未だに生きて苦しんでいるじゃない。普通の人間なら時が経てば自然に気持ちを切り替えていたり、絶望と喪失、罪悪感に押し潰されて自殺でもしたりするわ。それなのにエルちゃんは、いや『鶫くん』は大切な人に貰ったかけがえのないモノを12年も大切にしてきたじゃない》


レイラとの思い出を、想いを無駄にするわけがないだろっ!


《それは君が心から『優しい』って事じゃない?》

「優……しい?こんな僕が…?」

《だって本物のクズならそもそも自分の存在を犠牲にしてまで死者蘇生しようなんて考えもしないはずよ?自分の寿命を伸ばそうとか真っ先に思いつくと思うし。でも君は真っ先に槍の力を大切な人の為に使おうとした。そんな人がグズな訳がない》

「ぁ……」


あの日から干からび荒んだ心に女神の言葉が染み込んでいく。僕は散々他人を拒絶しながらも結局は拒絶の壁を壊して救いの言葉を言ってくれる存在を待っていたのかもしれない…………っ!!ここまできて誤魔化すなっ!!!僕は待ってたんだろ?その言葉を。だったら受け入れて前に進め!いい加減素直になれ。今は無理でも少しずつ他人と関われる様になればいい。けどせめて今だけは素直に受け止めよう……待ちわびた言葉を━━━━━






《君を想う大切な人の為にも自分を大切にして。そして幸せになって……それがきっと君の為になる。何より大切な人の願いだと思うわよ》

「う、ぁ……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


この時、僕は初めて過去の苦しみから救われた。初めてあの時から前に進めたのだ。

そしてこの場にはいなくとも僕の心に響いた声は紛れもなく『女神様』のとても優しい救いの声だった。


ありがとう……メディスト様。


つづく


???「あの子を救って下さってありがとうございます。メディスト様」

メディスト「いいのいいの。私のお気に入りの子な訳だしね☆」

???「はぁ…でも、ホント嬉しいなぁ!ツグミがあんなにも私の事思ってくれてたなんて♪」

メディスト「ホント貴女ってエルちゃん好きよねぇ。ま、私の方がだーい好きだけど!」

???「むっ!いくらメディスト様でもツグミ愛No.1の称号だけは譲れませんっ!!」

メディスト「いやいや!私の方が愛してる!!」

???「私の方もっと愛してる!!」

メディスト「私の方がもっともーっと愛してる!!!」

???「私の方がもうもっともっともーっと愛してる!!!」

メディスト「私の方がもう超超チョー愛しt━━━」


この娘等もしかしてロリコンですかっ!?あ、ちなみに???の方はこの作品を御愛読されておられる方はもうわかっていることでしょう。本当にこんなガバガバ文章の小説を読んで下さっている方には感謝しかありません!本当にありがとうございます!!そしてこれからも『黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━』をよろしくお願いします!!!


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