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黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━  作者: Raun
一章 旅立ちとアカツキのまじない
18/32

[RE.page]No.13 魔物集団一万体VSエル&メフォン《開戦》

前回のあらすじ

エルちゃん翼人族年齢190歳突破っ!


エル「僕は19だっ!……認めないぞ!!人間的に老人なんて認めないぞ僕はっ!!!」


一部修正しました

サブタイトル変更しました

後書き内容変更しました



意識が戻ったクラスメイトの一人…三雲華澄(みくもかすみ)と共に僕は未だに苦しみながら眠ったま。まのもう一人クラスメイト…沙藤一樹(さとういつき)の様子を見に来ていた。


「師匠、沙藤の容態はどうなんだ?再生魔法自体は使えるがこれは僕の腕でどうにかなるレベルじゃない……師匠が無理ならお手上げだぞ」


背中に三本の裂傷、三雲の話からして魔物から受けた傷だろう。それだけなら僕だけでもどうにかなったがドス黒い靄が這いずり回る様に傷を覆っている。そのせいで回復系魔法の最上位の一つ…再生魔法ですら全く効果がない。そして僕の問いに師匠は更に厄介な答えを返してきた。


「…彼はカオスエネミーの『呪毒』を傷口から直に受けている。恐らくこの子にこの深い傷を負わせたのがカオスエネミーだったんだろう……現状私の再生魔法で時間稼ぎをするのが限界だ…」

「呪毒ってあれか?以前習ったカオスエネミーの特定の部位にある人を苦しめる為だけに効果を発揮するとかいう悪趣味な毒素の…」


幸い物理的な殺傷能力はない。だが呪毒の恐ろしい所はその悪質性にある。感染者の死以外の最も恐れている事で精神的に追い詰め、最終的に絶望で心を押し潰させて廃人にするという本当に悪趣味極まりない効果を持っている。その元凶が転生者だというのがまた始末が悪い……この世界の現地人にとっては堪ったものじゃないだろう。


「なっ…!?あの…」

「メフォンだ」

「メフォンさんっ!!彼は…一樹君はなおるんですよね!?そうですよねっ!!」

「さっきも言ったが私には時間稼ぎが限界で今治療するのは不可能だ」

「そん…な……」


師匠の言葉を聞いて膝を折り絶望の顔で俯く三雲。師匠…その顔、何らかの可能性はあるみたいだな。


「よく聞くんだ、私にはと言ったはずだ。昔の知人にカオスエネミーの専門学者がいる。そいつならば治療できる可能性はある」

「っ!?その人は何処に━━━━━」


カァロロロロロロロロォォォォォ!!!

ギキャァァァァァァァァァァァァ!!!

グルガァァァァァァァァァァァァ!!!


三雲が師匠に問い詰めようとしたその時、魔物の鳴き声と(おぼ)しき爆音が繭霧の森に響き渡る。

この感じ……相当な大物かっ!!


「魔物っ!?明らかに複数いるな……エルッ!」

「もうやってる!…千…三千……五千………い…一万……!?なんだこの数は…!?師匠っ!ざっと数えて1万の魔物が一斉にこの森になだれ込んで来てるぞ!!しかも進行方向がこの家だ!!この進行スピードでこの数じゃあ僕だけじゃ守りきれないっ!!」

「なんだとっ!?何処からそれ程の数がっ……」


公国の首都を襲った魔物達……この二人を襲ったカオスエネミー……逃げた獲物を追うように現れた一万の魔物群……何か関係がありそうだな。


「お前は病み上がりなんだ!ここで大人しく彼氏見守ってろっ!」

「は、はいっ…!」

「方角と距離は!」

「北西に1.4セル!(1セル=1キロメートル)」

「お前は上空から広域魔法で殲滅!私は片っ端から残党を叩くっ!魔法を使い次第お前も地上で戦え!」

「了解っ!」


僕と師匠は隠していた翼を広げ森の上空へと飛び立った。


「つ…翼が生えた……もしかしてあの人達…翼人族…?」






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※






「この森に広域魔法を投下する日が来るとは思わなかったぞ…」


実のところ一年程前に広域攻撃型スペルを解禁してはいるのだが二年間ずっと繭霧の森に住んでいた上今回の様な明確な異常事態は今までなかったのでその様な自然破壊上等な力を放つ事ができなかった。しかしこの魔物一万体という異常を前にしてはそんな事を言っている場合ではなくなってしまった。


「ふぅ…虚空(こくう)より招かれし落星(らくせい)共よ……仇なす存在に破壊の業火をっ!『黒流星』」


エルが右腕を振り下ろすと突如上空に黒い炎に包まれた大量の巨大な球体が現れ一万の魔物に向かって降り注ぐ。その様はまさに漆黒の流星群による破壊という名の暴虐。しかしそれでも三割近くの魔物は残ってしまった。


「チッ…!いくら広域スペルでも限度があるぞ!…限度が!……これは長くなりそうだ━━━━━よし、行くかッ!」


こんな状況だというのに密かにこれから起こる戦いを想像して楽しんでいる自分に驚きながら僕は魔物目指して地上に降り立った。






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※






「『林根刺殺乃舞・静華りんねしさつのまい・しずか』」


音もなく地面から伸びてきた木の根が襲い掛かる魔物達を串刺しにしていく。魔物の血と死を呼ぶ木の根が飛び交う中でも彼女…メフォンは華麗に舞っていた。その姿はまさしく『天翼の舞姫』…昔彼女が旅をしていた頃の異名を今も尚、体現していた。変わることのない美貌と共に……

そしてその姿はどこぞの戦闘狂予備軍の天使でさえ見惚れてしまっていた。


「呆けてないでさっさと倒しに行け!私は右方面を叩く!」

「…あ、あぁ」


そして師弟は再び別れて敵を殲滅する。


「あの堅物のエルが見惚れるか♪私もまだまだ捨てたもんじゃないな♪……案外あいつから甘えてくる日も近いか…?」






「ホント外見と戦闘センスだけはハイスペックだな……さっき目が合った時のニヤケ顔…僕がデレたとか変な勘違いしているんじゃないだろうな……あり得る…!あの家事ダメダメのお調子年増なら!」


全世界の魔物達が可哀想になる二人の翼人の思考。

しかし二人は…いや、クシャナドに住まう人々はまだ知らない…この繭霧の森魔物殲滅戦で史上最悪の人類の敵が誕生する事を…その存在がいずれこの世界で起こる戦乱の業火の火種になる事を……






近い未来混沌の時代が待つ事を━━━━


つづく

エル「ずっと気になってたんだが…」

メディスト「どうしたのエルちゃん!」

エル「何でここまで文章構成が酷いんだ?」

メディスト「それはね…」

エル「それは……?」

メディスト「作者がプロットも作らずにその場で思いついたアイデアでストックを書いてそれをチマチマ投稿してるからなんだよ」

エル「聞きたくなかった裏事情…」


『黒の魔導書━異世界に来た元少年は魔導書を解読しながら最強に━』を面白いと思ってくれた方、よければ感想、レビュー、ブックマーク、pt評価等をよろしくお願いしますm(__)m

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