[RE.page]No.8 新生活1週間日記《エル編その3》
前回のあらすじ
元々は異世界人ってピュアッピュアだったんだね!
サブタイトルを一部変更しました
新生活4日目
今日はこの世界の国や文化等を学んだ。
この異世界クシャナドには2つの大陸に計7大国、それらの属国に当たる小国があるという。西の大陸『ヴォレル大陸』の南東には僕と師匠が現在住んでいる森『繭霧の森』がある7大国の一つで『小人族の聖地』として有名な職人と技術の国『ローゼン公国』がある。首都ドリセトラムの特徴は所謂『スチームパンク』のイメージそのままの蒸気や金属が街の住人に活気をもたらしているまさに小人族の職人憧れ夢の場所。そして主に産業に力を入れていてローゼン発信の特殊な魔道具『エナマシン』は世界各国に産業革命と称されるほど、師匠曰く従来の魔道具の完全上位互換と断言できるほどエナマシンは圧倒的な性能なのだという。
ローゼンから更に東にも7大国の一つがあるのだがそこには翼人族の陸から断絶された自然豊かな究極の果実が実る浮遊島『セフィルナス』がある。『楽園境』といわれる翼人族と彼等に選ばれた者のみが立ち入る事のできる完全独立空間、完全に地上とは別世界と言ってもいい。巨大な島国というだけで7大国の一つになっている殆ど謎しかない国だ。
そしてヴォレル大陸の北には常に猛吹雪が吹き荒れる過酷な国『ナシャス王国』がある。とてつもなく過酷な環境なせいか7大国の中では1番の小国だが最強の力を求めて修行に来る猛者達が集まる。そのあまりにも過酷すぎる環境と世界中の強者の夢を砕くとまで言われる恐ろしい力を持つ魔物や強者達が跋扈するという地獄のようなイメージから『修羅の国』等と呼ばれている。そんな場所に住むのだ、当然一般民から王族に至るまで逞しい強国なのだ。
次に2つの大陸をつなぐ役目を持つ分裂国家『アシラ橋国きょうこく』という特殊な造りをしている貿易が盛んな大国だ。1つの国が割れたように2つの大陸間に半分ずつ建国されていて商人と貿易の国とも言われている。貿易が盛んなだけあって翼人族以外のあらゆる種族が集まる事でも有名でファンタジー小説でよくある中世ヨーロッパの様な造りになっている。
次に東の大陸『ヨゾン大陸』の中心には軍事国家『ヴァーゼンタイン帝国』がある。世界一のコロシアム『クリストフ大闘技場』を初めとする戦いを娯楽とする風習に乗っかった様々な戦いの為の場所がある。冒険者といういわゆる何でも屋の様な職業が生まれた国としても有名で弱肉強食を体現したかのような国だ。そのせいか昔は奴隷商という犯罪者や借金を抱えた者等が労働力や使用人、性欲目的の商品として人身売買を行う職業まで存在していたという。現在は帝国でも法律上禁止されているが闇市等裏の世界ではまだいくつか存在しているらしい。
帝国から南東の場所には魔法と学びの宗教国『聖アバラシア教国』がある。宗教国といっても過剰な信者がたまに居る程度でよくある闇が深いイメージとは違い健全な布教活動をするまともな国で『白の賢者』と称えられている生きる伝説が存在する国でもあるらしい。知識を求める者も多く『アバラシア魔道学院』という魔法使いを育成する学校や『螺旋図書塔』という世界中の貴重な本が集まる塔等様々な施設のある探求者の集まる国という特徴がある。街は日本の都会の様な近未来的な構造の建築物等が並び地球よりも文化が少し進んでいるらしい。
そして北東には耳人族の国『霊国フォルテナ』がある。精霊や幻獣等が隠れ住むという伝説のある幻想的な国らしい。小さな争いすらない平和の象徴の様な国でセフィルナス程ではないが自然にも恵まれエナが最も濃い場所といわれている。この様に異世界と言っても様々な文化、独自の特徴を持った個性的な国々があるのだ。
師匠も昔は各地を旅していたんだな……僕もいずれ世界中を旅してこのクシャナドの文化に触れていくんだろう…僕は先に待つ未来に少し期待しながらそんな事を考えていた。
ちなみに一度外に出た際に僕の方向音痴がどうとか難癖つけて2日連続で同じ説明をされた。師匠は何を勘違いしているのだろうか?それ以降しばらく師匠の頭が心配になりとあるきっかけで一悶着あったがそれはまた別の話。
つづく
次回、ようやく説明回終了です。
メディスト「無自覚系TS転移主人公ってテンプレ過ぎぃ!…どれだけ私の腹筋破壊すれば気がすむのよ!ぎゃは~~!!!はははは!!!…ひぃ~死ぬ…」
エル「お前マジで覚えてろよ?」
メディスト「そんな情熱的な眼差しは止めて!私には心に決めたダーリンがいるのよっ!例え理想のチョーゼツ美少女に百合展開求められたとしても…私の心はかわらないわっ!」
エル「なぁに気色悪い事言ってんだ!この妄想女神ぃ!!」
メディスト「いやーんおかされるぅ」
エル「毎度最後にこいつの相手してたら超疲れるわ、ホント……」
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