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名探偵マイク

作者: ちる

 今日は2月14日バレンタインデー。この日はリア充のために存在していると言っても過言ではない。名探偵マイクはこの日のために1か月前から毎朝かかすことなく、儀式を唱えてきた。

「あ、非~リア非~リアのお通りじゃい!じゃ~ます~るものはすべて滅する!あ、それ!リア充はま~いにち角にこゆ~びをぶ~つけるのじゃ!リア充はま~いにち電車1本乗り遅れる刑じゃ!」

今日は当日のためいつもよりマイクは儀式に力が入っていた。その証拠にいつもはマイクのアパートの住民に注意される程度だったが向かいの家の田中さんにも怒られてしまった。しかし、それでへこたれるマイクではない。むしろマイクは疑問なのだ。世界を平和にするために儀式を唱えているのになぜ怒られるのかと。

 昼過ぎ、マイクはリア充が苦しんでいる姿を見るために外に出かけていた。すると前方から忌々しい2人の悪魔が互いの手を握り合い、非リアを馬鹿にするような笑い方をしながら歩いてきた。いつものマイクは悪魔を見つけると心の中で儀式を唱えるのだが今日のマイクはバレンタインでイライラしているため、悪を裁きたいという正義の心から[手に突撃アタック]を無意識のうちに繰り出した。※[手に突撃アタック]とは悪魔の間に突っ込み強制的に手をつないでいるのをやめさせることです。

「おい!お前いきなり何してんだよ!」

手を引き離された悪魔のうちの一人が自分が悪いのにもかかわらず逆切れをし、ポールに文句を言う。

「またつまらぬものを斬ってしまった」

しかしマイクは悪魔と違い見た目も中身も大人のため、名台詞を放ちその場からさっそうと立ち去って行った。

 それから2時間が経過し合計で5組の悪魔の手を引き離すことに成功したポールは意気揚々と帰路についていた。

「キャーーー!!!!!」

 すると公園のほうから女の子の叫び声のようなものが聞こえてきた。マイクがつくと公園にはびしょ濡れの5歳ほどの女の子とOLと思われる女性そして37歳9か月の主婦が立っていた。

「い、一体ここで何があったんだ!?」

「そ、それが女の子は突然水をかけられたそうです。でも顔を見てなくてどうしようか考えていたんです」

マイクの質問にOLが答える。彼女はマイクがこの事件を解決してくれると信じているのだろうか。

「僕の予想ではOLと37歳の主婦のどちらかが犯人だ!正直に言いなさい。どっちがやったんだ?」

「「・・・・・」」

2人は無言を貫く。

「うーん、今回は今世紀最大の難事件だな」

マイクが考え込んでいると突然公園の前を歩いていた幼稚園児のカツラが風により、飛ばされる。

「いや、わかったぞ!今回の犯人は37歳の主婦!君だ!」

飛ばされたカツラを見てヒントを手に入れたポールは37歳の主婦に指をさす。

「あそこにある水道を見るんだ!普通主婦は公園で水道を見つけると水が出る部分を指で押さえて勢いよく水を発射するのが好きなんだ!そしてそれがたまたま女の子にかかってしまったんだ!」

「はい、あなたの言う通り私が女の子を濡らしてしまいました」

そう答えたのはOLだった。

マイクは自分の名推理に酔いしれどや顔をかましながら主婦を睨みつけていたがすぐにOLを睨みつける。

「実は最近足を濡らすことにはまってまして前に彼氏と水たまりで遊んでたら結構足が濡れることに気づいてそれ以来水たまりを見つけるとついつい遊んじゃうんです。すみません。次からは周りがいないことを確認してから水たまりで遊ぼうと思います」

「リア充セイ!滅せよ!セイ!」

マイクがOLを叩いているとやがて警察がやってきてマイクを連行していった。

「この僕に解決できない事件はない!」

 こうして地球の平和は名探偵マイクによって保たれた。ありがとうマイク!頑張れマイク!



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