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ミルクティー  作者: 真彩
9/12

モーニングティー

「なあ、水元。」


帰り道、後ろからふと声がした。


声の主に気づいた時、無視しなければ。


と思ってしまった。



でも止まってしまった足はなかなか動いてくれなくて。


「なあ、水元ってば!」



肩に手を置いて私を振り向かせたのは



紛れもない九条君だった。



私の想い人。


「これ、落とさなかったか?」



そういって水玉模様のハンカチを差し出した。


知らない間に落としていたことに気付かず、私は慌てて受け取り、


小さな声で


「……ありがとう。」



と言った。



「おー。今度は落とすなよー。」



そういって九条君が去っていったあと、慌てて周囲を見渡した。


「……瑞樹?瑞樹?……いないよね。」



少しの安堵に包まれた瞬間、涙が溢れてきた。


もっと話したいのに。どうしてわたしは。



瑞樹に縛られているんだろう。



行かないでください。だいすきなんです。



私の言葉は、出ることなく、胸の奥へと消えていった。

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