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お湯は沸きましたか
「瑞樹。」
「なに?日和。」
「瑞樹大好き。」
「ありがと。」
そういって日和は僕に笑いかける。
これは全て僕の妄想。
僕は決して実現しないであろう妄想をしながら目の前の日和にただただ願う。
まだ少し腕に残った昔の傷跡も、日和を想えば癒える気がした。
除け者にされ、忌み嫌われ続けた僕を彼女だけが手を差し伸べてくれた。
それから彼女は僕の太陽。
でも皮肉だね。
そのせいで君は苦しむんだ。
僕を見ないんだから、楽になんてしてあげない。
痛い?苦しい?今見てるのは僕だけだよね。
あの時みたいに僕に笑って。
大好きだよ。