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ミルクティー  作者: 真彩
6/12

欠けたティーカップ

「……ん。」


「おはよう。日和。」


「なんでアンタが……」


目が覚めるとベッドの横に瑞樹がいた。


ずっと私を眺めていたのか……



「ねぇ。」


「何。」


「思い出してたんでしょ。」


「!!」


「あの男のこと。」


「っ!!アンタ!知っててっ……!」


顔めがけて降り下ろした腕はいとも簡単に止められてしまう。


こういう時に自らの無力さにあきれるのだ。



「そいつと僕、どっちがいい?」



黒かった。



真っ黒な瞳には光も透き通った感情も見えない。


ただ憎悪だけが満ちた濁った目。



「……」


慌てて私は目をそらしてベッドを降りた。


「ねぇ、答えは?」


私にもわからない。


でも



「……アンタは、私に性的な暴力だけはしてこなかった……。」



振り出した言葉は精一杯で。




「ふふ。そっか。ありがと。」



的はずれな安堵の声が聞こえた。

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