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ミルクティー  作者: 真彩
4/12

グラニュー糖をひとつまみ

少し不謹慎な表現と、性的表現があります。

「なあ日和、今日俺んち来ない?」

ある日突然、下校中にランドセルを肩に掛け直しながら彼は言った。


しかしいつもの笑顔ではない、少しくぐもったような声と瞳で。


「どうしたの急に、いいの?」


……嫌な予感はしたが、誘われた以上断ることが苦手な性格だったため、誘いに乗らせてもらうことにした。


「……うん、あ!でも全然いいんだよ!日和、忙しいでしょ、明日理科のテストだし……。」


作ったような笑いで、焦ったようにいう彼に違和感が絶えなかったが、初めて彼の家に行けるという楽しみもあった。


「ううん、大丈夫。何時から?」


午前で授業が終わった今日は、放課後の時間はたっぷりとある。


大好きな彼といられるなら、明日のテストなんてどうだって良かった。


「……そっか……じゃあ、1時半……。」



残念そうに笑う彼を見て、迷惑だったのかと少し申し訳なく思った。


今考えると彼はしっていたんだろう。



これから起こることを。





「いらっしゃーい。」



彼の家に入ってにこやかに迎えてくれたのは彼のお兄さんだった。


お邪魔します。と言って頭を下げた後、ゆっくりと靴を揃えていると、ふと視線を感じた。

ぞっとして振り返ると、お兄さんが目を細めて少しの間、私を見ていた。




怖い





私は何故か咄嗟に思ったが、このまま帰るわけにもいかず、ゆっくりと廊下を歩いた。




「あの……雅くんは?」


「あぁ雅ね、今ちょっと出かけてる。もうすぐ帰ってくるよ。」



お兄さんは淡々と答えた。



彼氏……雅くんは時間をすっぽかすような人ではない。


ましてやこんな日に……



「ねぇ、日和ちゃん。」



ぴたっと廊下でお兄さんの足が止まる。


高校生で背の高いお兄さんは私から見ると壁のようだ。


そんな人が止まったのだから、当然私はぶつかってしまった。



「はい?」


ふっとお兄さんは私を横目で見て言った。


「雅と付き合ってくれてありがとね。」


「え?あ、は、はい。」


「だって俺と日和ちゃんが会えたもんね。」


「え?」


「ねぇ日和ちゃんって子宮無いんだよね?」


「!!」


それは


どうして


「じゃあ○○○○○○○○○○○○○○○。」


「!!」


逃げる間もなく、手首を掴まれ、近くの部屋へと連れ込まれた。


ワンピースの肩紐を下げ、キャミソールへ。


その間に入れた手から……


寒気がするような行為だった。


そこからの記憶は痛みと吐き気しか残っていない、

引越しをしたことも、それから男に触れられない体になったことも、今となっては全て曖昧だ。


でも、時々思い出す。



あの容姿の整ったお兄さんに、私は……






「やめて!やだよぉ!!」




トラウマを植え付けられた。

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