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ルビー色の液
私は幼い頃、生まれつき子宮の病気を患っていた。
「可哀想ですが摘出しないと……この子の命は……。」
その声と共に両親が泣き崩れる光景しか私は覚えていない。
子供ながら自分はどういう運命にあるのかすら悟っていたのかもしれない。
思えば
その頃からだっただろうか
あの悪魔……瑞樹が現れたのは
私を盲目に愛し、求める。この感情は私には理解できないものだった。
なぜ私に執着するのか、からめとろうとすらするのか、理解はできないが、それが"彼"なんだろう。
そんな私だが、小学6年生の頃、彼氏というのか、好意を持って、幼いながらお付き合いという形になっていた男の子がいた。
スポーツができて、爽やか。笑顔が綺麗で、私にはもったいないくらいの存在。
あの頃は本当に好きだった。
でも……