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ミルクティー  作者: 真彩
10/12

溶けていく角砂糖

「……ただいま。」


そう言って私は自らの鳥かごへと足を踏み入れる。


明日は出れるのかな。出れたらいいな。



「……おかえり日和。」



目の前に立っていた瑞樹は、あの時のように笑っていた。


真っ黒な瞳で。


知られたと


瞬間的に悟った。



「……また約束破ったんだね。」



「っあ……」


掴まれた手首に込められてゆく力。


「痛いっ……」



だんだんと血が滲んでゆく様を、瑞樹は楽しそうに見つめていた。



「九条……だっけ?いつから日和は男好きになったんだっけ?」



「どうして」


どうして知ってるの。


「そんなの、日和のことは何でも知ってる。そんなぼくが知らないと思う?」



手首から流れた一筋の血を、瑞樹はぺろりと艶やかに舐めとった。


「……嘘つき。」


瑞樹が呟いた瞬間、瑞樹の両手は私の首へと伸びた。


「っかはっ!なっ!?」



瑞樹は私を見下ろしながら、あの瞳で見つめてくる。


「日和が嘘つきなんだもん、これくらいしないとね。」



そうやって込められてゆく力の中、遠のく意識の最後に感じたのは、首元への痛みだった。

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