プロローグ 最も有名な勇者
「とうとうここまで来たな、勇者あああよ。さぁ、この邪神を倒してみよ!!」
その邪神の言葉を合図に勇者は剣を抜き、邪神へと切り掛かって行った。
邪神との戦いは熾烈を極めた。しかし、幸いにも仲間に蘇生呪文を唱えることは一度もなかった。そして、仲間の僧侶オスカー、黒魔術士のアンヌ、盗賊のアレックスの力を一つに集め、やっと倒すことができた。
その後、国王主催による盛大な祝賀会が開かれた。
「よくぞ、邪神を倒し戻って来たな勇者あああよ。そなたには姫との結婚を認めよう」
「勇者あああ様早く、冒険のお話をお聞かせ下さい」
姫と話をしていると仲間の三人が駆け寄って来た
「やったな!あああ!!これで逆玉じゃないか」
「はぁ〜、あああが私よりも先に結婚しゃうなんて、なんか悔しいわ」
「それでは、あああと姫の結婚式は私の教会で執り行うとしましょう」
祝賀会に来ていた国民も二人の結婚を心から祝福してくれた。そして、どこからともなく
「勇者あああ!!!勇者あああ!!!
勇者あああ!!!勇者あああ!!!」
「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「人の名前を何度も何度も何度も呼んでんじゃあねぇよ!!お前らこんなクソみたいな名前で呼ばれる気持ちが分かんのか?あぁ?」
水を打ったように静まり返る会場。しばらくして痺れを切らしたのか、国王が口を開く
「どうしたのだ?勇者あああよ。何がそんなに不満なのだ?」
「俺の名を二度と呼ぶなよクソじじぃ。さもなくば、ギガフレイド(最上級爆炎魔法)をテメェの死にかけの毛根にぶち込んでトドメを刺してやろうか?」
「う、うむ。これは失礼をした。以後気をつけよう。苦労をかけたそなたに配慮が足りなかったやもしれぬ。代わりと言ってはなんだが、そなたの願いを一つ叶えてやろう」
「俺の願いはただ一つだ。このふざけた名前をつけたやつに後悔させてやるこだ!!!」
「うむ、その願い確かに聞き届けた。」
「ふ、どうせむ…え、今なんて?」
「我らを創造し給うた偉大なる主よ、我は主に代わりて治世を行う者なり」
国王の呪文に呼応し、あああの足元に幾何学的な魔法陣が広がる
「え、ちょっと待って早い早い。まだ心の準備とかできてないから」
「大義を果たした者の願いを聞き届よ!!」
あああの足元に広がっていた魔法陣が直視出来ない程の光を放った。