第九ターン ダイジェスト
今日は女王誕生祭。
ベルンは未曾有の熱気に満ちている。
王城のバルコニーから女王が姿を見せる。
「シェリー女王陛下万歳!」
民衆の声に手を挙げて返すのは紛れも無くケンタが愛した少女シェリーだった。
しかし中身は違う。
ケンタは呼び止められる事もなく王城を歩き、女王の私室にやってくる。
彼女、創造神との取引を確認しに来た。
ケンタをこの世界に招き入れた張本神。
創造神の目的はカードの消費。
世界を崩壊させかねない神話時代の力をカードに封じ込め、人族の元で消化させることが計画だった。
わざわざ四つの島、すべてと繋がる中央島と人族が争いやすいように拵えたのに大戦争が起きなかった。
創造神はその状況の起爆剤として俺を利用した。
いまだダンジョンから発掘されていないカードを取り出す『カードショップ』。
支払いを金貨だけにすることによって世界の資源を減らし、争いへと向かいやすくする。
しかしケンタはカードを使用する事を望んでいたが、争いを求めていなかった。
創造神は第二案としてシェリーの肉体に宿り、ケンタを脅迫した。
世界に火種を撒き、戦いを誘発させてカードの消費を促す。
獣王国の内乱、信仰同盟の崩壊。
これによって神の計画がどれほど進んだのか。今日、ケンタが立ち寄ったのは進捗を聞く為だった。
「30%」
100%になればシェリーを蘇らせる取引の成立はまだまだ遠いと落ち込んだケンタに創造神は思いもよらぬ事を言う。
「シェリーを返すよ」
神に嘘はなく、本当にシェリーから創造神の精神は抜け、残った肉体にシェリーの精神が宿る。
約八年ぶりの再会にケンタは泣き、そして神に感謝した。
「これで忠誠度が100になった。では命令だ、余のモンスター【異世界人:溝口謙太】。持てる力を全て出し切れ」
モンスターのカード化。
①に命名。
②に服従。
③に契約。
ケンタはこの世界に来るキッカケとなった『異世界の招待』を思い出す。
あの時、名を呼ばれ、従おうと思い、『YES』を選択してカードに吸い込まれた。
そして世界を旅し、シェリーに出会えたことに喜び、いま、彼女を蘇らせてくれた事に感謝して忠誠心を持ってしまった。
命令に強制力が働く。
「余は極力世界に干渉したくない。可能な限り現行のシステムを用いて目的を遂行しなければならない」
反発した魔物も殺さず、その意を尊重してダンジョンに封じた慈悲深き創造神。
その存在はシステムそのもの。意思を持ちつつ、意思を極力排除する存在である神は、世界を脅かす上位種の力を削ぐ計画をルールを曲げずに行いたかった。
結果、ケンタのような僅かな異物を利用することになった。
「さあ戦争だ。愛しい者を守るために世界を崩さず戦ってくれ」
世界各地のダンジョンに封じられていた魔物、上位種が開放される。
ケンタたちは世界を巻き込む大戦争を始める。
俺達の戦いはこれからだっ―-―!
作者の次回作にご期待ください。
はい、打ち切りエンドです。
すみません。
この作品でやりたかったのは主人公が実はモンスターという側面があった、というオチです。
一発ネタで長編に挑戦したツケにより、途中でモチベが低下してしまい、このような有り様です。
本当にごめんなさい。
拙作を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。<(_ _*)>




