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好奇心
てくてくてくてく.....この物語の主人公である小学生の蒼太は暑い日射しの中麦わら帽子をかぶり、熱せられたコンクリートの道路を歩いていた。この町に引っ越してきて1ヶ月、まだ遊べる友達ができていない。長い夏休みも遊べる友達がいなければつまらない日々が続くだけである。近所の公園に行っても家族旅行や室内で遊ぶ人が多いため公園に人の姿はなかった。家から出発して約10分後、目的の公園に着いた。
ざっくりと公園の中を見渡してみるが、今日も人の姿は見当たらない。諦めて家に帰ろうとしたその時、目の前を一匹の猫が横切った。白い毛並みの上品そうな猫だ。赤い首輪がついている。猫は蒼太を通りすぎると、雑木林の中に消えていった。こんな所に雑木林なんてあっただろうか...と記憶を掘り下げてみるがまったく思い出せない。中を見渡してみると木々の隙間から太陽の光が差し込んでいて明るくなっている。入っても迷うことはないだろう。これから家に帰ったとしても、暇なだけでゴロゴロしながら1日を過ごすだけである。そうなるならまだ入ったことのない知らない場所を散策した方が良いのでは?という名案を思いついた。
子どもじみた好奇心と一緒に、雑木林の中に一歩足を踏み入れた。




