春と冬と河童と
気がついたら草原にいた。今は『春』だ。空には青空があり、雲も少しづつ風に乗りながら動いていた。木はあるけど木の実がない。
確かさっき、友達の《レイラ》ともめあいになって、走りだしていていつのまにかこんなところにいた。
…ここはどこ…?
不思議な穴があった。大人が一人すっぽり入れそうな大きさだった。なぜだろう。ワケは分からないが入りたいと思った…。
穴に入ってみた。私の名前は《ゆり》。穴の中にはなんと…河童がいた!!子供の河童から大人の河童まで!数は…きっと五十はいっていたに違いない……。
ゆりは上に出ようとした…が、出口が上にありすぎてどうしても届かない。
ゆりが考え事をしていると
「もし?そなたは人間かね?私は河童大王と申します。」
「そうです。ここから早く出たいのですが、方法はありませんか?」
「ありますよ。三つの宝をとってくればいいのです。一つ目は黒く光る丸いもの。二つ目は青く光る楕円形のもの。三つ目は銀色に光る石じゃ。とりにいくか?」
「もちろんやります!」
「入り口まで案内しようかね。ホッホッホ…。」
暗!暗いぜ河童大王!って内心思ってしまう…。
「懐中電灯はもってるし?しゃーない、歩くか。」
?ゆりは見つけた!『銀色に光る石』を!
「よっしゃー!あっとふったつ〜〜。」
ゆりはあるいた。なんか長いこと歩いている気がする。…?別れ道だ!とりあえず全部右に曲がろう。
カツッカツッカツッ…。ピタッ。…?
「『黒く光る楕円形』の宝だ!ってことは、今きた道を戻ってあの別れ道の左側を行ってみれば…。」
カツッカツッカツッ…。ピタッ。…!
「見つけたー!青い奴!帰れる〜〜〜!」
ゆりはうきうきしながら歩いていた。
もう十分はたったであろう。あれ?道がおかしい。と思っていたその時…大きな鏡が目の前に…!
「あれ?あたしが映ってる…。しかもあの草原で!」その瞬間、ヒュンとゆりは飛ばされた。
「いったー!腰打ったー」
「人間、おかえり。宝は見つかったか?」
「河童大王!まぁ、なんとかね…。」
「よくやった。では、この宝をつかって…」
ポゥ…。ゆりの体が青く光った。と同時に宙に浮いた。
ドサッ。
戻った世界はいつのまにか冬になっていた。
「寒ッ…。」
なんだったのだろう、あの体験は。河童とか、存在がありえないけど今のあたしとなっちゃぁ!河童だろうが、恐竜だろうが!友達にでもなんにでもなってやるさ!あたしは…心の強い人間なんだからね!!!!
この物語を読んでくれた皆様。どうだったでしょうか。まぁ結果的にはゆりとレイラは仲直りします。実際、河童は私も見てみたいですね。どんな顔をしているのでしょうか。かなり見物ですよね。