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時間戦士は永遠の夢を見るのか・平行宇宙編

平行宇宙編AMラジオ「Amikana & Mika」:第31回「若いままって、怖い?」

作者: 刹那メシ
掲載日:2026/10/22

<次のお便りです。ラジオネーム『午前零時の観測者』さんから。いつもありがとうございます>

「ありがとうございます」

<『アミカナさん、ミカさん、こんばんは』>

<「こんばんは!」>

<『アミカナさんは、ミカさんが年を取っていくことについて考えたことがありますか?』……ということですが>

「あー、これは……」

<どうですか?>

「あのー、これ、真面目な話になるけど、いい?」

<いいよ>

「これ、凄く怖くて」

<怖い?>

「うん。何ていうか、世界から取り残される感じなの」

<そうなの? 私からすれば、ずっと若いままで羨ましいけど>

「まあ、それはそう」

<そうなんかい!>

「シミはそもそも心配ないけど、皺とか増えないし。肌がカサカサになるとかもないし。あと、きっと胸も垂れない」

<こっちが気にしていることを、悉く言うね。でも、胸は揉まれるときっと垂れるよ>

「嘘?!」


挿絵(By みてみん)


<心当たりあるの?>

「……え?!……」

<……簡単に引っ掛かり過ぎ……>

「……う……」

<……で、じゃあ何が怖いの?>

「……その、若いことはいいんだけど、若いままっていうのがね……」

<どういうこと?>

「何ていうか、時間が止まってる感じがするじゃない。自分だけ」

<ああ、まあ、何となくは分かるけど>

「自分以外の人達は、経験を重ねて少しずつ歳を取っていくのに、自分は全然成長できていないような……」

<経験はしてるじゃない。まあ、精神的に成長してるかどうかは知らんけど>

「ちょっと?!」

<見た目が変わらないことと、成長してるかどうかは別のことでしょ?>

「それはそうなんだけど……私はアンドロイドだし……何ていうか、本当に経験してるのかなって思うこともあって……」

<どういうこと? 経験はしてるでしょ?>

「あ、いやまあ、そうなんだけど……私が感じたり考えたりしたことは、本当なのかなって思うことがあって。そっから、自分で成長した、って思ってるだけなのかもって……」

<……そんなこと考えてるの?……>

「はは。まあ、夜眠れないからさ。ミカより時間があるわけ。だから、ミカの寝顔を見ながら、『ああ、また皺が増えたな』って」

<ちょっと?! どういうこと?!>

「だから、毎晩、優越感に浸りながら、『この優越感は本物なのだろうか?』って悩んでるわけ」

<そんな毎晩皺増えてる?!>

「いや、そっちかよ! 増えてはいるよ。ミクロなレベルで」

<嘘?! 乳液変えようかな?>


挿絵(By みてみん)


「……いや、私の悩みは?」

<……えーと、つまりどういうことだっけ? 私が老けることに優越感は感じてるけど、その優越感が本物かどうか分からないっていう、どうでもいい悩みを抱えてるわけね>

「どうでもいいってどういうこと?!」

<感じるんでしょ、優越感>

「え……まあ……うん」

<じゃあ、それが本当のことでしょ?>

「何、そのエレクトラ的発言」

<アンドロイドかどうかなんて関係ない。感じたことの真偽を疑ってたら、何も感じられないじゃない>

「まあ、そうだけどさ……」

<例えば、『優越感』だけを取り出して、ここに置くことはできないよね。生身でもアンドロイドでも>

「うん……」

<ならそれは、物理的な存在じゃない。何ていうか、情報なのよ。その情報が、生体反応によるものなのか、電気信号によるものなのかは関係ない。情報は情報よ。嘘も本当もない>

「……何か……えらい真面目な話になっちゃったね……」

<まあ、それでも歳を取ることで成長を実感したいなら、歳を取った私をもう一度複製して、それに今の量子頭脳を移植すればいいんじゃない? それなら、ちゃんと歳取ること、できるよ>

「あー……それはイヤかな?」

<イヤなんかーい!! じゃあ、質問への回答は?>

「質問、何だっけ?」

<『ミカさんが年を取っていくことについて考えたことがありますか?』!>

「ああ! はい、あります。っていうか、毎日老化していくのを観察しています」

<ちょっと?!>

「で、自分の不老の優越感と、周囲に置き去りにされる恐怖を感じています。これでどう?」

<まあ、いいんじゃない? では、曲に参りましょう。映画『時間戦士は永遠の夢を見るのか』の主題歌、『Zeitkrieger』のカップリング曲で、アミカナ5、『Ewiger Traum』、永遠の夢>

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