最初の帰還、解析と鉄槌の狼煙
初めての投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
短いです。
では、参ります!!
【ワールド3:神々のマスター・ソースコード編】
第3部(前半・後編):『最初の帰還、解析と鉄槌の狼煙』
1. 2年の歳月、進撃の始まり
『――システム・アナウンス。最終開発セクターのタイムライン、前回同期より【730日(二年間)】が経過しました。……警告。世界の全データ蓄積量が臨界点の98%に到達。完全初期化まで、残り僅かです』
赤茶けた鉄屑の墓場【スクラップ・バレー】の地平線に、二つの影があった。
一人は、20歳となり、黒い汚れの中に冷徹な覚悟を湛えた調律師イサナギ。その手には、二年間一瞬たりとも手放さず、己の魔力を吸わせ続けた漆黒の鉄剣が握られている。刀身は静かに仄青い熱を帯び、世界の物理演算をいつでも切り裂く準備を終えていた。
その隣には、ドワーフの老雄ゴルドンおじさん。彼の肉体は炉の熱でさらに強固にビルドアップされ、背負った黄金のハンマーからは、文字通り「命の拍動」のような重低音が響いている。
そしてボクの影からは、エラーノイズを完全に抑え込み、冷徹な戦闘暗殺AIとしてのプロトコルを再構築したノワールが、静かに視線を光らせていた。
「……ついに、この日が来たね。おじさん、ノワール」
イサナギの声は、二年前の少年のものとは違い、低く、深く、揺るぎない。
「うむ。神どもが世界をゴミ箱に放り込む前に、ワシらのケジメをつけに行かねばならん。イサナギ、準備はいいな」
「マスター、神々の第1防衛線『クロック・ゲート』の座標をロック。現時刻をもって、進軍を開始します」
3人は地面を蹴った。向かうは、遥か彼方にそびえ立つ、神々の最高位アーキテクチャの牙城。
2年間、ただの一日も仲間たちの声を忘れたことはない。バラバラに散った6人も、必ずこのタイムラインのどこかで戦っている。それを証明するためにも、ボクたちは前へ進む。
2. 完璧なる数式の壁
ボクたちの前に立ち塞がったのは、牙城の入り口となる巨大な門――『クロック・ゲート』だった。
真白な大理石で作られたその門の周囲には、目に見えるほど濃密な「黄金の数式」が幾重にも複雑なヘリックス(螺旋)を描いて渦巻いている。
『――不法アセットの接近を感知。自動防衛プロトコル:【絶対記述結界】を展開。これより、侵入者の全運動エネルギー、および魔力震動を「ゼロ」に強制変換します』
結界が起動した瞬間、世界から全ての「音」が消えた。
ボクが鉄剣を構えて一歩踏み出そうとした瞬間、身体の慣性が、まるで目に見えない強固な壁に激突したかのように、完全に静止させられた。
「くっ……! 身体が……動かない……!?」
イサナギは歯を食いしばるが、筋肉の収縮データ(運動フラグ)そのものが、神々の結界によって「false(不成立)」に書き換えられている。
「ガハハ、ワシのハンマーならどうじゃ――ッッ!?」
ゴルドンおじさんがハンマーを振り下ろそうとするが、その腕もまた、空中でピタリと制止させられた。どれだけドワーフの怪力を込めようとも、結界の論理が「速度=0」と定義している以上、物理的な力では1ミリも動かすことができない。
さらに、結界の奥から、二年前ボクたちを蹂躙した神の兵器【最高位執行官:コード・レギオン】が、数十体も音もなく這い出てきた。彼らの手にある数式の槍が、動けないボクたちの胸へと正確に照準を合わせる。
「マスター、危険です」
ノワールが割り込もうとするが、彼女のシステムハックすらも、結界の圧倒的な演算速度の前に「タイムアウト」を返されるだけだった。
ギャグも、小細工も通用しない。そして、二年間鍛え上げた生身の物理演算すらも、神々の「絶対的な定義」の前には届かないのか。
コード・レギオンの槍が、イサナギの喉元へと肉薄する。絶体絶命――。
その時だった。
「――お前たちの数式は美しい。だが、前提が狂っているよ」
冷徹で、知性に満ちた、聞き慣れた声が戦場に響き渡った。
3. ルミエルの帰還:結界霧散
パチィィィン……ッ!!!
空間に、ガラスが派手に割れるような硬質な音が響く。
次の瞬間、ボクたちの身体を縛り付けていた「速度=0」の絶対記述結界が、まるで幻影のように一瞬で「霧散」した。
「なっ……!?」
自由を取り戻したボクは、一歩後退しながらその声の主を見た。
結界の残骸である黄金の光の粒子を浴びながら、一人の男が静かに歩いてくる。
長めの髪を風に揺らし、眼鏡の奥で超高速のコードを明滅させている男――学者ルミエルだ。20歳になった彼の佇まいは、以前よりも遥かに深く、冷徹な狂気を孕んだ「賢者」のそれだった。彼の周囲には、魔力で編まれた無数のデータログが、まるで翼のように浮遊している。
「ルミエル……!! 生きていたんだね……!」
「久しいね、イサナギ。2年間、この世界の裏コード(無限書庫)を独力で解読させてもらった。神々の数式結界は確かに強固だが、彼らは『例外処理』を嫌うあまり、未知のファンタジー魔力(混沌)が数式に混入した際の耐性が極めて低い」
ルミエルは本を指先で弾くと、眼前のコード・レギオンの軍勢を冷たく睨みつけた。
「【魔導数式否定法:第三節・定義崩壊】」
ルミエルの脳内から放たれた青白い魔導演算が、レギオンたちの足元の座標へと直撃した。瞬間、レギオンたちの身体を構成していた白銀の結晶が、バリバリと音を立ててバグを起こし、その場で激しくフリーズを始める。神々の兵器が、ただの「動かないオブジェクト」へと成り下がったのだ。
「すげえ……! 奴らの定義を、ルミエルが力技で書き換えたのか!」
ゴルドンおじさんが目を見張る。
「今だ、チェルシー! 門の物理装甲を叩き潰せ!」
ルミエルが背後を振り返らずに叫んだ。
「おっしゃあ! 2年分の大ト音記号(大音響)、ブチ込んであげるわよ!!」
4. チェルシーの帰還:鉄槌の開門
地響きと共に、真白な空間の壁を突き破って、それは現れた。
プシューーーッッッ!!!!!
凄まじい高圧の蒸気が、クロック・ゲートの前に真っ白い帳を作る。
その中から姿を現したのは、全長五メートルを超える、真鍮と魔力結晶で造られた超重量級の魔導重機【アイアン・バスター】。そして、そのコックピットで巨大なスパナを握りしめ、不敵に笑うのは――メカニック・チェルシーだ!
油汚れで精悍になった彼女の顔は、二年の修練が本物であることを何よりも物語っていた。
「いくわよ、あたしの最高傑作! 出力、200%全開!!」
チェルシーがレバーを限界まで押し込むと、アイアン・バスターの六基の魔力ボイラーが真っ赤に激発した。
フリーズしているコード・レギオンの群れを、その巨大な真鍮のキャタピラで文字通り「圧殺」しながら、アイアン・バスターはクロック・ゲートの本体へと突撃する。
「【魔導機械工学:超高圧物理スパナ・神門破砕】!!」
重機の腕が超高速で一回転し、神々の門へと渾身の物理一撃を叩き込んだ。
ドゴォォォォォォォン!!!!!
それは魔法の相殺などではない。システムがどれだけ「防御力向上」のバッチを当てようとも、それを力技で圧し潰す、純粋な「質量と圧力の暴力」。
神々が誇る絶対の門『クロック・ゲート』は、チェルシーの一撃によって内側からひしゃげ、バリバリと蜘蛛の巣状の亀裂を走らせながら、轟音と共に内側へと爆発するように崩壊した。
吹き飛ぶ大理石の破片の中、アイアン・バスターから飛び降りたチェルシーが、スパナを肩に担いでボクたちの前に着地する。
「へへっ、お待たせイサナギ! 二年ぶりの共同開発(大冒険)、いっちょ始めようじゃない!」
「ルミエル、チェルシー……!」
ボクは二人の顔を見つめ、胸の奥から熱い塊が込み上げてくるのを感じた。
離れていても、ボクたちの絆は繋がっていた。二年間、地獄のような僻地で、彼らはボクを信じて、神を殺すための魔法と技術を磨き続けてくれたんだ。
「フッ、これで4人……いや、ノワールを入れて5人か。まだ全員ではないが、牙城の第1セクターを突破するには十分なビルドだね」
ルミエルが眼鏡を押し上げ、不敵に笑う。
「ガハハ! 最高の職人仕事じゃねえか、チェルシー! ワシも腕が鳴るわい!」
ゴルドンおじさんがハンマーを構え直した。
「みんな、ありがとう……! 行こう、この門の向こう側へ。ボクたちの本当の反撃の始まりだ!!」
イサナギ、ルミエル、チェルシー、ゴルドンおじさん、そしてノワール。
成長を遂げた仲間たちの帰還により、チーム・調律師はついに神々の牙城『創世のオーブン』の内部へと、力強く最初の一歩を踏み出すのだった――!
(第3部(前半・後編):『最初の帰還、解析と鉄槌の狼煙』・完全修復)
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
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これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。
新作始めます。探偵物です。よろしくお願いします。
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