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スキル『箱庭』で、私は『人』になる  作者: 春爛漫


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『私』の毎日

思いつき、新連載を始めます。

私の作品は他作品と同じで『亀更新』なので、気長にお読みください。

 いつもの毎日。


 いつも同じ日の繰り返し。


 ()は『なにもわからないふり』をしなければいけない。


 私の手を溶かす水とナニカを合わせてひたすら手で混ぜ続ける毎日だ。


 この作業をすると私の手が『いたく』なるが不満を言うと監視の男に蹴られる。


 たまに新入りの子供が来るが『目が生きている』子供は、監視の男に教育(・・)(殴る・蹴る)される。


 そして運が悪ければ『二度と動かなく』なる。

 その子供が赤黒い血を口から吐き出せば、私が掃除を命じられる。


 私の『混ぜる』作業が終われば『糸目の優しい(・・・)お兄さん』に作った液体を渡すと褒められる。


 同じ部屋で作業をしている痩せた子供達は『お兄さん』が『優しい』から大好きだ。


 でも私は、いや、私と『スズ』だけは『お兄さん』が『監視役』だと知っている。


 『スズ』は私の頼りになる『お姉さん(スズ自称)』だ。


 私が『私』を認識した時から私と一緒にいてくれる『唯一の家族』だ。


 見目の良い女の子が来ると監視の男達があっという間に女の子を『壊して』しまい、動かなくなってしまった子を引きずってどこかへ行く。


 私が『女の子』なのに無事なのは『化け物』だかららしい。

 私は小さな頃に顔に『怪我』をしたらしくスズに聞くと『顔が変形している』と言われた。

 だから『無事』で「生きている」のだと。


 『お兄さん』が作業の「終わり」を言うと『水』と『麦』が貰える。

 私と子供達の1日の『食事』だ。

 硬い『麦』を何度も、何度も噛んで、細かくなって飲み込めるようになるとお腹が幸せになり、暗い一つの部屋の中に戻って後は眠るだけだ。


 ごくたまに目が覚めない子供がいるけれど、スズに聞くと『死んだ』らしく「二度と目が覚めない眠りについた」と教えてくれた。


 それは「凄く寂しい」のだと。


 「寂しい」とは何か? とスズに聞くと『私とスズが別れる』と感じる気持ちらしい。


 私は『ソレ』がものすごく嫌で、私の潰れていない片目から水が流れた。


 そうか、コレが『寂しい』のだ。


 私の持っている『知識』はスズが全て教えてくれた。

 私に『感情』を教えてくれたのは『唯一の家族』の『スズ』だけだ。


 スズがいなければ、私は「寂しく」『死んで』いただろう。


 私が『死ぬ』と『スズも一緒に死ぬ』らしいので、私としては寂しくないのだが、ソレを言うとスズが悲しむので伝えられない。

 ーーそんな私の気持ちも『全て』スズには内緒にできないのだが。


 全ての子供達が狭い部屋の中で眠りにつくと、私は暗さに慣れた目で周りを探ってから、ゆっくりと起きて、壁の木の板を静かに外してから、その中にある空間に入って、音を立てないようにゆっくり、ゆっくりと硬い土を掘って斜め上に毎日少しずつ掘っていく。

 これは『スズ』の『指示』だ。


 スズからは「ここから逃げる」と言われているので、スズに言われるままに『誰にも』知られないように深夜に行動する。

 そして疲れたら起こされるまで眠るのだ。


 起きたら『水』と『麦』を貰えるので楽しみだ。


 貰える『水』と『麦』を食べてもお腹が痛くならないし、吐かないし苦しまないから小さな頃よりは幸せだ。


 私はココから逃げなくてもいいんじゃないか? とスズに尋ねると「ココにいると死ぬ」と言われて、スズと別れない為には「逃げる道」を作るしかないと言われている。


 部屋に監視の男が呼びにくると作業部屋の中で誰も話さずに静かに作業をする。

 無駄なおしゃべりすると監視の男に『蹴られる』からだ。


 『お兄さん』だけは話しても蹴られないが。


 『お兄さん』が監視の男達の仲間だとスズが疑う原因になったらしい。


 そして『お兄さん』は途中でいつもいなくなり作業をしないのに、監視の男達に怒られない。

 勝手に部屋を出ていくのに。


 これも『怪しい』と思ったスズに言われて『お兄さん』に話しかけると「排泄だよ」と言われて、スズは私に『お兄さん』の全身を見てと言われて『お兄さん』を見ていると監視の男にお腹を蹴られたので、スズに謝られたが、スズは確信持って『お兄さん』を『裏切り者』だと言った。


 『お兄さん』は身なりが『綺麗すぎる』のだと。


 そして若く見えるが『大人』だと言う。

 絶対に監視の男達より『偉い立場』だと。


 スズは作業で爛れた私の手を見ると「ごめんね、ごめんね」と謝る。


 スズのせいじゃないのに。


 私の手に『爪』が無いのは普通だし、指が短いのも普通だ。

 私の手から出る血が『混ぜ物』に混ざると蹴られるので、私の横には手を洗う『水』が用意されているが「飲みたい」とスズに言うと「お腹が痛くなって死んでしまう」と言われているので毎日我慢している。


 そういえば、監視の男と『お兄さん』だけ『くつ』と言うものに足を包まれている。


 私と子供達は「はだし」なのに『お兄さん』は靴を履いているから「やっぱり裏切り者」だとスズは言う。


 そして作業が終われば『水』と『麦』が貰えて、食べた後は部屋に戻って子供達と体を引っ付けて眠る。


 夜中になると静かに起きて壁の木の板を外して、斜め上に向かって穴を掘る。


 これが私の毎日だ。

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