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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第八十七話 目玉焼きハンバーグの問題点

「坊主どうだった?」



 料理長のオリバーから、ハンバーグで一番売上が良かったのは誰だったか聞いてきた



 ミリアに話を振ると作った目玉焼きハンバーグが、一番の売上だったそうだ。

デミグラスソースで作る王道ハンバーグに、目玉焼きをトッピングしただけだが、異世界では玉子の値段が一個銅貨5枚するので、それだけで高級食材を使った豪華な料理となる。

黄身を潰してハンバーグと絡める、黄色のソースが濃厚で堪らないらしい。



「売上だけならスゲェが、食堂で出すなら銅貨5枚かせいぜいだしても銀貨1枚までだ。商売となると厳しいんじゃねぇか?」



 オリバーの言う通りだと思う。

目玉焼きハンバーグは定番のメニューだが、商売ベースで考えると異世界では少し難しいかもしれない。



「あとは鉄板焼きハンバーグも人気でしたね。自分で焼くの面白いって言ってました」



 ミリア自身も楽しんでいた鉄板焼きハンバーグ。

銀次郎も手応えは掴んでいた。



「そうだね。自分でハンバーグを焼き上げるから楽しいし、自分が作った料理は満足感が出る。自分の好みの焼き加減だから味への不満が少なくなるからね。店側としてはアツアツに熱した鉄板を出せば、調理の時間も短縮出来る。商売としてはやりやすいかもしれないね」



 銀次郎の説明に、なるほどと頷くミリア。

鉄板焼きハンバーグは、デミグラスソースをかける時に油が飛び跳ねてしまう。

某ハンバーグチェーン店では、紙シートで油の飛び跳ねを抑えていたが異世界では紙の用意が難しい。

何か代替え品が無いかと考える銀次郎。



「チーズハンバーグも人気でした。マインツはチーズが名産ですので、街おこしという意味ではピッタリ合うかもしれません」



 確かにチーズハンバーグは人気だった。

チーズインハンバーグと上から乗っけるチーズハンバーグ。

そして追いチーズも好評だった。



「最後の方はハンバーグを作らなくて、追いチーズだけやっている奴もいたもんな」



 チーズは安いので利益も出やすい。

サーベルみたいなナイフで追いチーズをすれば、パフォーマンス的にもありだな。

そういえばマインツ家の紋章には剣が描かれているから、それに似せた剣の様なナイフで追いチーズしたら面白いかも。

いっその事紋章を入れて、マインツ家お墨付をアピールしてみても面白いかもな。

勝手に紋章を入れては怒られるので、この件は虎に確認しよう。



「冒険者用のハンバーグ二つ盛りや、特大ハンバーグも人気があったぞ」



 大盛やデカ盛り系もある一定の層には絶大な人気を誇る。

インパクトがあるからお客さんの口コミも期待出来るもんな。

そして日本にはない職業冒険者は、たべる量も多ければ呑む量も多い。

支払いも良いのでデカ盛り系のお店は人気になりそうだ。



 ハンバーグの好みは人それぞれであり、王道ハンバーグがいつでもたべれる状態になれば、そこから自分の好みを探していくのは自然な流れだと思っている。

それは作り手も同じでまずは基本のハンバーグを覚えてもらい、そこから自分好みのハンバーグを見つけて欲しいと思う銀次郎だった。



「ハリーはどうだった?」



 ハンバーグ好きのハリーに聞くと、やはりデミグラスソースで作る王道ハンバーグが気に入ったと。

ハンバーグはお皿で提供するより、鉄板焼きスタイルの皿の方が熱々を楽しめるので好きだそうだ。

ソースや油が跳ねる可能性があるのでマインツ家では出しにくいが、オリバーもハリーの意見に同意する。



「このソースはマインツ家の厨房で作ったんでしょ? マインツ家のハンバーグとして売り出せば、旅行者なら食べてみようと思わないかな?」



 確かに面白いな。

自分が観光客なら、領主がたべている料理が売ってたらたべてみたいと思うかも。



 デミグラスソースを作るのには、時間と労力がかかる。

それに一定の味を作るのには、料理人の力も問われる、

デミグラスソースの件で虎から解決できる方法は? と聞かれていたが、マインツ家で作ってもらえないかな。

オリバーは圧力鍋さえあれば、問題なく作れると言ってくれた。

この件も虎に相談しよう。



 片付けが終わったので、オリバー達と一緒にマインツ家に行く銀次郎。

今日の報告と今後の相談を虎にしないとね。

夜はハリーが明日、王都に旅立つのでハングリーベアーで呑む事にした。

親方も誘ったが今日はミンサーの使い勝手を確認しに来ただけだから、また今度と言われてしまった。

ミンサーの使い勝手の確認でお酒を呑むのが親方らしい。

近いうちにまた相談しに行く事を伝えて、ハングリーベアーを出発するのであった。

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