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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第八十五話 ハンバーグ祭り

 モーニング営業中のハングリーベアー。

いつもと違うのは、食堂の扉が全て取り除かれてオープンスタイルになっている。

異世界の人達はお祭り好きだ。

ハンバーグの話を聞いた宿泊客の冒険者達は、朝からエールを呑んで騒いでる。



「ギンジローうまいハンバーグ食わせてくれんだろ? 試食は任せとけ」



「ハンバーグができるまでまだ時間かかるから、そんなペースで呑んでたら潰れちゃいますよ」



 呑み友達の冒険者とグータッチして挨拶する銀次郎。

さて今日も頑張りますかね。



 今回ハンバーグの作り方を教えるお店は八店舗。

全てバーニーさんとクラーラさんの知り合いだ。

マインツ家の料理長であるオリバーには、デミグラスソースを作って持ってきてもらった。

若い料理人も連れてきてくれたので、申し訳ないが今日は手伝ってもらうよ。

ハンバーグ評論家としてハリーが立ち合い、商業ギルドのミリアは農家の方や商会の方を連れてきてくれた。

受付の娘はヴェリーヌさんの店に行って、はちみつレモンの売れ行きを確認するので今日は参加出来ない。



「えーっと…… 何で親方がいるんですかね?」



 しらーっと席に座っている親方を問い詰めると、バーニーさんから話を聞いたらしい。

実際にミンサーを作ってくれたのは親方なので手直しがある場合にはすぐ対応出来そうだが、絶対に酒が呑みたいだけだと思うんだよなー。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



「さてハンバーグの説明も終わりましたので、まずは基本のハンバーグをみんなで作りましょう」



 ちなみに今回はクレイジーなソルトは使わない。

バーニーさんは使おうとしたが、オリバーに止められたのだ。

クレイジーなソルトにはたくさんのハーブが入っており、その中には胡椒もある。

胡椒は高額なので、クレイジーなソルトを転売される恐れがあるので出すのをやめた。



「ハンバーグで使うお肉ですが、牛と豚の肉が良いと思います。レッドボアのお肉も野生味があって良いと聞きますが、その辺は皆様にお任せします。それぞれ仕入れているお肉屋さんはあると思いますが、こちらのお肉屋さんにお願いすれば挽肉にして納品も可能ですので」



 銀次郎は牛タンを売っていた問屋街の肉屋の店主と約束をしていた。

銀次郎がお客さんを紹介して、ミンサーも無料で貸し出しをする。

そこで儲かったら、牛タンは全部銀次郎に卸してもらう事を。



 マインツ家が支援してお店は大きくする予定だ。

店を大きくして扱う肉の量も増やし、いっぱい儲けてもらいましょう。

そのうちお店でコロッケやメンチカツなんかも売るのもいいかもな。

想像は膨らむが、肉屋の店主を巻き込んだのは銀次郎だ。

まずはハンバーグを定着させて、お肉屋さんの売上を上げないとな。

気を引き締める銀次郎だった。



「肉の種類と割合を変えるだけで、こんなにも味が変わるんですね」



 まずは牛肉だけのと、合挽き肉で作ったハンバーグを試食。

バーニーさんは焼きそばソースでハンバーグを作った事はあるが、デミグラスソースは初めてだ。

宿泊客の冒険者達にデミグラスソースで作る王道ハンバーグを作って、一緒に試食をしている。

バーニーさんは元冒険者だが、今でも一番強そうなんだよな。

あの暴力的に腕の太さに背中の筋肉、絶対に怒らせてはいけないと本能がそう言ってる気がする。



「これうめぇな。みんなで食べたんじゃすぐ無くなるから人数分持ってきてくれや。それとエールも」



「こっちも頼む。後エールも」



 冒険者達が立て続けに注文。

いつも思うが、忙しい時のハングリーベアーの連携力は凄い。

長男のルッツがエールを木のジョッキに注ぎ、クラーラさんと次男のハンツがすぐに提供する。

三男のフランツは空いたジョッキを片付けてすぐに洗う。

待たせる事なく動くので、お客さんは気分良くエールを呑む事が出来る。

喫茶店を一人で経営していた銀次郎からすると、家族の絆が見えて羨ましくも思えた。



 最初の試食は終わったので、次にトマトソースベースのハンバーグを何種類も作る。



「私はトマトが好きだから、このトマト煮込みチーズハンバーグを自分の店で作るよ」



 この店主には、ミリアが連れてきた農家を紹介する。

何種類かのチーズでハンバーグを作って試食を重ねたところ、水牛のチーズを選んだ。

のびーるチーズはロマンがあるから良い選択だと思う。

他には新鮮な牛乳とバターも農家の方が持ってきてたので、ホワイトソースのハンバーグも作った。

店主は赤いトマトソースで煮込んだチーズハンバーグと、白いホワイトソースのハンバーグを店で出す事を決めた。



「この鉄板焼きハンバーグが気に入った。俺はこれを作るぞ」



 若い定食屋の青年には、油がお客さんに跳ねないよう工夫する様に伝える。

意外と人気なのが目玉焼きハンバーグ。

玉子が高いので、目玉焼きハンバーグは高級品扱いになるそうだ。

黄身と絡めるとコクとまろやかさでサイコーらしい。

茶色のデミグラスソース、赤色のトマトソース、白色のホワイトソース、そして黄色の目玉焼きソースとみんなは呼び始めた。

黄色で目玉焼きって白身もあるけど、そこは気にしないんだな。

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