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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第八十三話 サングリア

 馬車を降りると、そこはきらびやかなお店が並ぶ繁華街だ。

まだ営業時間前だが、明らかに空気が違う。



「ギンジローここって?」



 ハリーにはエルヴィスの知り合いと言うか、仲が良いと言うか、親しい関係と言うか、一緒に屋台に来てくれた女性がやっているお店だと伝える。



 ミリアは知っているようで、ギルド長が通っている会員制のお店だと説明してくれた。

会員制? 豪華な建物と扉だけど看板は無いので、言われなければここがお店だとは分からないかもな。

馬車の方にはまた待機してもらい、マリアさんの店の中に入る。



「ギンジロー様お待ちしておりました。マリアさんを呼んできますので、こちらに座ってお待ち下さい」



 案内されたのは、いちばん奥にあるソファー席。

女性陣にはソファーに座ってもらい、男性陣で商談の準備を始める。



「エデル、果物を漬けた赤ワイン出してくれるかな?」



 エデルはクーラーボックスから、果物と赤ワインが詰まった瓶を取り出す。

手の甲に一滴垂らして味見したが、果物の甘みが強く美味しいサングリアに仕上がっていた。



「お待たせ致しました。本日は足を運んで頂きありがとうございます」



 ドレス姿のマリアさんが現れると、ハリーは少し顔が赤くなっていた。

エデルは特に変わらなかったが、受付の娘はマリアさんの胸元をガン見している。

あいつは…… とは思ったが触れると危険なので、そのままスルーする。



「支配人さん、果物をカットしたいので厨房をお借りしても宜しいでしょうか?」



 支配人さんに案内されて、エデルとハリーにはフルーツの盛り合わせを作ってもらう。



「マリアさん紹介しますね。商業ギルドのミリアさんとエミリアさんです。私の担当になってくれていますので、どうぞ宜しくお願いします」



 銀次郎が紹介すると、ミリアさんはお肌が綺麗で羨ましいとマリアさんが褒める。

ミリアはマリアさんの様な美しくお綺麗な方に褒めてもらえて嬉しいですと褒め返す。

ふと受付の娘を見ると、まだガン見してやがる。

支配人さんが戻ってきたので、まずはサングリアの説明を始める事にした。



「これは赤ワインに果物を漬けているので、お酒が苦手な女性でも飲みやすいと思います。仕事前で申し訳ないですが試飲してもらえますか?」



 フルートグラスにサングリアを注ぐ。

マリアさんは試飲をすると、支配人に女の子を呼ぶ様に指示。

すぐに集まり、女の子達もサングリアの試飲を始めた。



「何これ?」



「美味しいわ」



 気に入ってくれたみたいなので、ホッとする銀次郎。

すると今度は、エデルとハリーがフルーツの盛り合わせをテーブルに運んできた。



「紹介しますね。エデル商会のエデルです。彼の商会ならこの冷やしたフルーツの盛り合わせが用意出来ます。このお酒もそうですが、果物はお肌にも良いので是非試食をしてみて下さい」



 フォークをみんなに渡すと、パイナップルやマンゴー、メロンなどそれぞれ試食する。

もちろん気に入ってくれて、明日からフルーツの盛り合わせをエデル商会で納品する事になった。

もちろんサングリアもだ。

マリアさんアリガトウゴザイマース。



 こちらも商業ギルドを通して、お金のやり取りはやってもらう。

商談も纏まったので、ハリーは待機してもらっている馬車を呼びに行く。

するとマリアさんが銀次郎とミリアを呼んだ。



「果物がいくらお肌に良いからって、ミリアさんは何かありますよね。そのうち教えてね。ギンジローさん」



 マリアさんは化粧の事を見抜いているのだろうか?

美容に対する女性の情熱はやはり恐ろしいものがある。

ハリーを乗せた馬車が到着したので、挨拶をして別れる。



 まずはエデルを送って、シルバーのプレートやサングリア用の瓶などを渡す。

その後商業ギルドへ一度戻って、社交ダンス発表会の進捗確認を行った後、食事に出かける四人。



「ハリーさん。せっかくですから、前に教えてくれたあのお店に行きませんか?」



 ん? 結構いい感じじゃないの。

二人の会話に聞き耳を立てて、ニヤニヤしているとそのお店に着いたようだ。



 ソーセージとエールの店ブッフバルト。

看板が掲げられており、どうやらソーセージとエールが売りの立ち飲み屋さんだ。

エールとソーセージを四人分、あとは野菜の特別メニューをハリーが注文して店員さんにお支払いをしてくれた。



「ここはソーセージが食べれるお店で、店主のブッフバルトさんの手作りなんだ。すぐに持ってきてくれると思うから待ってて」



 ハリーのテンションが高い。

マインツ家でオリバーから前にソーセージをもらったけど、確か塩をいっぱい使うからソーセージは高いと聞いた。

ソーセージにエールなんて相性抜群だから、期待して待つ銀次郎。



「はいお待たせー。エールとソーセージの盛り合わせと新鮮野菜のスティックです」



 ここの店主の娘さんだろうか?

エールと美味しそうなソーセージ、そして野菜スティックをテーブルの上に置く。



「これって?」



 銀次郎が店員のお姉さんに野菜スティックについて聞くと、このお店の常連さんが朝市で見つけて美味しかったからと、この店のメニューに取り入れたそうだ。



「ギンジロー」



 みんながエールのジョッキを持っていたので、慌ててジョッキをあてる。



「プロージット」

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