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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第七十七話 フライドポテト

「おはようございます」



 いつも通り庭で井戸水を頭からかぶり、頭をシャキッとさせてから食堂に行く銀次郎。



「ギンジローちゃんおはよー」



 今日もクラーラさんの笑顔に癒される。

そしてそこに待ち構えていたのはハリー。

板氷をアイスボックスに入れると、ハリーは急いで出かけてしまった



「ハンバーグの作り方を教える件だけど、噂が広まっちゃって更に人が集まりそうだけど大丈夫かな?」



 クラーラさんが心配そうに聞いてきたので、マインツ家からもハンバーグを広める事をお願いされた事。

作り方を教える人数は多い方が、こっちも嬉しいということを伝える。

エルヴィスと会うまではまだ時間があるので、息子さんのルッツと一緒に料理を作っても良いか聞く銀次郎。

厨房にいるバーニーさんが問題ないと言ってくれたので、前から作りたかった料理を教える事にした。



「ルッツに教えるのはハングリーベアーで売れる料理だよ。ハンバーグの付け合わせにもなるし、エールのお供にもなる。要はこの料理をルッツが覚えて作れるようになったら、ハングリーベアーは更に人気になるよって料理だから」



 ルッツは少し緊張しているが、料理を覚えて親孝行してもらおう。

教える料理はフライドポテトなので、油の取り扱いにだけは気をつけていこう。



「まずはジャガイモを井戸水で洗ってきてくれるかな」



 銀次郎は皮付きの方が好きなので、ジャガイモの土はしっかり洗い流す様に指示を出す。

さて、少し時間ができたからあれも作るかな。

銀次郎はレモンを輪切りにして器に入れ蜂蜜をかけるだけの簡単な料理。

はちみつレモンをこの時間で仕込む。

バーニーさんが気になってこっちを見ていたが、後で説明することを伝える。

ルッツがジャガイモを洗い終わったので、料理の続きを始める二人。



「ジャガイモの芽の部分は身体に悪いので取ろっか」



 包丁は危険なので慎重に扱うように指示するが、ルッツは普段も包丁を使うので問題はなさそうだった。



「包丁の取り扱いはうまいけど、怪我したら料理が作れなくなる。だからいつも慎重に扱うんだよ」



 バーニーさんからも聞いているとは思うが、大事な事なので銀次郎からも伝える。

ジャガイモの芽の部分を全部取ったので、今度はくし切りの方法を教える。



「ルッツいいね。これ全部切ってくれるかな」



 ルッツがジャガイモを全部切り終わったので、一度綺麗な井戸水にジャガイモを浸ける。



「何やってるんですか?」



「ん? おいしくなる魔法だよ」



 その後ジャガイモを取り出し、清潔な布の上に置いていく。



「しばらく置いて水分を取っていくから。これも大事だから覚えといてね」



 次にラード油をフライパンで温めていく。

ハングリーベアーは肉料理が美味しく、ラード油もたくさんあったがここまで油を使う事は普段は無い。

ラード油の作り方は、この料理が人気になったらバーニーさんに教えてもらいなよと伝える。



「大事なのは水分をしっかり切ったジャガイモを、熱した油の中に入れる事。水分が多いと油が爆発して危ないから、絶対に水分は切ってね」



 事故があってはいけないのでしっかりと伝える。

まずは温度低めの油にジャガイモを投入。



「ルッツ見て。じゃがいもが沈んで泡が出てきてるでしょ。まずはこの泡が止まるまでこのままで」



 低温でジャガイモを揚げていく二人。

泡が止まったところで、油すくい網を使って一度ジャガイモを取り出す。

シルバーのトレイにジャガイモを乗せて休ませた。

その間に炭火の強い所にフライパンを移動し温度を高めていく。



「今度は油の温度を上げて、一気にジャガイモを揚げていくから」



 ここが勝負所と感じたルッツはゆっくりと頷く。



「よし、油が跳ねないようにジャガイモを入れるよ」



 シルバーのトレイに休ませていたジャガイモを、再びフライパンに戻していく。



「ルッツ見ててね。色が変わってじゃがいもが浮かび上がってきたら出来上がるよ」



 バーニーさんもクラーラさんもフライパンを見つめると、ジャガイモが浮き上がってきた。



「よし。ルッツこれでジャガイモを取り出してここに置いて」



 ルッツが慎重にフライドポテトを取り出す。

全て取り出したルッツの頭を撫でると、この位出来るよと照れていた。

仕上げにクレイジーなソルトを振りかけて、フライドポテトの完成だ。



「熱いから気をつけてたべてください」



 揚げたてのフライドポテトはサイコーだ。

二度揚げもしたので外はサクサク、中はホクホクだ。

自然と笑みが溢れる。



「揚げたてが一番美味しいですが、冷めても美味しいです。これとエールの相性は抜群だからルッツが頑張って作るんだよ」



 遠回しにルッツを煽る。

売れるのは間違いないから、後は練習して自分の物にして欲しい。

包丁と油の扱いはくれぐれも気をつける様に、もう一度念を押しておく。

フライドポテトはハンバーグの付け合わせにも合う事も伝えといた。



 ルッツにフライドポテトを教えたので、バーニーさんとはちみつレモンを試食する。

ん〜酸っぱいけど甘い。

レモンは疲れを取る効果があるし、エールにはちみつレモンを入れても美味しいと思うと伝えた。

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