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閑話 チケットからキュンです
「ミリア先輩おかえりなさいま……」
衝撃が走った。
先輩が戻ってくるとキラキラ輝いて見えた。
この世のものとは思えない可愛さに、心がキュンとなる。
「エミリアただいま。チケットはどうだった?」
先輩が優しく微笑んだ時、思わず抱きしめてしまった。
「ちょっと何やってるのエミリア。そんな悪戯はいいからチケットの件教えて」
甘い匂いはいつもと同じだけど、なんだかドキドキする。
「先輩の唇、艶々してますけど何か脂っこいの食べました?」
「エミリア…… エルザ様との取り決めで秘密にしないといけないから言えないのはごめんね。でも悪い事じゃないから心配しないで」
秘密を教えて欲しいけど、それで嫌われたら嫌だから言えない。
いつか先輩が打ち明けてくれるまで待とう。
でもこのドキドキはなに?
この気持ちを先輩に打ち明けられないから、秘密にしているのはお互い様なのかも。
「チケットはどのくらい売れたの?」
先輩のために今日は頑張った。
「全部売れました。もっと欲しいです」
ミリア先輩がチケットのこと褒めてくれた。
その優しい笑顔にまたキュンとなる。