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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第五十八話 賄い

「ピザ生地の方はどうかな?」



 喫茶店の時に使っていた強力粉と薄力粉、後はドライイーストがあったから生地を練り込んで休ませていた。

本来はもっと時間をかけたい所だが、試食して食欲に勢いがついたみんなを見てそんなことは言えなかった。



「次はピザを作ります。こうやって生地を広げて、このくらいの大きさにします。個人的には生地は薄めが好きですが、厚めが好きな人もいるのでその辺は好みで。今日はすぐ焼き上がるように薄く伸ばしていきましょう」



 最初はみんな手つきは慣れなかったが、コツを掴んだら見栄えも良いピザ生地が出来上がった。



「かるくオイルを塗って後は好きに具材を載せて下さい。さっき作ったトマトソースを生地に塗るのも良いですし、塗らなくても美味しいのは出来上がります。トマトソースを半分だけ塗ったりするのもありですね。チーズは好みですが、最初は癖のないチーズの方が良いかも知れません」



 用意した具材は、厚切りのベーコンにチーズを数種類。

ピーマンに玉ねぎ、ルッコラとマッシュルームや鶏肉を用意。



「おい、好みつっても分からんぞ」



 料理長のオリバーが見本を見せろと言ってきたが、そんなのはつまらない。

ここまでくれば後はオーブンで焼くだけだし、難しい食材もない。

本能で選んでと伝える。



「おい坊主これでいいのか?」



 オリバーちょっと怒ってる?

トッピングを見るとさすが料理長だ。

食感と色合いも考えながら具材を配置をしている。

野菜のバランスも良い。



「なかなかやりますね」



 声を掛けると、満更でもない様子だ。



「もう焼いていいか?」



 オーブンの温度が下がらないように、ピザは二枚ずつ焼いていきましょうと伝える。



「二人も好みのピザ作る?」



 ソフィアもセバスチャンも、ピザのトッピングをしたかったみたいで喜んでいる。



「ギンジロー、私はトマト好きだからこのソース塗るね」



「それでは私もトマトソースで作らさせていただきます」



 料理人の方にも手伝ってもらおうとしたが、せっかくなら自分でやりたいと言ってソフィアはトッピングしている。

銀次郎はサラダを作る為に、アイテムボックスからロックアイスを取り出し氷水を作る。

レタスを手でちぎって、氷水で洗うとレタスがシャキッとして美味しそう。

十分に水気をとって、玉ねぎとルッコラも入れる。



 軽くイタリアンドレッシングを振って細かく切って炒めたベーコンも乗せ、仕上げに粉チーズでサラダの完成だ。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



 賄いなのでプレートにサラダと、パスタを三種類少しずつ盛る。

ピザはカッターで切り分けてみんなでシェアする事にした。



「それでは熱々の内にたべていきましょう!ピザは今も焼いているので、交代しながら賄いをたべて下さいね」



「ギンジロー、このトマトのパスタとピザ? とっても美味しいね」



 ソフィアの喜ぶ顔にドキッとしたが、出来るだけ冷静を装う。

ソフィアはトマトが好き、心のメモを取る銀次郎。



「坊主ピザって奴はうめぇな。酒が飲みたくなっちまったな。ガハハハ」



 料理長のオリバーは豪快に笑うが、ピザを一切れとパスタ三種類を素早く試食した後は、ピザを焼いているスタッフと交代して自らオーブンの前に立つ。



 あの人見た目と違って、細かい所まで目が行き届くんだよな。

そうじゃなきゃ伯爵家の料理長にはなれないか。

急いで口にいっぱいパスタとピザを詰め込んでる君。

見本となる料理長がいるんだから、早く気づくんだよ。



 銀次郎はオーブンの前に立つオリバーの横に立つ。



「坊主ありがとな」



「とんでもないです。ピザは焼き立てが一番美味しいですから、じゃんじゃん焼いていきましょうよ」



 しばらくすると奥様のお茶会が終わったのか、メイドの方も少しずつ賄いを取りに厨房に現れる。

ソフィアが厨房に居たので顔を見るなり謝っていたが、その度に気にしないでとソフィアは優しく声を掛ける。



「私がここにいると、みんなが落ち着かないから部屋に戻るね。今日は楽しかったよギンジロー。また今度ダンス踊ってね」



 もう少し一緒に居たい気もしたが、確かにメイドの方々は、ソフィアが厨房にいたら落ち着かないだろう。



 賄いを作り終えた後、銀次郎はセバスチャンといつものようにコーヒーを飲み、いろんな事があった一日が終わるのであった。

いつも誤字脱字報告をしてくれる方、感想コメントをくれる方、小説を読んでくれる方に感謝です

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