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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第一章 夏祭り屋台編
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閑話 コンペートー

 夕食の準備をしていると、メイド長が厨房に現れた。



「どうしたんだ?」



 珍しく慌ててるから、何だって聞いたらギンジローを探してるって。



「さっきまで執事と一緒に居たけどもう帰っちまったな」



 あっ、何だか落ち込んでる。

仕事が出来る様に見られてるが、昔はいつも落ち込んで裏庭で泣いてたっけ。

コイツは何でも一人で抱えすぎてる。

きっと、奥様にギンジローを探す様言われたんだな。



「おい、これギンジローからコレ貰ったけど、ちっこくて腹に溜まらなそうだから代わりに食べてくれ」



 棚の中に隠していた綺麗なガラス瓶を渡すと、コーエンの眼がキラキラと輝きだした。

そう言えば最近、何だか印象が変わったな。

明るくなったっつーか、なんだか綺麗になったな。



 あの泣き虫が綺麗に見えるなんて、今日はソーセージ食い過ぎたな。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



 何これ。まるでお星様みたいじゃない。

ギンジロー様には逃げられたけど、オリバーから貰っちゃった。

いつもと違ってちゃんと私の顔見てた。

お化粧の効果が現れてるわねきっと。



 どんなに疲れても、お肌のケアは時間をかけて丁寧にやってるの。

基礎化粧品の凄さを知ったら、もう前には戻れないわ。

あと、シャンプーとトリートメントもね。



 お化粧品は…… 使い方が分かる物と全く分からない物がある。

何よあのチークって。

お鼻が真っ赤になって、トナカイみたいって奥様に言われちゃった。



 奥様は、絶対ギンジロー様はまだお化粧を隠し持ってるって言ってたけど、まずはこのお化粧品達を使いこなせる様にならないと。



 あれっ? これすごく甘くておいしい。

オリバーはいつも優しいし、甘くて好き……



 ギンジロー様から貰ったって言ってたけど、まだこんなの隠し持ってたのね。

奥様にお話をしないと。

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