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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第一章 夏祭り屋台編
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第二十四話 鼻の穴

 今日は早めに起きて準備をする銀次郎。

夏祭りの屋台について、商業ギルドに聞きに行く為だ。



「ギンジローちゃんおはよー」



 クラーラさんの笑顔に今日も癒されて一日が始まる。

いつもより早い時間なので、食堂にはまだ宿泊の冒険者達がいる。

ハンバーグの話をした魔法使いのハリーを見つけたので声を掛ける。



「ハンバーグ美味しそうにたべますね」



「朝からハンバーグを食べれて僕は幸せだよ」



 朝からハンバーグでしかも毎日なんて信じられないが、人が好きでやっている事にケチはつけない。



 夏祭りに屋台を出したいから、商業ギルドに行って話を聞きに行くとハリーに伝える。

屋台でハンバーグを売ったら人気になるよとアドバイスされたが、ハンバーグではなくかき氷だと伝える。

ハリーはぜひ食べてみたいと言い出したので困ってクラーラさんを見る。

すると長男のルッツが、道具さえ用意してくれれば作ると言ってくれた。



 アイテムボックスから板氷を取り出すが、ハリーから氷魔法の使い手なのか聞かれた。

故郷で特殊な訓練を積んだから、氷魔法を使える様になったとボケてみたが



「ギンジローちゃんの鼻の穴が広がった時は信じない方が良いよ」



 クラーラさんに嘘を見破られてしまい、気まずい銀次郎。

 


「どうぞ〜かき氷です」



 ルッツがかき氷を持って来てくれた。

食堂にいた冒険者達も食べたいと言い出したので、ルッツにチップを渡して全員分作ってもらう事にした。



「こりゃうめぇな」



「王様になったみたいだぜ」



 まだ早い時間とはいえ季節は夏。

お日様もすでに高く昇っており、暑い日にたべるかき氷はサイコーだ。

冒険者達は一気にかき氷を食べて、ルッツにおかわりを催促している。

ルッツから目線が飛んできたので、追加の板氷を見えない場所で渡した。



「おいおい、これにエール入れて呑んだらどうなっちまうんだ?」



 確かに酒呑みなら考えつく事だ。

お前は天才か? 冒険者達は朝からエールを注文し酒盛りを始める。



「ぷはーっ生き返るぅ。これがエリクサーだったのかー」



 訳が分からないが、冒険者達は今日の仕事を忘れ、かき氷エールという未知の世界に足を踏み入れていくのであった。

まぁ楽しそうに呑んでる冒険者達と、朝から忙しそうに動き回るクラーラさん達をみて、この世の中も平和だなと感じた。



 前も感じたが、宿屋ハングリーベアーの連携はすごい。

長男のルッツはお客さんに見える様にかき氷を作っていく。

次男のハンツは商機と見るや木の扉を外し、オープンスペースに椅子とテーブルをセット。

三男のフランツはクラーラさんと一緒にテーブルを周り注文を受けていく。

バーニーさんは朝からお酒に合うメニューを作り続けた。



 宿の前を通る冒険者達も、ハングリーベアーの活気と暑い中でかき氷エールを呑む冒険者達を見て思わず注文。

銀次郎は追加の板氷をクラーラさんに渡し、食堂を出る事にした。



「商業ギルド一緒に行くよ」



 魔法使いのハリーが声を掛ける。

彼はソロの冒険者で今日も薬草採取に行くつもりだった。

しかし銀次郎が商業ギルドに行くなら、案内すると申し出てくれたのだ。



「嬉しいけど薬草取りに行かなくてもいいの?」



「今は通常の依頼しかないから問題ないよ。薬草採取依頼は商業ギルドからもあるから、僕の担当者に相談してみるよ」



 銀次郎にとっては助かるので、ハリーにお願いする事にした。



「ハリーって貴族なんだよね? 何で冒険者やってんの?」



 街の中心にある商業ギルドに歩いて行く間、ハリーとの距離を縮めようと話かける銀次郎。



「貴族って言っても貧乏だったし、それに三男だから普通の冒険者と一緒だよ。まぁそれでも貴族だったから王都の魔法魔術学校には行けたけど」



 そういえばクラーラさんから、王都の魔法魔術学校の卒業生だと聞いていた。

そこが凄いのかどうかは分からないが、魔法使いという響きには興味がある。



「こんど時間があったら魔法教えてくれないかな?」



 ハリーにお願いしたら、今度魔道具屋に行って魔力量を確かめてみよう。

マジックバッグの容量も大きそうだし、意外と素質あるかもよと言ってくれた。

楽しく会話をしているとあっという間に目的地に到着。

街の中心地に商業ギルドはあり、荷物を積んだ馬車がたくさん集まっている。



「ここが商業ギルドかぁ」



 銀次郎はワクワクしながら、商業ギルドの扉を開けた。

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