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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第一章 夏祭り屋台編
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第二十話 魔法使いハリー

誤字報告をしてくれた方ありがとうございました。

初めて小説を書いていますが、このような出来事一つひとつが新鮮で嬉しいです。

 今日は朝早く起きた銀次郎。

昨日のお風呂が良かったのだろうか、身体にキレを感じる。



 庭へ出ると今日も暑かったが気持ちの良い目覚めだ。

井戸水で顔を洗って食堂へ向かう。

いつもより早い時間なので、冒険者達のモーニングタイムだった。



「おはよーギンジローちゃん。今日は早いのね」



 クラーラさんの笑顔に今日も癒される。

冒険者達からはこの間楽しかったな。

また呑もうと誘われたが、あの日の記憶が無い銀次郎。

愛想笑いしか出来なかったが、また呑もうと約束した。



「あっそうだ。この人がハンバーグを教えてくれたギンジローちゃんよ」



 クラーラさんがカウンター席でハンバーグを食べている青年に声を掛ける。



 その青年の名はハリー。

王都にある魔法魔術学校の卒業生の魔法使いだ。

ハリーは男爵家の三男なのだが、学校を卒業後はソロの冒険者として薬草収集で生活をしているらしい。

ローブ姿の素朴な青年は、キラキラした目でこっちを見てくる。



「ハンバーグを作ったあなたと、話がしてみたかったんです」



 席を立ち笑顔で右手を差し伸べてくる青年に、こちらも右手を出す。

 朝からハンバーグは重いなと思ったが、人の好きなものにケチをつけてはいけないので黙っている。

おいしそうにハンバーグをたべるハリーを見て、チーズインハンバーグや、デミグラスソースのハンバーグをいつか作ってあげようかなと思った。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



 食事を終え大通りを歩くと噴水広場前に出る。

さすがに朝早くからエルヴィスを連れ出すのはいけないなと思い、そのまま通り過ぎた。



 大聖堂前広場に行って朝市を見て回る。

人気の屋台には朝から行列が出来てて活気があった。

この間ぼったくられた果実水の屋台にはお客さんが誰も居なかった。

今なら分かる。この屋台が観光客用だという事を。



 果実水が飲みたくなったので、この間エルヴィスに連れていってもらったお店まで歩く。

今日の果実水は、キウイとグレープフルーツそしてミントを漬けた果実水だ。

夏にぴったりの果実水でとっても美味しかった。

ヴェリーヌさんに、果実水が今日も美味しかったと伝え店を出る。



 この間行った肉屋さんにも寄ってみたが、牛タンが安かったので全部買い占めた。

アイテムボックスに入れとけば悪くならないし、こんな立派な牛タンが一本銅貨5枚なんて信じられないよ。

夏祭りの屋台で牛タン出したら売れそうだな。

でも牛タンが人気になったら、値段があがっちゃうかもしれないからどうしよう。

やってもいないのに、今から心配してしまう銀次郎だった。



 そのままぶらぶら歩いていると歴史館を発見。

入館料は銀貨1枚と高かったが、特にやる事も無いので入る事にした。



 建物の中にはマインツの街やこの国の資料が多く展示されていた。

マインツは今でこそ栄えているが、昔は何もない場所だった。

この場所をマインツ家が開拓し、何代もかけて大きな街へと成長させていったのだ。



 マインツには大きな川と豊かな土壌があり、農作物がよく育つ。

住民が増え始めた時にミスリルの鉱山が見つかり、マインツは経済的にも豊かになった。

確かにこの街の人はよく笑ってるもんな。

スラム街みたいな場所もないし、冒険者が外の魔物を狩ってくれるから危険も少ない。



 他の資料を見ると、この国は三十年程前に隣の国と戦争があったが今は休戦中という形を取っている。

戦争でお互いの国が疲弊し、第三国の動きが怪しくなったからだ。

休戦中ではあるが、国境付近では小競り合いが度々起こるので友好的な関係ではない。



 残念ながらこの戦争で当時のマインツ伯爵が亡くなり、ソフィアのお父さんが若い時に家を継いだのだった。

ふらっと入った歴史館だったが、知る事や学ぶ事が多かった。

結局閉館まで銀次郎は歴史館で資料を見て回った。



 ハングリーベアーに戻ると、朝会った冒険者達は既にエールを呑んでいる。

銀次郎を見つけると、冒険者達がエールをご馳走してくれた。

ヴェリーヌさんの美味しい果実水の店の話をしたら、綺麗なお姉さんのいる店としてみんなは知っていた。

いろんな男がヴェリーヌさんを口説こうと通っているが、デートに誘ってもうまく断られてしまうみたいだ。



 何となくエルヴィスの元カノと言うか怪しい関係のような気がするが、エールをご馳走してくれた目の前の冒険者はあのお店に通ってるらしいので、その事は黙っておく事にした。


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