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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第百八十一話 やっぱり朝食には牛乳だな

「朝採れ野菜をたっぷり使ったサラダとなります。レモンを絞ったドレッシングとマヨネーズをご用意しておりますので、お好みでお使い下さい。お飲み物は如何なさいますか?」



 早朝にセバスチャンが迎えにきてくれて、エルザさんと朝食をたべる銀次郎。

今日の予定は冷凍庫付き馬車で港町に買付に行くのを見送るのと、髪結いの勉強会をシャーリィーさんと行う。

その後は社交ダンスの発表会後に開催されるパーティー。

そこで出されるお料理とデザートの試食会だ。

それが終わったらエルザさんに案件報告と、商業ギルドのミリアも交えての下着に関する話。

まぁ今日は、一日中マインツ家でお仕事って感じだ。



「牛乳ってありますか?」



「牛乳ですね。只今ご用意致します」



 スッと下がってお辞儀をするメイドさんを見送ると、エルザさんと二人っきりになって少し気まずい。



「今回の買付の旅、何を仕入れてきてくれるか楽しみですね」



 とりあえずジャブを打って様子を見る。

朝採れ野菜のサラダは香りが強く、シャッキシャキだからサラダだけで主役になれる味だ。



「そうね。今回上手くいけば定期的に仕入れるつもりよ」



 メイドさんがテーブルにワイングラスを置き、牛乳を注いでくれる。

ワイングラスに牛乳ってある意味新鮮だな。

めっちゃ濃くて口の中が幸せな気分だ。

牛乳は保存の関係でマインツの街では見かけないけど、ヴェリーヌさんのお店に置いたら売れそうな気がする。

良い事を思いついた銀次郎は、あっという間にサラダとスープを平らげた。

するとメイドさんから、次はオムレツが出てくるので具材は入れるか聞かれる。



 銀次郎が以前、美容の為にオムレツをたべる事を勧めた。

それをエルザさんは忠実に実行している。

良質なタンパク質とアミノ酸の重要性を、正しく理解してくれて嬉しい。

エルザさんと同じプレーンオムレツと、パンをお願いした。



「ねぇ今度はいつガイショーするの?」



 エルザさんは外商好きだねー。

デパートの外商って実際は何が売れるんだろう?

美術品、宝石、時計、高級バッグ。

バッグ……バッグ……そうだ。



「そういえば聞きたかったのですけど、マジックバッグってどこで手に入れられますか? あと金額も知りたいです」



 銀次郎が聞きたかった事の一つに、マジックバッグがある。

マインツ家でマジックバッグを見た事があるし、ハリーも持っているが金額はいくらくらいなんだろう?



「マジックバッグは中身が小さければ、大金貨50枚くらいかしらね」



 一番手頃なマジックバッグはそのくらいの金額らしい。

ただし没落した貴族が偶に売り出すくらいで、エルザさんでも最近売りに出ている話は聞いていないとの事。



「ギンジローさんの故郷のマジックバッグは? あなたの持っているマジックバッグは、私が知る限り一番容量が入るバッグよ。そんなのを持っているのだから、マジックバッグに詳しいかと思っていたわ」



 実際はアイテムボックスなんだけど、これは言えないもんな。

手に入るなら買いたいと思っていたがこれ以上は藪蛇になりそうなので、忍法愛想笑いを発動し届いたプレーンオムレツとパンをたべる。



「はふっはふっ。ん〜おいしいですね」



 トマトソースには改良の余地がありそうだが、このプレーンオムレツはふわふわトロトロでサイコーだ。



 食後のデザートはヨーグルトが用意された。

最近はずっとモーニングハンバーグだったので、久しぶりに朝食らしい感じで大満足だ。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



 冷凍庫付きの馬車が一台、屋根付きの馬車が二台、あとはホロ付きの荷馬車が六台。

合計九台の大所帯で、まずは王都を目指す。

ちなみにこの様な大所帯になったのは、王都にいる領主のレオンハルトさんから、ベッドとソファーとテーブルの発注があったからだ。



「これは発泡スチロールといって、何かと便利な箱です。同じ大きさなので積み重ねも出来ますし、水にも強いです。二人の感性で海の幸を仕入れてきて下さい。あとこれはソフィアに渡して下さい」



 今回選ばれた料理人二名とハグをした後、ソフィアへの手紙を託す。

早くソフィアに会いたいな。



 マインツ家を出発し、冒険者ギルド前に着くとキーランドさん達のパーティーが待っていた。



「キーランドさん、ローザちゃん気をつけて」



「あぁ分かった。帰ってきたらまた一杯呑ろう」



 キーランドさん達とハグをして、馬車を見送る銀次郎。



「本当に気をつけてねー」



 馬車が見えなくなるまで手を振って見送った銀次郎は、セバスチャンの馬車でマインツ家まで戻るのであった。



「オリバー朝食ご馳走様でした。野菜とトマトのスープは相変わらず絶品でした」



 まずはマインツ家の厨房で、セバスチャンとコーヒーを飲む。

オリバーも手が空いていたので、一緒に至福の時を過ごした。



「ヨーグルトの出来はどうだった?」



 オリバーには素直においしかったと伝える。

オムレツもおいしかったし、トマトソースだけもう少し酸味があったほうが良いかもと伝えた。



 こう考えると日本のケチャップって優秀だったんだな。

オリバーはお酢の量を増やしてみるとの事だった。



「食材とケーキを置いておきますので、お願いします」



 お昼ごはんは社交ダンス発表会の後に実施される、パーティーの最終確認と試食会を行う。

何度も打ち合わせはしたので、オリバー達にここは任せて銀次郎は次の予定に向かった。



「ギンジロー様、宜しくお願い致します」



 コーエンさんとシャーリーさんと合流し、髪結いのキックオフミーティングだ。



「まずはお二人が出来る髪の結い方を教えて下さい。それを見てから話をしますので」



 二人が出来る髪の結い方を見て、さすがメイドさんだなと手際の良さに感心する。

ただね、こっちは二丁目でBARを経営する、元美容師のガチムチなオネエさんに仕込まれたわけですよ。

危険と隣り合わせで学んだスキルは一生ものだ。

異世界には無い髪結いのゴムとヘアピン、更には高性能な髪飾りを用いて様々な髪型を作っていく銀次郎。



 お団子やツイスト、くるりんぱを教えて今日は終了。

(みたらし団子がたべたくなっちゃったなー)



 小腹が減った銀次郎はセバスチャンと一緒に、マインツ家のパーティーホールに向かうのであった。

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