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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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第百五十七話 シーフードフライの王様

「おー坊主戻ってきたか。言われた通り下準備は済ませてあるぞ。しかしこんなに大量の玉子を使うなんて贅沢だな」



 味の確認をお願いされたのでマヨネーズを試食すると、コクがあるのに油分がしつこくなく、爽やかなレモンの酸味が絶妙のマヨネーズに仕上がっていた。



「ごめん、ちょっと我慢できない。マヨネーズと茹で玉子をもらいます」



 アイテムボックスから食パンを取り出して、ソフィアに教えたタマゴサンドを作る。

潰した茹で玉子に、出来立て手作りのマヨネーズをたっぷりと入れた。



「うまっ。やっぱりマヨたっぷりのトロトロタマゴサンドが正義だな〜」



 銀次郎がタマゴサンドを堪能していると、咳払いをするオリバー。



「体調悪いんですか?」



 一応オリバーに気を使い声をかけた後、更にタマゴサンドに手を伸ばす。

このマヨネーズはコクがあるのにしつこくないから、いくらでもたべられる。

セバスチャンがコーヒーを淹れてくれたので、食後のコーヒーも堪能するが、ふと気がつくと目の前に鬼、いやオーガがこっちを睨みつけていた」



「オーガ……」



「誰がオーガだこら!坊主この状況を分かってるんだろうな?」



 ガッツリとオリバーに怒られた銀次郎。

結局みんなの分のタマゴサンドを作らされて、マヨネーズはゴッソリと減ってしまった。

ソフィアとの思い出のタマゴサンドは、オーガの顔をしたオリバーへと、思い出が上書きされてしまったのだった。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



「オリバーさん出来上がりました。味見をお願いします」



 銀次郎はマヨネーズと茹で玉子を作り直し、味見をしてもらった。



「次はどうするんだ?」



「玉ねぎとパセリを細かくします」



「次は?」



「はい。あとは潰した茹で玉子とマヨネーズと一緒に混ぜるだけです。オリバーさん味見をお願いします」



 タルタルソースを料理人達にも味見をしてもらい、玉ねぎをピクルスにしてもおいしい事を伝える。



「では本日の主役を出しますね。バーベキューで好評だった牡蠣とホタテ。それとエビです。エビは種類が違うので小さく思えるかもしれませんが、これでも本当はでっかいエビですからね」



 今日作るのはシーフードフライだ。

海の幸で作るシーフードフライとタルタルソース。

銀次郎が好きな広島産の牡蠣にも、念の為クリーンの魔法をかけておく。



「まずは殻を外しましょう。殻と身を分けておいて下さい。殻は別の料理で使うので洗っておいてもらえますか?」



 料理人達にお願いすると、大量の牡蠣があっという間にむき身の状態になる。



「次はエビちゃんです。頭を落として殻を剥いで尻尾は残します。背腸を取って尻尾と身に包丁を入れて下さい」



 エビの下処理も終わったので、次はホタテだ。

インパクトを出したかったので、陸奥湾産のホタテはLLサイズを用意した。



「ホタテはプンと開けてプンです」



 早くたべたくなったので説明を省いたが、みんな普通にホタテも下処理をしてくれた。

フライ用の液ダレとパン粉も用意し、温めた油に海の幸を投入してシーフードフライが完成したのだ。



 カキフライは一人一個、ホタテは四人で一つ、エビフライは四尾を全員で試食した。

もちろんたっぷりのタルタルソースをつけて。



「はふっはふっ」


 揚げたてのカキフライは熱い。

そんな当たり前の事すら忘れてしまうくらいに、カキフライの佇まいは魅力的だった。

サクッからのジュワー、そしてあつーからのうまっである。



 エビは試食の為小さくカットされていたので不完全燃焼。

あ〜エビをかぶりついて、プリップリの身を味わいたい。

ホタテはLLサイズだったので満足度はある程度得たが、夕食まで我慢だな。

料理人達がシーフードフライを作っては試食を重ねる中、銀次郎は別の仕込みを行いエルザさんを厨房に招き入れるのであった。



●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●●



「エルザ様申し訳ございません。こちらの席でお待ちください」



 メイド長のコーエンさんは恐縮しているが、銀次郎の経験上、偉い人ほど世間が失礼だと思う事を逆に喜んでくれる。

それに今日はみんなで食事をした方が、寂しさを忘れる事が出来るでしょ。



「オリバー。使用人達には私の事は気にしないで、いつも通りここで食事を取りなさいと伝えて」



「あっ、その件なんですけど、今日の葡萄畑の視察でワインを大量に持って帰ってきました。ヒューイさんが手配してくれたのですが、みんなと一緒に呑んでもいいですか?」



 好きにしなさいと言われたので、白ワインを呑みながら今日の報告を始める銀次郎。



「玉子の増産の件ですが、将来の事を考えると全然足りていません。人手も少ないので、教会経由でいくつかの孤児院に声をかけてもらい、働いてみないか誘ってもいいですか?」



 エルザさんは何度も伝えているが、あなたの好きにしなさいと言ってくれる。



「玉子の増産が完了したら、このマヨネーズを売りに出します。簡単に作れますがレシピは秘匿したいので、マインツソースと同じく厨房で作って、街の食堂に卸す形にしましょう」



 エルザさんからマヨネーズを売ったら? と言われたけど、銀次郎は玉子の値段を下げて大量に手に入れたかっただけだ。

マインツ家で投資している案件なので、マヨネーズを売って投資分は稼いで欲しい。



 さて、シーフードフライを満喫しますかね〜

オリバーがシーフードフライの皿をテーブルに置くと、銀次郎はエビフライにかぶりつく。

弾けるような身の弾力と、噛み締めるほどに滲み出てくる旨味。



 シーフードフライの王様はやはりエビなのかなと思いつつ、ホタテフライに手をつけると口の中が優しさで包まれた。

揚げる時間を短くして、余熱で貝柱に熱を入れているので貝柱に甘さまで感じる。

ホタテの旨味と甘味に忠誠を誓った銀次郎だが、自分の性格はよく知っていた。



 おいしいものは一番最後に残す事を。



 口の中で溢れる旨みの詰まったエキス。

このエキスがもしエリクサーだと言われたら、それは本当の事なんだと思う。

銀次郎は目を閉じて、やっぱり牡蠣が好きじゃけぇと心で呟くのだった。

本当に申し訳ございませんが、牡蠣をどうしてもたべたくなってしまいましたので

途中で話を切らせてもらいます。本当にすみません。

牡蠣たべに行ってきます!

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