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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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閑話 カールハインツとコンペートー

「お久しぶりね。今日はどうしたの?」



 青年が我が商会に来てから数日。

カールハインツは、王都で一番の美食家であるアデルハイト様と面会をしている。



「今回はこちらを確かめてもらいたく、アデルハイト様の元へ参りました。感謝の気持ちを伝えるのに、ちょうど良いものが見つかりましたので」



 喜んで頂けると思い、あの青年から買い取ったコンペートーをテーブルの上に置く。



「あら? コンペートーじゃない」



 コンペートーを知っていたアデルハイト様に驚くが、商人たるもの表情を変えるわけにはいかない。



 ん? これは……



 メイドの方が紅茶を持ってきたが、この細長い紙で包まれたものを、カールハインツは知っていた。



「こちらはお砂糖ですね」



「最近これを使ってるのだけど、よく知ってたわね? 心配しないでね。お砂糖は貴方の商会から買ってるけど、量は減らしていないはずよ」



 砂糖の納品は先月も今月も同じだったが、質では圧倒的に負けている。

三大商会の一つと呼ばれるまでに、我が商会を大きくしたがそこで満足してしまっていたな。

アデルハイト様にお礼を述べ、退室しようとするが引き止められてしまった。



「来月から仕入れを増やすから少し待ってて」



 アデルハイト様は執事を呼び、シュミット商会とヘルマン商会から仕入れていた物を、全てウチから仕入れるようにと指示を出している。

信じられない。

なにが起きているのだろうか?



「前に仕入れてもらったマインツのワイン。あれもまた仕入れてくれるかしら? あと塩をマインツ家に届けて欲しいの。あなたの商会で用意できる分全て届けてね」



 まるで夢みたいな出来事だが、商人たるもの表情を変えるわけにはいかない。



「畏まりました。すぐに手配致します」



「あなた嬉しそうな顔をしているわね。コンペートーは後で美味しくいただくわ」



 悟られないようにしていたが、アデルハイト様に伝わってしまっていた。

商会を立ち上げて大きくしたつもりだが、商人としてはまだまだだな。

もう一度深くお辞儀をして退室するのであった。

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