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異世界ネットショップマスター  作者: グランクリュ
第二章 ダンスホール編
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閑話 エミリアとオトクヨウチョコレート バレンタイン特別編

「お腹減った。甘いのが食べたい」



 ヴェリーヌさんのお店で休む暇なく働いた。

この辺りは市場があり、商会や問屋が多い。

朝早くから働いている人が多く、一つ目の鐘が鳴る頃にやっと休憩になったお客さんが、怒涛のようにヴェリーヌさんのお店に訪れる。



「昨日勧められて美味しかったレモンの甘いやつ頂戴。あと仕事中にも飲むからこっちの水筒にも入れて」



「んーすっぺぇ。このはちみつレモンって奴すっぱ甘くてうめぇな」



「すみません。この壺に果実水とはちみつレモンという物を入れてもらえますか? 持ち帰りますので」



「お客さんが来たから紅茶をもらいたいんだけど大丈夫かな?」



「なんでこんな混んでんだよ!ヴェリーヌさんに話しも出来ずに休憩が終わっちまうじゃねーか」



「君が作る果実水じゃなくて、ヴェリーヌさんに作ってもらいたいんだけど」



 忙しいだけなら大丈夫だけど、なんで怒られないといけないのだろうか?

ここはヴェリーヌさんの果実水のお店。

はちみつレモンの可能性を知る為に、お店を手伝ったはずなのに……


 私の思った通り、はちみつレモンはよく売れた。

リピーターのお客さんの他に、口コミで初めてのお客さんもいっぱい来た。

売上は上がったけど何故だか怒られる。

泣きそうになった時にミリア先輩とギンジローが店に来た。



 嬉しかった……  甘えたかった……



 お菓子王子の顔を見たら、甘いのが食べたくなった。

甘いのが食べたいって言ったら、オトクヨウチョコレートって黒いお菓子をくれた。



 理由はわからないけど幸せな気持ちになれた。

お菓子王子に甘えたくて、でも困らせたくて、もっとちょうだいと無理を言った。

お菓子王子は困った顔をしたけど、すぐに同じオトクヨウチョコレートをたくさんくれた。



 次の日、この幸せな気持ちをお裾分けしたくてオトクヨウチョコレートをお客さんに配った。

昨日すごく怒ってたお客さんも、悪かったなと謝ってくれた。

このオトクヨウチョコレートって不思議だな。

みんなを笑顔にするオトクヨウチョコレート。

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