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災害

水害後の景色を描写しています。

記憶を刺激されそうな方がいらっしゃいましたらお気を付けください。

誤字報告ありがとうございます訂正しました<(_ _)>6/3

 朝になりました。撤収の準備をしています。


 ダムの水を流したら直ぐに王都に帰還する予定でした。でも私が倒れたので回復するまで待っていてくれたのだそうです。申し訳ありません。私が怖気づいて余計なことをしなければもっと早く帰ることが出来たはずです。雨を降らせるだけだったら魔力欠乏を起こして倒れたりしなかったと思いますから。これは誰にも打ち明けていませんけど。


 出発の前に展望台まで行きたいと言いました。ダム決壊の顛末を知りたかったからです。


「止めた方がいいぞ」

マイクが言います

「いや、見たほうがいい。私たちがどれだけ王国に貢献したのか知っておくべきだ」

ガーネット様が言います。


 私は展望台へ向かって歩き出しました。マイクが付いてきます。


 岩によじ登りその上から眺めます。景色は一変していました。


 谷底に溜まっていた土砂は跡形もありません。谷には鉄砲水が作ったらしい崩落の跡が何か所もありました。谷底付近の樹木は軒並み倒れています。流れた樹木が根を晒しているのが見えます。谷川の流れは元に戻り岩がむき出しの川底を細く流れています。流された木が集まって小さなダムをいくつか作っているようです。


 工場のあった辺りに目をやれば元の場所に無事な建物は一つもありません。瓦礫が遠くまで流されています。辛うじて屋根の残る建物も見えますが傾いています。浮いて流されたのか数軒が一塊にくっついている建物も見えます。


 畑らしかった場所に緑は見えません。泥をかぶったのか流れたのかどちらかでしょう。


 水の流れた跡がはるか遠くの茶色の大地にまで扇形に広がっています。所々に水たまりがあるらしく日に照らされて輝いて見えました。


 所々に黒い点がうごめいているのが見えました。

「人がいる?」

思わず声が出ました

「違う。動いているのは魔物だ。払鬼蘭の畑が無くなったから魔物が山から下りた。もう見るな」

マイクは私の手を引いて展望台から降ろしました。


「魔物が山を下りるとこまでババアの計画の内だそうだ。昔から災害が起きた場所には魔物が集まってくるんだと。魔物にとっちゃ災害地は餌場らしいぜ。災害のあと魔物は爆発するように増える。魔物の群れを放置すれば村や町が襲われる。帝国は魔物の討伐に忙しくなって進軍できなくなる」


 マイクが歩きながら淡々と話します。私は黙って聞きながらマイクについて行きました。


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